才人、ウイグルスワース

前日の魔笛に続き、28日のプロムスは今年40歳になる英国の指揮者・ウイグルスワースが登場しました。今度はブリテン・シンフォニアの指揮者としてです。いや、指揮者ばかりじゃありません。この日は彼の多彩な音楽活動が全開した一日でもありました。

8月28日 ≪Prom 52≫
モーツァルト/2台ピアノのための協奏曲
チャイコフスキー/組曲第4番「モーツァルティアーナ」
     ~休憩~
Ryan Wiggleswort/ピアノ協奏曲(世界初演)
ストラヴィンスキー/妖精の接吻~ディヴェルティメント
 ブリテン・シンフォニア Britten Sinfonia
 ピアノと指揮/ライアン・ウイグルスワース Ryan Wigglesworth
 ピアノ/マルク=アンドレ・アムラン Marc-Andre Hamelin

つまりウイグルスワース、この演奏会では先ずピアニストとして、後半では作曲家としてもその才能をアピールしています。
最初のモーツァルト、当初は ポール・ルイス Paul Lewis との共演という発表でしたが、上記のアムランに替わりました。日本でもお馴染みのピアニストですね。

冒頭、聴き慣れた協奏曲とは趣が違います。モーツァルトのピアノ協奏曲の醍醐味は、オーケストラの編成に注目すべきだそうですが、従来私が聴いてきた2台ピアノ協奏曲は、弦楽器以外ではオーボエ、ファゴット、ホルンのみ。しかしこの日は最初からクラリネット、トランペット、ティンパニも加わっていました。
いろいろな情報に当たってみると、K365は後になってクラリネット、トランペット、ティンパニを加えたより華やかなオーケストレーションが施されたのだそうですが、モーツァルト自身の手になるものかどうかまでは調べが付きませんでした。改めて演奏は聴いてみるものだと思います。いずれにしても私は拡大版オーケストレーションで聴いたのは初体験。興味ある方は是非チャンネルを合わせて見られることをお勧めします。

続いては、そのモーツァルトの珍しい作品をチャイコフスキーがオーケストラ用にアレンジしたもの。モーツァルティアーナは、1897年にヘンリー・ウッドが英国初演した作品でもあるそうです。

後半は再びピアノが設置され、ウイグルスワース自作の世界初演。改めてウイグルスワースのプロフィールをご覧ください。

https://en.schott-music.com/shop/autoren/ryan-wigglesworth

彼の作品はショットから出版されており、多くがペルーサル・スコアとして閲覧可能。但し今回のピアノ協奏曲は初演ということもあり、現時点では音でしか確認できません。BBCとメルボルン交響楽団との共同委嘱作で、近い将来にはスコアを見ながら楽しむことができるでしょう。その時に音源があるかが問題ですがね。

コンサートの締めは、前半で演奏されたチャイコフスキーの音楽を基にストラヴィンスキーがバレエ用にアレンジしたもの。モーツァルト→チャイコフスキー→ストラヴィンスキーという連想ゲームの環が繋がりました。

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