ウィーン国立歌劇場公演「椿姫」(1)

9月7日の午前2時、オッタヴァ・テレビのウィーン国立歌劇場ライヴ・プログラムが始まりました。
2019-20シーズンはシーズンを通して年間プログラムが中継される予定で、私も年間会員チケットを購入して心待ちにしていた次第。その第一弾がオペラの中のオペラ、椿姫です。キャストなどの詳細を掲げておきましょう。

ヴィオレッタ・ヴァレリー/エカテリーナ・シウリーナ Ekaterina Siurina
アルフレード・ジェルモン/チャールズ・カストロノーヴォ Charles Castronovo
ジョルジョ・ジェルモン/トーマス・ハンプソン Thomas Hampson
フローラ/マーガレット・プラマー Margaret Plummer
アンニーナ/ドンナ・エレン Donna Ellen
ガストーネ子爵/カルロス・オスナ Carlos Osuna
ドゥフォール男爵/ソリン・コリバン Sorin Coliban
ドビニー侯爵/ハンス・ペーター・カンマラー Hans Peter Kammerer
グランヴィル医師/アイク・マルティロッシアン Ayk Martirossian
ジュゼッペ/トーマス・ケーバー Thomas Koeber
フローラの使い/ローマン・ラウダー Roman Lauder
使者/イオン・ティブレア Ion Tibrea
合唱/ウィーン国立歌劇場合唱団
指揮/ジャンパオロ・ビサンティ Giampaolo Bisanti
演出/ジャン=フランソワ・シヴァディエJean-Francois Sivadier
舞台監督/アレクサンドル・デ・ダレル Alexandre de Dardel
衣裳/ヴィルジニー・ジェルヴェーズ Virginie Gervaise
メイク/セシール・クレッチュマー Cecile Kretschmar
照明/フィリップ・ベルトーム Philippe Berthome
演出助手/ヴェロニク・ティムシット Veronique Timsit

椿姫(1)としたのは、現地では来年6月にも同じ椿姫が別の指揮者(変更が無ければドミンゴ)、別のキャストでも上演される予定だからで、今シーズン1回目の椿姫という意味です。
オペラでは急な出演者、指揮者の交替はよくあることで、今回も主役のヴィオレッタがイリーナ・ルングからエカテリーナ・シウリナに急遽変わりました。ルングを楽しみにしていたファンは残念ですが、シウリーナには彼女なりの魅力があります。

オッタヴァの解説によると、演出のシヴァディエは自身が俳優でもあるそうで、今回の歌手陣も歌のみならず細やかな演技が目立っていたようです。台詞やト書きには書かれていないような仕草、表情はテレビ中継ならではですね。

演出そのものはどちらかと言えばリアリスティックですが、舞台上に小道具などを余り置かず、歌手が歌いやすいよう、動き易いように広々と開けていのかと思います。この演出というか装置では愛のベッドも死のベッドも登場しません。
時に象徴的な場面もあって、最後の幕ではヴィオレッタが自分の衣裳とアルフレードの背広を並べて見せたりと、観客に何かを暗示させるような面も感じられました。

第2幕第1場と第2場の間に休憩が入りますが、第1幕と第2幕の間、第2幕と第3幕の間は普通にカーテンが降りて舞台転換が行われるのではなく、各場面の間にある時の流れ、事の経緯などが舞台上で演じられるのが当演出の特徴でしょうか。
第2幕第2場のカジノの場面で倒れたヴィオレッタが、第3幕間奏曲の間に重病人に変貌していく様子など、斬新的な試みもあります。
なお、シヴァディエの演出は映画「椿姫ができるまで」(2012年、監督フィリップ・べジア)の中で描かれているとのことですので、これを見てからウィーンの舞台を見ればより効果的なのでしょう。私はこれから映像を探してみます。

シウリーナは重病人には見えませんが、歌唱は立派。カストロノーヴォのアレフレードは嵌り役のようで、ヴィオレッタと対等、あるいはそれ以上なのでファンが一気に増えそう。ところでシウリーナとカストロノーヴォは現実の世界でもご夫婦なのだそうで、道理で熱い訳だ。今回の交代劇をそんな目で見ちゃいけないでしょうが・・・。
オールド・ファンに嬉しかったのはハンプソンで、見事に年齢を加えたジェルモンは存在感がありました。

ウィーン国立歌劇場、今シーズンは特にヴェルディとリヒャルト・シュトラウスに力を入れているようで、特にヴェルディは主要作品の殆どを見ることができそう。次回のドン・カルロも期待が高まります。

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