オラモが描く自然への讃歌
プロムスのホスト・オケ、BBC交響楽団としては最後から2番目のプロムスです。
サカリ・オラモが自然からヒントを得た作品、あるいは自然現象を捉えた作品を並べてのコンサートでした。
9月8日 ≪Prom 67≫
ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編)/はげ山の一夜
ルイ・アンドリーセン Louis Andriessen/The Only One(英国初演)
~休憩~
ジュディス・ウェアー Judith Weir/Forest
シベリウス/交響曲第5番
BBC交響楽団
指揮/サカリ・オラモ Sakari Oramo
歌/ノラ・フィッシャー Nora Fischer
最初のムソルグスキーは、ヘンリー・ウッドが英国初演した作品で、今年のテーマの一つでもあります。
続いては紹介されたオランダの作曲家アンドリーセンは今年の6月6日で80歳。音楽ファミリーの出で、アムステルダムにはアンドリーセンという名前の作曲家が何人も登場します。
この日英国初演された「唯一つ」は、女性のジャズ・シンガーとアンサンブルのための作品で、フランドルの詩人デルフィン・ルコンテによる5編の詩に序奏、2つの間奏を挟んだ8楽章で構成されるもの。歌い手のノラ・フィッシャーはプロムス・デビューだそうです。
アンドリーセン及び作品に付いては、出版社であるブージーのホームページをご覧ください。本作に付いてはブージーのオン・ラインスコアで譜面を参照しながら聴くことが可能。こちらからアクセスできます。
http://www.boosey.com/composer/Louis+Andriessen
恐らく、第2間奏曲でディエス・イレが引用されるのにビックリされることでしょう。意味合いは各自考えてください。
後半を開始するウェアーはスコットランド系女性作曲家ですが、ロンドンで育った人。これがプロムス初演となる「森」は、バーミンガム市交響楽団のレジデント作曲家だった1990年代に作曲され、サイモン・ラトルによって初演された作品。
幸いなことに、これまた出版社であるフェイバー社のホームページに行き、作曲家名で検索、作品をクリックすればペルーサル・スコアとして閲覧しながら聴くことも出来ます。是非是非お試しを。ウェアーのプロフィールについてはこちらを参照してください。
https://www.judithweir.com/about
コンサートの締めは、シベリウスの第5。このシンフォニーに二つの稿があることはご存知でしょうが、今回は決定稿での演奏。因みに初稿は8月3日のプロム20でBBCスコティッシュによって演奏されましたから、両者を聴き比べるのも一興。と言っても8月3日文は放送終了となってしまいましたが・・・。
16羽の白鳥が翔ぶシーンが、コンサートの趣旨でもある自然賛歌に繋がります。
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