ロイヤル・フィルのワーグナー・アーベント

9月8日は、ロイヤル・フィルのプロムス今シーズン初登場。ドイツの指揮者アルブレヒトを迎えてワーグナーとそれに因む作品の一夜でした。

9月9日 ≪Prom 68≫
ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
ワーグナー/楽劇「ジークフリート」森の囁き
フランク/交響詩「呪われた狩人」
     ~休憩~
ワーグナー/楽劇「神々の黄昏」夜明けとジークフリートのラインへの旅
ワーグナー/楽劇「神々の黄昏」二重唱曲
ワーグナー/楽劇「神々の黄昏」ジークフリートの死と葬送行進曲
ワーグナー/楽劇「神々の黄昏」ブリュンヒルデの自己犠牲
 ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮/マルク・アルブレヒト Marc Albrecht
 ソプラノ/クリスティーネ・ゲルケ Christine Goerke
 テノール/シュテファン・グールド Stephen Gould

前半はワーグナーを中心に、ワーグナーに影響を与えた作品とワーグナーに影響を受けた作品が並びました。隠れテーマとして「森」があるかも知れません。
ジークフリートからの「森の囁き」は、ズンぺが編んだ版がそのまま演奏されています。森の囁きを単独で取り上げる場合、アレンジは様々なのが現状。特にCDに収録されているものは楽劇全曲盤から該当箇所を抜粋する場合もあり、注意が必要でしょう。その点で、今回はズンぺ版を手元に置いておけば充分です。

後半は「神々の黄昏」ハイライト。頭に書いた曲順はプロムス公式ホームページに掲示されている通りですが、実際に聴いてみると、演奏されるのは3つの場面です。
即ちプロローグの26ページ(オイレンブルクのポケット・スコア)、夜明けの場面からプロローグの最後まで。ここでジークフリートとブリュンヒルデの二重唱が歌われます。

次に第3幕に飛び、ジークフリートの殺害の場面。スコアで言えば508ページを開けてください。初めにジークフリートが忘れ薬から醒める歌が入り、そのまま葬送行進曲へ。
行進曲が静かに終わると、一気に553ページの下段、グートルーネの歌が終わる所に飛び、ブリュンヒルデの自己犠牲が全曲の最後まで演奏されます。この3っつの場面、途切れることなく一気に演奏されるため、神々の黄昏を全曲味わったような気分にさせてくれました。

ジークフリートとブリュンヒルデは共にアメリカ人で、ゲルケはメットのリングで歌っていますし、グールドもウィーンのリングでジークフリートを歌います。ウィーンのリングは来年、オッタヴァ・テレビがライヴ・ストリーミングで放映してくれますから、その全曲を楽しみに待ちましょう。

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