今日の1枚(30)

今日は大寒です。正確に言えば「大寒」の中日ということですけど。東京は昨日の暖かさが残って、それほど寒くありません。
昨日に続いてドヴォルザークの1枚です。同じデッカでドヴォルザークのレアもの。昨日は60年代のアナログ・ヴィンテージでしたが、これはディジタル録音。

①ドヴォルザーク/チェコ組曲作品39
②ドヴォルザーク/プラハ・ワルツ集B99
③ドヴォルザーク/ポロネーズ変ホ長調B100
④ドヴォルザーク/ポルカ変ロ長調B114
⑤ドヴォルザーク/弦楽合奏のためのノットゥルノ作品40

演奏はアンタル・ドラティ指揮デトロイト交響楽団。と言っても編成は小さなものです。
ブックレットには録音日付がクレジットされていませんので、別資料で調べたところ、1980年6月の由。
録音会場はデトロイトのユナイテッド・アーティスツ・オーディトリアム。プロデューサーが James Mallinson 、エンジニアは Colin Moorfoot のコンビです。
ディスクはデッカの 414 370-2 。日本でもLPで出ていたと思いますが、CDは出たのでしょうか。世間ではあまり評判にならなかったと思います。
しかし録音、演奏ともデッカとしても最高クラスでしょう。私の好み、オーケストラはマイクに近く、どんな細部も明瞭に聴こえてきます。

①は「前奏曲」(パストラーレ) 「ポルカ」 「ソウセドゥスカ」(メヌエット) 「ロマンス」 「フィナーレ」(フリアント)の5曲。木管、ホルン、弦楽合奏が中心で、最後の曲だけトランペットとティンパニが使われます。
第2曲と第3曲に繰り返しがありますが、ドラティは全て実行。特にポルカの繰り返しは、ダ・カーポで再現する際も全て繰り返しています。
また、第4曲はイングリッシュ・ホルンが使われ、ドヴォルザークはバス・クラリネットでも可と指示していますが、スコア通りイングリッシュ・ホルンによる演奏。
メヌエットの細やかな演奏を聴いていると、ドラティの指揮を素っ気無いと評した連中の耳を疑いたくなりますな。

②③④は1961年になってやっと出版された珍品。従って作品番号はなく、ブルグハウザーが作曲順に整理したB番号で知られるもの。私もスコアは持っていません。
②は5種類のワルツを続けて演奏するもので、あくまでもワルツ集。編成はチェコ組曲とほとんど同じに聴こえます。
③はトライアングル、大太鼓、シンバルも賑やかに登場。④にもトライアングルが使われています。
これら打楽器の録音も極めて自然、演奏も洗練されていますね。

⑤は、三省堂の「クラシック音楽作品名辞典」によれば、弦楽四重奏曲第4番より編曲、とありますが、これは間違いでしょう。確かにクァルテットと同じ素材を使っていますが、音楽としては別物。
(第4弦楽四重奏曲の第2楽章は完全終止せず、そのままアタッカでフィナーレに続きます)
またブックレットの解説(キース・クラーク Keith Clarke 筆)によれば、後にト長調の弦楽五重奏曲でも使われた素材と紹介されていますが、これは確認できません。(ト長調のクインテットって2番ですよね。これにはノットゥルノのテーマは出てきません)

参照楽譜
①クラスネ・リテラトゥリー H1600
②③④はなし。但しスプラフォンから合本として入手可能。
⑤ボーテ&ボック 12838

②~④を何度も聴いているうちにメロディーが耳から離れなくなってしまいました。急遽アカデミアにスコアを発注したところ。チェコの譜面は廉いので助かります。

 

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