ウィーン国立歌劇場アーカイヴ(16)
4月13日、26年ぶりの「ばらの騎士」を見ました。1994年3月23日の公演。あれからもう26年経ったのかという感慨と、未だ26年かという思いが交錯しますが、これはオペラ画像としては古典中の古典でしょう。
私にとって「ばらの騎士」は、ザルツブルク音楽祭の公演を映画化したカラヤン指揮シュヴァルツコプフの記録と、今回ウィーン国立歌劇場のアーカイヴとして配信されたカルロス・クライバー指揮の二つが双璧です。前者は確か以前のヤマハホールで映画として鑑賞しましたし、後者はレーザー・ディスクで繰り返し見たものです。
ウィーン国立歌劇場のアーカイヴと言っても、ユニテルが制作した映像。現在はDVD化されているはずで、若いファンも普通に見ることが出来ます。もちろんひと昔もふた昔も前の収録ですから、画質は見劣りがします。音質も当時としてはレヴェルが高いものでしたが、昨今のライブストリーミングに比べれば物足りなく感じられるかもしれません。
それでも、オールド・ファンにとってこれは宝物ですね。カメラワークも良い。第2幕冒頭、オクタヴィアンがゾフィーに銀のバラを贈呈するシーンは特に有名なカットで、これに続く二重唱にはどうしても泣けてしまいます。
第2幕最後のワルツ。ここでクライバーを映すか、と思ってしまうシーンですが、クライバー・ファンには堪らないでしょうね。
これ以上書くこともないでしょう。主なキャストだけ列記しておきます。
マルシャリン/フェリシティー・ロット Felicity Lott
オックス/クルト・モル Kurt Moll
オクタヴィアン/アンネ・ゾフィー・フォン・オッター Anne Sofie von Otter
ファニナル/ゴットフリート・ホーニック Gottfried Hornik
ゾフィー/バーバラ・ボニー Barbara Bonney
マリアンネ/オリヴェラ・ミルヤコヴィッチ Olivera Miljakovic
ヴァルツァッキ/ハインツ・ツェドニク Heinz Zednik
アンニーナ/アンナ・ゴンダ Anna Gonda
警部/ペーター・ウィンベルガー Peter Wimberger
元帥夫人の執事/ワルデマール・クメント Waldemar Kmentt
ファニナル家の執事/フランツ・ケースマン Franz Kasemann
公証人/ヴォルフガング・バンクル Wolfgang Bankl
料理屋の主人/ペーター・イェロジッツ Peter Jelosits
テノール歌手/キース・イカイア=バーディー Keith Ikaia-Purdy
指揮/カルロス・クライバー Carlos Kleiber
演出/オットー・シェンク Otto Schenk
今回の「ばらの騎士」までが、閉鎖中にウィーン国立歌劇場が無料で配信しているアーカイヴ・シリーズの第2弾です。このあと15日(日本時間)から4月末までの予定が発表されていますが、それも順次感想などをアップしていく積り。「ばらの騎士」も早速2013年の公演が17日に見ることが出来るようですね。アダム・フィッシャーの指揮ですが、演出は未だにオットー・シェンクのもの。実に息の長い舞台だということが判るでしょう。
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