ウィーン国立歌劇場アーカイヴ(18)

前日の「パルジファル」に続いて、今日(4月17日)には「ばらの騎士」が配信されています。どちらも大変長いオペラで、両日共に早起きして観戦しました。外出自粛が始めってから、いつもより忙しくなったような気がしています。
「ばらの騎士」は4日前にもクライバーが指揮した1994年のアーカイヴを堪能したばかりですが、今回のものは2017年12月16日の公演の由。同じオットー・シェンクの演出ですから、少なくとも20年以上続いているロングランの舞台だということが判ります。そもそも「ばらの騎士」は本来ならアルティノグルー指揮で4月13・16・19日の3回公演され、19日のものがライブ・ストリーミングされる予定でした。もちろんそれもシェンク演出。

オッタヴァ・テレビのご厚意で3日間視聴できる映像は前回のクライバー指揮の歴史的映像が選ばれましたから、今回のものは17日限定の配信となります。因みに明日はメトロポリタン歌劇場の「ばらの騎士」も配信されることになっていますから、二つの劇場を見比べ聴き比べしてみるのも一興でしょう。正に巣籠生活の醍醐味。
ということで、今回のキャスト。何分にも出演者が多いので、主要な役に絞りました。

マルシャリン/クラッシミラ・ストヤノヴァ Kraddimira Stoyanova
オックス/ペーター・ローズ Peter Rose
オクタヴィアン/ステファニー・ハウツィール Stephanie Houtzeel
ファニナル/クレメンス・ウンターライナー Clemes Unterreiner
ゾフィー/エリン・モーリー Erin Morley
マリアンネ/ レジーヌ・ハングラー Regine Hangler
ヴァルツァッキ/トーマス・エベンシュタイン Thomas Ebenstein
アンニーナ/ウルリケ・ヘルツェル Ulrike Helzel
警部/アレクサンドルー・モイシウク Alexandru Moisiuc
元帥夫人の執事/ヴォルフラム・イゴール・デルントル Wolfram Igor Derntl
ファニナル家の執事/ペーター・イェロジッツ Peter Jelosits
公証人/マーカス・ペルツ Marcus Pelz
テノール歌手/シャホウ・ジンシュ Jinxu Xiahou
料理屋の主人/ヘルヴィッヒ・ペコラーロ Herwig Pecoraro
指揮/アダム・フィッシャー Adam Fischer
演出/オットー・シェンク Otto Schenk
舞台装置/ルドルフ・ハインリッヒ Rudolf Heinrich
衣装/エルニ・クニーパート Erni Kniepert

当初ウィーンから発表されていたものとは別のテイクのようで、改めて国立歌劇場のアーカイヴの豊富さが感じられます。
同じシェンク演出でも、散々見慣れたクライバー指揮の1994年収録映像とでは細部の演技などに違いがあります。長い年月の間に少しづつ変化してきたということで、その辺りも見所になりましょう。

前回は字幕が一切ありませんでしたが、今回は日本語字幕もバッチリ。これならこの機会に初めてオペラでも見ようかという皆様にも楽しめるのじゃないでしょうか。
個人的な思い出で恐縮ですが、私が初めてこの音楽を知ったのは、かつてN響の首席指揮者だったウィルヘルム・シュヒターが指揮したハイライト盤というものでしたが、当時は良さがまるで判りませんでしたね。ところが今回も、少なくとも各幕で一度は胸が一杯になってしまいます。特に第1幕の後半、マルシャリンがオクタヴィアンに言って聞かせる “時は気にしなければ何ということはないが、ある時気が付くとその流れる音が聞こえてくる” という件は胸に迫りますね。それだけこちらも歳を取ったということですが、今回の疫病騒ぎに翻弄されてみると、より一層身に染みるものがあります。

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