東京籠城日記(18)
東京の緊急事態宣言が解除されてもこのジャンルは有効です。各地のコンサートホールは閉鎖、乃至は現実に演奏会を開催できない状態ですから、個人的には外出もほとんどしていません。引き続き籠城生活が続いていて、音楽は家で楽しむもの、パソコンで聴くものという習慣にすっかり馴染んでしまった感があります。
ということで特にブログに書くこともない日々でしたが、今から6時間ほど前に興味深い映像が配信されました。アムステルダムのコンセルトヘボウ管弦楽団が無観客で演奏し、それを無料で提供するもの。
グスターヴォ・ヒメノ Gustavo Gimeno が指揮するベートーヴェンの交響曲第7番で、視聴はこちらからどうぞ。
今回は無観客、ステージ上はソーシャル・ディスタンシングのルールを守り、楽員は間隔を広く取って座ります。弦楽器は譜面台を一人1台づつ使っているのが見慣れた光景と違うところで、中には紙の譜面ではなく電子楽譜を利用している人も何人か見かけました。
更にはマスク着用で演奏しているメンバーも数名。
このスタイル、コロナ後の音楽鑑賞、演奏会の在り方として大いに参考になるのじゃないでしょうか。奏者間の間隔を空けるということでマーラーのような大作は無理としても、ベートーヴェンなら演奏できる。
つまり第9交響曲を除外すれば、ベートーヴェン・サイクルが可能ということでしょう。
あとは経済的にオーケストラを維持することが出来る仕組み作り。
例えば演奏会は有料のオンライン配信をベースとして、実際の演奏会場には希望者の中から抽選で選ぶこととする。ネット会員に付いては特典を設け、考え得るあらゆるサーヴィスを提供する。もちろん会員は世界中が対象となります。
コンセルトヘボウの配信は画質も音質も最高クラス。これからのホールはネット配信システムを備えること、客席を削ってでも舞台を広く取り、大曲も演奏家の間隔を広く取れるように設計することが必須条件になるかも。
となれば、ホールとしてもネット会員を募集することが出来、あとはコストに見合うだけの収入が確保できるかの経済計算でしょうね。
そんなことも考えてしまったコンセルトヘボウのチャレンジ。それこそ「蘭楽の勧め」ですな。
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