名古屋フィル・第481回定期演奏会(オンライン)
日本各地のオーケストラが演奏会を再開していますが、今朝は名フィルの定期を視聴しましたのでレポートしておきましょう。
名フィルの定期は毎月二日間公演が行われていて、今回オンラインで無料配信されたのは7月10日、愛知県芸術劇場で開催された初日の模様。当初予定されていたプログラムが何だったか覚えていませんが、コロナ禍により曲目はベートーヴェンの田園交響曲1曲だけの短縮コンサートに変更されました。
ベートーヴェン/交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」
指揮/小泉和裕
コンサートマスター/後藤龍伸
どのオーケストラにも共通していますが、舞台一杯に楽員が並ぶ例えばマーラーの交響曲などは演奏できません。そこで専ら取り上げられるのが今年生誕250年のベートーヴェン作品。中でも田園交響曲が大人気で、7月に入ってからだけで山形交響楽団、新日本フィル、そして名フィルと3種類もの演奏をネットで聴き比べ、見比べることが出来ましたね。
確か名フィルの演奏がオンライン配信されるのは今回が初めてで、その意味でも注目していました。ただ7月10日に行われたライヴでの配信は、当方がサントリーホールで日本フィルの定期を聴いていた時間と重なっていたため、改めて配信されたアーカイヴ放送による感想です。
愛知芸劇は、もちろん名フィルの定期を聴きに出かけたこともありますし、ここで毎年開催されている京響の名古屋公演もほぼ欠かさず参加してきました。私の経験でも、日本の三大名ホールに入るのではないかと思われるほど音響が優れており、それは今回の配信でも実感できます。
配信サイトはカーテンコール。これまでこのサイトで聴いた山響、大フィルなどと比較して今回の番組が画質・音質共に最も優れていたと感じました。但し音と絵が完全にはシンクロしていないという問題があり、この点が改善されれば有料配信でも十分に行けるのじゃないでしょうか。
3種類の田園、指揮者によりオーケストラにより、アプローチが全て異なっているのを確認できるのも配信の楽しみ。CDなどの音声だけでは判らない場面も映像があることで確認することが出来ます。
山響は金管・打楽器が古楽器であることが何よりの特徴で、楽器そのものを興味深く見ることが出来ました。新日本フィルではソーシャル・ディスタンシングの影響でしょうか、一部の奏者が楽章間で入場するという珍しい光景もありました。
その点では名フィルは最もオーソドックスで、最初からピッコロ、トロンボーン、ティンパニも入場しています。ピッコロ奏者についても違いがあり、名フィルは楽譜通り第4楽章のみ。一方で山響と新日フィルでは第3フルート奏者としても吹いていましたね。当然ながらフルートとピッコロを使い分ける様子が見られました。こんな些細なことはどうでもよいのですが・・・。
名フィル音楽監督の小泉は、やはりカラヤンを連想させる指揮振りが相変わらずで、第1楽章も第3楽章も繰り返しを全て省略してしまうのもカラヤンそっくりです。
オケのメンバーを見ていておやっ、と思ったのはオーボエに広田智之らしき姿があったこと。彼は日本フィルから都響に移ったと認識していましたが、今は名フィルなんでしょうか? 改めて名フィルのメンバー表を見ると、どうやら今回は客演だったようで、こんなことが判るのも配信ならでは。
冒頭には楽団理事長が、演奏後には小泉監督が挨拶されましたが、マエストロの話を聞いたのは初めて。こんな機会だからこその映像でした。
カーテンコールでは来週、大フィルのサマー・コンサートが配信されるそうで、こちらは尾高忠明の指揮。開場のいずみホールは行ったことが無いので、こちらも楽しみです。
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