アムステルダムのアメリカ人(オンライン)

今日は朝から注目のネット配信が集中していて、目の回るような忙しさです。ヨーロッパでは金曜日の夜に当たりますが、1時間の時差でウィーンとアムステルダムからの配信。どちらを先に紹介しようか迷いましたが、先ずはアムステルダムから行きましょう。8月下旬に再開したコンセルトヘボウ管弦楽団の秋シリーズ。これまで全てのコンサートを無料で配信してくれる何とも有難いライヴ・ストリーミングです。

ガーシュウィン/キューバ序曲
ガーシュウィン/「ポーギーとべス」組曲~なまず横丁
ガーシュウィン/ラプソディー・イン・ブルー
 指揮/アラン・ギルバート Alan Gilbert
 ピアノ/ステファノ・ボラーニ Stefano Bollani

このオール・ガーシュウィン・プログラムは、現地では10日と11日に各2公演、合計4回開催された演目の最終回の模様で、コンサートは現地時間の夜9時15分から行われました。
配信は先ずコンセルトヘボウのユーチューブでライヴ放送され、24時間は聞き逃しで視聴可能。そのあとはコンセルトヘボウの公式サイトに移行し、1週間は無料で見ることが出来るシステムです。前回、ヘレヴェッへのライヴでは若干の通信障害があり、ユーチューブでの聞き逃し配信はカット。公式サイトでは全く問題なく、素晴らしい映像と音声が楽しめました。

今回はユーチューブ・ライヴでも問題なく、最後まで安定した絵と音が堪能できます。同時に流れるチャットでも絶賛のコメントが絶えることなく、それこそ世界中のファンが満喫していました。

番組の最初に流されるオーケストラ・メンバーの紹介コーナー。今回はヴァイオリンのマイケル・ウォーターマン Michael Waterman 氏で、何とご両親もコンセルトヘボウの楽員だったそうな。現在使用しているヴァイオリンは父親譲りのものだと、ドミニック・セルディス氏のインタヴューに応えていました。
これに続いて簡単な曲目紹介があるのですが、セルヴィスはラプソディー・イン・ブルーの初演(1924年2月12日 ニューヨーク)に触れ、客席にはクライスラー、スーザ、ストコフスキー、ラフマニノフ、ストラヴィンスキー
の顔が並んでいたとか。個人的には初めて聞いた話で、チョッと驚きましたね。

コンセルトヘボウの舞台前面は色々アレンジ出来るようで、中央の箱状のスペースにはピアノがセットしてあり、最後の曲目で機械的にせりあがってくる仕組み。その両脇に舞台に上がるための階段が据えられ、ギルバートは右側、ボラーニが左側からステージに上がっていました。この様子は、映像があればこそ確認できます。

軽快なキューバ序曲に続いて演奏された「ポーギーとべス」組曲は、アップライト・ピアノ(ピアノ演奏はオーケストラの楽員)やバンジョーも登場するガーシュウィン・ワールド。メンバーたちのいつもより楽しそうに演奏している様子も伺い見ることが出来ました。
そして休憩を挟むことなく、視聴者諸氏も心待ちにしているボラーニ登場。その瞬間から歓声が上がり、ジャズ・クラブでも客を沸かせているという二刀流ボラーニの人気の高さが伺えます。

なるほど独特な雰囲気を持つミュージシャンですね。自身がニューヨーカーでもあるギルバートとのコンビも絶妙で、自粛期間中の憤懣を全て吹き飛ばすようなガーシュウィンでした。
何とアンコールが3曲も。ガーシュウィンの作品には余り馴染みが無いメリーウイロウですが、直ぐに曲名が紹介されるのはチャットの有難い所。その3曲を演奏順に列記すると、

最初はオーケストラとの共演で「リアルトのさざ波」と題されたラグ・ミュージック Rialto Ripples Rag 。
続いてはボラーニ単独でのソロで、Someone to Watch Over Me 。邦題では「やさしい伴侶を」として知られているそうです。鳴り止まぬ拍手とブラヴォ~に応えて、最後は But Not For Me というミュージカルに付けた歌曲の由。作詞はアイラ・ガーシュウィンなのだそうです。

ということで、アムステルダムの夜は更けません。

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