今日の1枚(44)
今日は節分ですが、朝の散歩で早くも撒いた豆が落ちているのを発見。夜明け前に豆撒きしたんですかねぇ~。
そうそう、緋寒桜もチラホラ咲き出しています。
今日はベルリオーズです。2月3日は「ローマの謝肉祭」序曲が世界初演された日ですが、偶然ながらそれもあります。
①ベルリオーズ/幻想交響曲 作品14
②ベルリオーズ/劇的物語「ファウストの劫罰」~管弦楽のための3小品
③ベルリオーズ/序曲「ローマの謝肉祭」作品9
いずれもエドゥアルド・ヴァン・ベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団の演奏。99年6月にデッカ・レーベルで発売された POCL-4713(466 297-2) という品番です。
データが明記されているのは①だけで、1951年7月、アムステルダムのコンセルトへボウでの収録。プロデューサーは Victor Olof 、エンジニアは Kenneth Wilkinson とクレジットされています。
②③のデータが無いのは不詳なのか単なる記載漏れか、カルショウでなくオロフなのか等々疑問もありますが、このディスクの解説ではそうなっています。
ベイヌムのベルリオーズは定評あるもので、①もデッカに二度録音しています。恐らくこれは二度目の録音だと思います。
旧盤はSPで初出、K 1626/31 の6枚12面でしたが、新録音はそれから比較的間隔を置かず、LPで LXT 2642 として出ていたもの。
当ディスクは極めて録音状態が良く、当時の最優秀録音と言えるものです。昨日の1枚同様、大太鼓にもう少し重量感があれば完璧でしょう。
演奏も充実したもの。
第1楽章と第4楽章の繰り返しは省略しています。また幻想交響曲は、LPではどうしても第3楽章の途中で面を裏返す箇所が来てしまい、この録音では第111小節と112小節の間が切れているようです。マスタリングの技術によって上手く繋ぐことも可能でしょうが、本盤では途切れているのが残念。
第1楽章133小節(ff)、135小節(f)、137小節(pp)にティンパニの加筆があること、489小節の弦がアルコでなくピチカートのままなのは、他の演奏と同じ。スコアと違っているのは版の関係なのか単なる演奏習慣上の加筆なのかは不明。
(手元のオイレンブルクが古いので新しい音友版を買って確認しましたが、両版とも内容は同じでした)
②は、世界レコード録音百科事典では第一巻に掲載されているので、1950年以前の録音であることは間違いないでしょう。
そもそも「ラコッツィ行進曲」と「鬼火のメヌエット」が K 1948 で、「妖精の踊り」と歌劇「トロイ人」行進曲とが K 1949 で夫々出ていたもの。このCDではトロイ人行進曲が没になってしまっています。
録音は明らかに新盤・幻想交響曲より古いものですが、意外に音質は良く、大太鼓などはこちらの方が物々しく鳴り響きます。
「ラコッツィ行進曲」と「妖精の踊り」の繰り返しは全て実行。
③は百科事典第三巻に初めて登場してくるものですから、幻想新盤より新しい録音だと思われます(幻想新盤は第二巻掲載)。
ただし初出は LW 5176 というもので、旧カタログの②(ファウストの劫罰の3曲)と組み合わせになっていました。あるいは「ローマの謝肉祭」だけの単独録音かも知れません。
これも録音は鮮烈を極めたもので、特にコルネットの音が見事。この曲はトランペットとコルネットを使い分けていますが、コルネットの華やかな音色はデッカならでは。この楽器が活躍する箇所はたくさんありますが、何と言っても最後の最後、派手なトリルの濡れた様な目覚しい音色を挙げましょうか。
参照楽譜
①オイレンブルク No.422 及び音楽の友社 OGT235(新旧ベルリオーズ全集を参照して制作したオリジナル版)
②オイレンブルク No.994(全曲版)
③オイレンブルク No.620
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