今日の1枚(55)

今朝は蛙の死体をいくつも見ました。昨日の暖かさに誘われて巣を這い出し、交通事故に遭遇。毎年の光景ですが、都会でもこれだけ蛙が棲息していることに驚きも禁じえません。
今日からはベイヌム/コンセルトへボウによるフィリップス録音を聴いていきます。
正しくは、ユニバーサル・ミュージックからフィリップスのロゴで発売されている廉価盤シリーズ。今日の1枚はこれ、UCCP-3330(462 0682) です。

①マーラー/交響曲「大地の歌」
②マーラー/歌曲集「さすらう若人の歌」

共に1956年12月3日から8日にかけてアムステルダムでの録音。モノラルですが、最後期のものだけに録音は優れています。
①の独唱はメゾ・ソプラノがナン・メリマン、テノールはエルンスト・へフリガー。
②は引き続きナン・メリマンが歌っています。

①大地の歌が交響曲か歌曲集かは問いません。日本では一般的に交響曲に分類されます。
ベイヌムとしては唯一の録音でしょう。大編成だけにホールの中央から後辺りで聴くイメージですが、トライアングル、グロッケンシュピール、ハープなどの煌く音もシッカリ捉えられています。
へフリガーはベルリン・ドイツ・オペラで来たときにタミーノの舞台に接しましたし、N響定期でバッハとモーツァルトも聴いていますから懐かしい感じ。私がナマで聴いた時よりずっと若い時の歌唱で、パワーの漲った歌声が楽しめます。

②はベイヌムの二度目の録音だと思います。旧盤はデッカのSP、オケはロンドン・フィルで、歌はユージェニア・ザレスカ Eugenia Zareska というアルト歌手。K 1924/5 の2枚4面での発売でした。
「さすらう若人」はバリトン歌手による録音が多いようですが、ベイヌムは二度とも低い女声による演奏というのが注目されます。旧録音はCD化されているでしょうか。
フィリップスの新録音は記憶にありませんでした。①とのカップリング、2枚組みLPで初出したんですかね・・・。
①と同じセッションのようですが、編成は遥かに小さいので、マイクはオーケストラにずっと近く置かれている録音。フィリップスというよりはデッカに近い音質に感じます。
第1曲の中間部、Zikuth! という鳥の鳴き声は3回歌わせています。
また第4曲、最後のフレーズで登場するチェロのソロをバス・クラリネットに置き換えているようにも聴こえます。モノラルなので分離が今一つ、断定は出来ませんが、バス・クラにその前からの流れを引き継がせているような感じ(練習番号30のメロディー・ライン)。

参照楽譜
①ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.217
②オイレンブルク No.1053

 

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