今日の1枚(59)
今朝の新聞を見ていたら、2月20日は長嶋茂雄氏の誕生日という記事が出ていました。私は野球には全く興味が無いので感慨もありませんが、この日はクラシック音楽ファンにとって、特に日本の音楽に関心がある人にとっても記念日ですね。
即ち、2月20日は黛敏郎氏の誕生日であり、武満徹氏の命日でもあります。
そこで今日は・・・、とも考えましたが、ベイヌムがもう一息なので、こちらを続けましょう。
①シューベルト/交響曲第3番二長調
②シューベルト/交響曲第6番ハ長調
③シューベルト/交響曲第8番ロ短調「未完成」
全てエドゥアルド・ヴァン・ベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団によるフィリップスへのモノラル録音。UCCP-3335(475 6358) で、データは、
①1955年6月6~9日
②と③が1957年5月22~25日
アムステルダムのコンセルトへボウでの収録。
①は既に紹介したブルックナーの第8交響曲と同じセッションでの録音で、フィリップスの初出もブルックナーとカップリング、2枚組み4面のLPでした。どうやら日本での発売は遥かに遅れていたようです。
データの録音日付はあくまでもブルックナーとの同一セッション。シューベルトに4日間掛かったわけではありますまい。
第1楽章提示部の繰り返しは実行。
第2楽章は三部形式。主部は前半と後半に繰り返し記号がありますが、何故か前半を省略して後半は実行しています。主部が再現する時には後半のみ繰り返し記号があり、ベイヌムはこれを実行していますから、恐らく主部の提示と再現の整合を考えて処置したものと思われます。
第3楽章はメヌエットながら実質はスケルツォ。慣例どおりに繰り返し実行。第4楽章提示部の繰り返しは省略しています。
②と③は同じセッション、録音年月日から判断して、恐らくベイヌム/コンセルトへボウのフィリップスへの最後のモノラル録音だと思われます。
最後期のモノラルだけあって、①よりも低音が豊か。
②は日本でLPとして発売されたのでしょうか。少なくとも私は本CDで初めて知った録音。
第1楽章の繰り返しは省略しています。第2楽章から第4楽章は繰り返し記号がたくさん出てきますが、全て実行しています。
③は日本でもLPで出ていました。第1楽章提示部の繰り返しは実行。
第2楽章に注目点があります。この楽章を展開部のないソナタ形式と看做せば、その再現部、第2主題が出た後ですね。
弦のシンコペーションに乗ってクラリネット→オーボエ→フルートと pp による独白が続いた直後。ff によって経過句が総奏される場面で、何故かティンパニが落ちているのです。
小節数で言うと、237小節から244小節までの間(あるいは243までか)。245小節の fz は叩いていますし、提示部の同じ箇所ではハッキリ叩いているのが聴こえますから、解釈上の処置とは思われません。
ティンパニ奏者の見落としが原因と思われますが、プレイバック等で気付かないわけはなく、何故このまま商品化したのかは不明。コンセルトへボウでもこんなミスがあるんですねぇ~。
これも編集ミスなのでしょうか。それとも手元のCDだけの欠落? まさか!
参照楽譜
①オイレンブルク No.506
②オイレンブルク No.509
③ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.2
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