オークス3着は伊達じゃない

シーズン末期になるとパターン・レースも散発的に行われるようになります。昨日のフランス、火曜日ながらサン=クルー競馬場でフロール賞 Prix de Flore (GⅢ、3歳上牝、2100メートル)が行われました。
長い間3歳牝馬に限定されてきた一戦ですが、1981年に古馬にも開放されて現在に至っています。同じように古馬に解放されたロワイアル・オーク賞と異なり、ここ10年で古馬(4歳)は2勝のみ。今年もその傾向に変化は見られなかったようです。

soft の馬場に参戦したのは、イギリスからの遠征馬3頭を含めて14頭。内6頭が3歳馬で、31対10の1番人気に支持されたのは英国参戦の3歳馬、イッツィ・トップ Izzi Top でした。今年のオークス3着馬、エプサム以来久々の実戦でしたが、実績が期待されての人気でしょう。

レースは、これも英国組(ルカ・クマニ厩舎)の4歳馬シータ Seta の逃げで快調に進みましたが、終始5番手以内で先行した本命イッツィ・トップが外から抜け出して期待に応えました。頭差2着には内から追い込んだアルバラー Albaraah が入り、3着は3馬身差離されてアンドロメダ・ギャラクシー Andromeda Galaxy の順。
1着から3着まではいずれも3歳馬で、古馬で最先着したのは、逃げ粘ったシータでした。今年も3歳が強いフロール賞の伝統が守られたようです。

イッツィ・トップを調教するのはジョン・ゴスデン師。オークス出走までかなりハードな調教を重ねてきたため、夏場は休養と充電に充てたとのこと。それが功を奏し、パターン・レースは初勝利となります。来年も現役を続行する由。

一方騎乗したウイリアム・ビュイックには、ムチを9回使った廉で75ユーロの罰金が科せられました。この所イギリスでは新ムチ使用ルールの賛否で議論が喧しくなっていますが、フランスでのムチ使用は8回までと決められています。(日本はどうなんでしょう? そもそもムチの使用規定があるのでしょうか?)
サン=クルーの裁決委員はビュイック騎手を呼び出しましたが、“心配しなくていいよ、ウイリアム! ここはイギリスじゃない。ペナルティーはたったの75ユーロだし、騎乗停止もないからね” と終始和やかな雰囲気だったようです。ビュイック君も“ムチは9回使ったから勝てたのさ” と応じていました。

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