スリリング・フィニッシュ
2000ギニーの結果です。大本命ニュー・アプローチは惜しくも2着、何とハナ差のスリリングな展開、競馬の着差では最も小さい差で負けてしまいました。
勝ったのは、蓋を開ければやはりオブライエン厩舎の刺客、ヘンリーザナヴィゲイターでした。
2番枠から好スタートを切ったニュー・アプローチ、そのスピードに多くの馬がついて行けなかったようですね。これを射程に捉えたのがムルタ騎乗のヘンリーザナヴィゲイター、差し切ったかに思えたものの、ニュー・アプローチの差し返し。最後はハナ差の際どい勝負に持ち込まれました。
両馬の接戦がいかに激しかったか、それは二人の騎手、ジョニー・ムルタ(ヘンリーザナヴィゲイター)とケヴィン・マニング(ニュー・アプローチ) が共にムチの過剰使用で騎乗停止処分を受けたことでも明らかでしょう。ムルタは2日間(5月18・19日)、マニングは5日間(5月17日から21日)の謹慎です。
3着にはブービー人気のスタッブズ・アートが入りましたが、両馬からは4馬身。主な人気馬では、2番人気のイブン・カルダンは10着惨敗。3番人気レイヴンズ・パスが4着、外枠の不利があり、最後方を追走する展開から最後に追い込んだものの届かず、という結果でした。
レイヴンズ・パスを調教するゴスデンさんの考えでは、この馬はもっと短い距離が適しているとの見解で、ジュライ・カップを狙うとか。
ニュー・アプローチのボルガーさんはガッカリしているか、と思いきや、意外にサバサバ。“良く走った、満足じゃ、次はアイルランド2000ギニーで雪辱う~” と前向きな姿勢。当然ながらヘンリーザナヴィゲイターも愛2000ギニーを狙いますから、5月24日の再戦が早くも話題になっています。
現在のオッズは両馬とも7対4。ジョイント・フェイヴァリット joint favourite と言って、2頭並んで1番人気という状態です。
オブライエンさん、去年は2歳(今年の3歳)の成績が悪く、いろいろ調査したようですが問題は見つかりませんでした。結局従来どおりの調教スタイルを継続してのクラシック制覇となりましたねぇ~。今考えれば、去年後半は天候が不順、どうしても重い馬場での競馬が続きました。ヘンリーザナヴィゲイターの成績が上がらなかったのも、そのスピードが殺がれたため。今年の2000ギニーは天候に恵まれ、良馬場で持ち味が活きた、というのが結論かも。
バリードイル(オブライエン厩舎の拠点)にとってこれが2000ギニー5勝目。1998年キング・オブ・キングス、2002年ロック・オブ・ジブラルタール、2005年フットステップスインザサンド、2006年ジョージ・ワシントンに続く快挙です。
騎手ムルタくんにとっても、ロック・オブ・ジブラルタールに次ぐ2度目の栄冠になりました。
2008年のヨーロッパ競馬シーズン、GⅠは既に二つ行われましたが、いずれもオブライエン厩舎の勝利。ガネー賞のデューク・オブ・マーマレイドは先週行われたばかり。
さてこの日はもう一つパターン・レースが行われています。ダーリア・ステークス(GⅢ、4歳上牝、1マイル1ハロン)。往年の名牝ダーリア Dahlia の名を冠したレースですね。
こちらはセシル厩舎のパッセージ・オブ・タイム Passage of Time とスタウト厩舎のへヴン・セント Heaven Sent が人気を分け合っていましたが、へヴン・セントが2着ハーヴェスト・クイーンに3馬身差を付けて快勝、パッセージ・オブ・タイムは4着に沈んでしまいました。6頭立て。
今日の1000ギニーについてはまた明日。3強とも4強とも言われてますがね、やっぱりオブライエン勢に注目しなくちゃ。セイヴディスダンスフォームとキッティー・マッチャムですぞ。
あ、映像が入ってきました。
http://www.youtube.com/watch?v=FMUqYW-pXzU
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