レパーズタウンのギニー・トライアル

3月28日、アイルランドのレパーズタウン競馬場でギニーに向けた二つのトライアルが行われました。

まずレパーズタウン・1000ギニー・トライアル(GⅢ、3歳牝、7ハロン)は12頭の登録がありましたが、ワット・アバウト・ミー What About Me がゲートインを嫌って発走除外、11頭で争われました。

1番人気(2対1)に支持されたのは、去年の愛2000ギニーの覇者マスタークラフツマン Mastercraftsman の妹であるエイダン・オブライエン厩舎のフェイマス Famous 。
オブライエンの4頭出しの内、本命のフェイマスとクィーン・オブ・トロイ Queen Of Troy が並んで先行しましたが、重馬場に苦しんだのか直線ではズルズル後退、替って先行馬をピタリとマークして進んだ8対1のレディー・スプリングバンク Lady Springbank が鮮やかに抜け出して快勝しました。

2着は1馬身半差でダッチス・オブ・フォックスランド Duchess Of Foxland 、3着には更に1馬身4分の3差でクリスタル・ギャル Crystal Gal の順。2・3着馬はいずれも後方待機からの追い込みです。
レース前の時点でオークスの1番人気に挙げられていたオブライエン厩舎の期待馬でフィリーズ・マイル3着馬のユール・ビー・マイン You’ll Be Mine は、後方のまま惨敗。一気にブックメーカーのリストから下ろされてしまいます。

勝ったレディー・スプリングバンクは、若手調教師のポール・ディーガンが管理する芦毛の牝馬。2歳当初はカール・バーク厩舎に所属していましたが、シーズン途中でディーガンの基に転厩。9月にはカラー競馬場でパーク・ステークス(GⅢ)を制していた実力があります。(2009年9月28日の日記参照) これがパターン・レース2勝目。

元来重い馬場は得意で、距離が1ハロン伸びても問題はなさそうですから、そのまま愛1000ギニー(5月23日)に直行する予定の由。このレースを反映し、現時点でのオッズは12対1に上がりました。
残念ながらイギリスのクラシックには登録がありません。

騎乗していたのはジェイムス・クロウリー騎手。

一方のレパーズタウン・2000ギニー・トライアル(GⅢ.3歳牡せん、7ハロン)は1頭取り消して8頭立て。

先週の開幕競馬であるカラー競馬場で第1レースから第4レースまで4連勝という快挙を達成したトミー・スタック厩舎、何とここも優勝して今シーズンの絶好調振りをアピールしています。

レースを引っ張ったのは3頭出しエイダン・オブライエン厩舎で主戦ムルタが騎乗するブラック・クォーツ Black Quartz 。これをマークして進んだスタック厩舎、ウェイン・ローダン騎乗のノル・ウォロップ Noll Wallop (人気は7対2)が直線で外から鮮やかに伸びて快勝。
2着には3馬身半でヴァイカウント・ネルソン Viscount Nelson 、更に1馬身遅れてフェイマス・ウォリアー Famous Warrior が3着に入線しています。
2対1の1番人気に支持されたボルジャー厩舎のフリー・ジャッジメント Free Judgement は後方のまま6着惨敗。

Noll Wallop を何と読むのか難しいところですが、アイルランドの実況放送を聞いていると「ノル・ウォロップ」と聞こえます。

父がダービー馬ハイ・シャパラル High Chaparral ということもあって当初は距離が短過ぎるのではないかという指摘もあった同馬ですが、直線での伸び足はスピードも十分、愛2000ギニーの可能性も出てきました。
これにより出されたクラシックでのオッズは14対1。

そもそもスタック師の青写真は、このあとサンダウン・クラシック・トライアル(4月23日)→ガリニュール・ステークス(5月23日)→愛ダービー(6月27日)というもので、愛ダービーを目標にジックリ仕上げる計画でした。
しかしこの日の結果を見て、愛2000ギニーから愛ダービーという目も出てきたわけ。最終決定はまだまだ先のことになるでしょうが。

以上、アイルランドで行われた二つのトライアル・レースの報告です。

 

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