日曜日のロンシャンはクラシック・トライアル3連発

という日記のタイトルのように、ロンシャン競馬場でクラシックに向けた重要なトライアル戦が行われました。レースの行われた順に回顧しましょう。

フォンテンブロー賞(GⅢ、3歳牡、1600メートル)はフランス2000ギニーへの最も重要なトライアル。去年これに勝ったシルヴァー・フロスト Silver Frost がそのまま仏2000ギニーも連勝しています。
他にもブラッシング・グルーム Blushing Groom 、アイリッシュ・リヴァー Irish River 、ブラッシング・ジョン Blushing John 、ヘクター・プロテクター Hector Protector 、デイラミ Daylami など錚々たる名馬たちがステップにしていったレースですね。

今年は7頭が出走し、何といっても注目は去年のジャン=リュック・ラガルデール賞(グラン・クリテリウム、GⅠ)を制したシユーニ Siyouni が登場してきたこと。当然ながらイーヴンの1番人気に支持されました。

同馬を調教するロワイヤー=デュプレ師は、レースのペースを上げるためにペースメーカーを出走させてきましたが、何と、このペースメーカーであるラジサマン Rajsaman がまんまと逃げ切ってしまいました。
大本命シユーニは最後で追い上げましたが半馬身届かず2着、3着には短頭差で3番手を追走したロープ・ド・ヴェガ Lope De Vega が粘り込んでいます。

レース前にデュプレ師は、ラジサマンをペースメーカーとして使うけれど、この馬も能力が高いと解説していましたから、オッズ(15対1)ほどのサプライズではなかった様子。結果に失望感はありません。

本番の仏2000ギニーでも両馬は同じレースをする予定。ラジサマンが速いペースで流れを作り、シユーニは最後の末脚勝負という展開になるでしょうね。
フォンテンブローではラジサマンにティエリー・ジャルネが、シユーニにはジェラール・モッセが騎乗していました。

両馬を所有するアガ・カーンにとってこのレース4勝目、デュプレ厩舎は3勝目、ジャルネ騎手も4勝目となります。

続いてはフランス1000ギニーのトライアルであるグロット賞(GⅢ、3歳牝、1600メートル)。一昨年は、あのザルカヴァが快進撃の出発点としたレースですね。

12頭が顔を揃えましたが、ここにも去年のチャンピオン2歳牝馬であるロザナラ Rosanara が登場して13対10の圧倒的本命に支持されました。去年のマルセル・ブーサック賞(GⅠ)の勝馬ですね。

しかしこれまた番狂わせ。勝ったのは43対5の穴馬アンナ・サライ Anna Salai 。1馬身半差2着にも68対1という超の字が付く穴馬ゴットランディア Gotlandia が飛び込む大波乱です。
本命ロザナラは更に4分の3馬身遅れて3着。

レースはジヴィーヌ Givine の逃げで始まり、ロザナラは4番手で進みます。直線では12頭が一団となる混戦。あと2ハロン地点でロザナラが先頭に立つ場面もありましたが、最後方からアンナ・サライが一気の末脚を爆発させて突き抜けました。2着も後方からの追い込み馬。

勝ったアンナ・サライはゴドルフィンの馬。未勝利馬でしたが2着2回の成績で、これが初勝利となります。
アンドレ・ファーブル厩舎、マクシム・グイヨン騎乗。抜け出すまではスムーズだったとは言えず、馬自体もまだまだ成長余力があることから、意外な大物なのかも知れません。

グイヨン騎手とゴドルフィンにとってはこのレース初勝利、ファーブル厩舎は5勝目となります。

最後はフランス・ダービーのトライアルとなるラ・フォース賞(GⅢ、3歳、2000メートル)。8頭の出走馬の中には、イギリスから挑戦するサーカムヴェント Circumvent の名前もありました。
この路線は未だ中心視される存在がなく、押し出されるように2対1の1番人気を集めたのは、まだキャリアの浅いウォー・モンジャー War Monger 。

結果は、グロット賞と同じように最後方からの末脚を爆発させたシモン・ド・モンフォール Simon De Montfort という馬が優勝。2着は首差でパーン・ペルデュ Pain Perdu が入り、4分の3馬身差3着に英国のサーカムヴェントの順。本命ウォー・モンジャーは5着敗退です。

レースはパーン・ペルデュがスローペースに落として逃げる展開。この馬が2着に逃げ粘っていますし、追走したセルティック・セレブ Celtic Celeb も3着馬とは頭差の4着に食い込んでいますから、追い込んだシモン・ド・モンフォールの末脚は相当なものだと判断して良いのかも知れません。

勝ったシモン・ド・モンフォールもゴドルフィンの所有ですから、グロットと合わせてGⅢダブル達成です。
調教師はやはりアンドレ・ファーブル、鞍上はマイケル・パルザロナ騎手でした。
オーナーと騎手にとっては、これが同レース初勝利。ファーブル厩舎は5勝目にあたります。

このトライアルから仏ダービーに繋がった例は少なく、最近では2000年のホールディング・コート Holding Court 、1998年のドリーム・ウェル Dream Well が思い出されるくらいでしょうか。

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください