ヨーク・イボア2010・2日目

2日目のメインは、開催のタイトルでもあるイボア・ハンデキャップです。しかし当ブログはパターン・レースのレポートがメイン。イボアは最後に触れることにして、この日行われた2鞍のパターン・レースを取り上げましょう。

ロンスデール・カップ(GⅡ、3歳上、2マイル88ヤード)は2頭の取り消しがあり、8頭立て。
3対1の1番人気は、パターン・レース初挑戦ながら前走のリステッド戦に快勝したゴスデン厩舎のキング・オブ・ウォンズ King of Wands でした。

レースはリチャード・ヒルズ騎乗のアクマル Akmal が先手を取り、スロー・ペースに落として逃げ込みを図ります。
勝負所、本命キング・オブ・ウォンズと、同厩のサミュエル Samuel が抜け出した瞬間に、最後方に待機していたオピニオン・ポル Opinion Poll が襲い掛かり、サミュエルに半馬身差を付けて優勝。
3着は4分の3馬身でキング・オブ・ウォンズ。2・3着は共にジョン・ゴスデン師の管理馬です。

勝ったオピニオン・ポルは9対2。マイケル・ジャーヴィス厩舎所属ですが、シェイク・モハメド殿下の所有馬で、騎乗していたのはフランキー・デットーリ。
これまでの4勝は全て渋い馬場で記録したもので、今日の良馬場には不安もありました。デットーリの後方待機策も、その辺を勘案してのものだったようです。

4月にノッティンガムで勝ったときは重馬場。そのあと良馬場で3着が二度続き、今回がパターン・レース初挑戦での初勝利となります。

続いてジムクラック・ステークス(GⅡ、2歳、6ハロン)。ここは1頭取り消しがあって11頭立て。
5対2の1番人気は、2戦無敗、前走7月のニューバリーでスーパー・スプリント(パターン・レースではありません)に勝ったテンプル・ミーズ Temple Meads 。

しかし優勝は8対1と人気を落としていた、出走馬中唯一のパターン・レース勝馬のアプルーヴ Approve 。パターン勝ちのペナルティーである3ポンドの負担重量増を物ともせぬ勝利でした。
2着は4分の3馬身差でクラウン・プロゼキュター Crown Prosecutor 、2馬身半差3着がサー・レジナルド Sir Reginald 。
本命テンプル・ミーズも最後まで3着争いに加わっていましたが、最後の一歩で短頭差4着敗退です。

ウイリアム・ハッガス厩舎のアプルーヴは、ロイヤル・アスコットのノーフォーク・ステークス(GⅡ)を制した馬。そのあとニューマーケットのジュライ・ステークス(GⅡ)が4着、フランスのロベール・パパン賞(GⅡ)3着と、一息足りないレースが続いていました。ここは実力を取り戻した形。

地元ヨークシャー出身のハッガス師は、2006年のコンケスト Conquest に続いてジムクラック2勝目。鞍上はエディー・エイハーンでした。
アプルーヴはハイクレア・サラブレッド・レーシング(共同馬主グループ)の持ち馬。あのハービンジャー Harbinger と同じ勝負服で、彼らにとっては若干の慰めになったことでしょう。

さてイボア・ハンデキャップですが、今年は20頭立て。優勝は2年連続でアイルランド調教馬に渡りました。
14対1のディラー Dirar がその馬。2007年にグランド・ナショナルに勝った障害レースの若手調教師であるゴードン・エリオット師の管理馬。今回の平場での大レース制覇で、新たなスター調教師の登場と言えましょうか。
勝利騎手ジェイミー・スペンサーも、ゴールした瞬間に雄叫びを揚げていました。

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