セントレジャー開催が開幕
シーズン最後のクラシック、セントレジャーをメインとするドンカスター競馬場のセントレジャー開催が始まっています。9月7日の水曜日から土曜日までの4日間。
初日はパターン・レースが無く、今日は2日目のレポートです。この日のG戦は2鞍、馬場状態は good でした。
先ずは、日本中央競馬界(JRA)がスポンサーになっているセプター・ステークス Sceptre S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。11頭立て、前走グッドウッドのオーク・トゥリー・ステークス(GⅢ)を勝って上昇著しいセシル厩舎のチャチャマイデー Chachamaidee が5対2の1番人気に支持されていました。
レースはシータ Seta がスローに落として逃げる展開。あと2ハロン地点で本命チャチャマイデーが抜け出し逃げ込みを図りましたが、外からアランザ Alanza 、更にその外からディヴァー・ドリーム Dever Dream が襲い掛かり、3頭が並んでゴール。
写真判定の結果、真ん中を通った2番人気(11対4)のアランザが優勝。首差2着が外のディヴァー・ドリーム、頭差3着にチャチャマイデー。
アランザはアガ・カーン所有の3歳馬で、アイルランドからジョン・オックス師が送り込んだ馬、ジョニー・ムルタが騎乗していました。何事にも慎重なオックス師が英国に遠征してくるのは、それなりの勝算があってのこと。リステッド戦に連勝し、ここがパターン・レース初挑戦でしたが、見事にハードルをクリヤーしました。
ムルタ騎手によると、このスローペースを我慢できる忍耐力が付いてきたとのことで、来年も現役に留まるならGⅠホースに育つ器の由。当然ながら陣営は来年も現役を続けることを明言していました。
続いてはパーク・ヒル・ステークス Park Hill S (GⅡ、3歳上牝、1マイル6ハロン132ヤード)。かつては牝馬のセントレジャーと呼ばれたレースで、セントレジャーと同じ距離で行われます。現在は古馬にも開放されている一戦。
7頭が出走、3歳馬3頭に古馬4頭という構成。9対4の1番人気に支持されたのは、前走ヨークのリステッド戦を含め4連勝中の3歳馬セット・トゥー・ミュージック Set To Music 。エリザベス女王の持ち馬でもあります。
アイルランドのウェルド厩舎が送り込んだセンス・オブ・パーパス Sense Of Purpose が逃げましたが、あと2ハロンでセット・トゥー・ミュージックと2番人気(5対2)のミーズナー Meeznah が同時にスパート。去年このレースで1番人気になりながら敗退したミーズナーの末脚が勝り、本命セット・トゥー・ミュージックに3馬身半差を付ける完勝で去年の雪辱を果たしました。
3着は更に5馬身の大差が付き、ポリーズ・マーク Polly’s Mark の順。
ミーズナーはデヴィッド・ラニガン厩舎所属で、鞍上はランフランコ・デットーリ。デットーリ騎手は、去年のイースタン・アリア Eastern Aria に続く連覇で、パーク・ヒルは5勝目となります。またラニガン師は年初からこのレースを目標にしていたとのことで、調整も巧く行き、ホッとした様子。
同馬の前走はニューバリー競馬場のジェフリー・フリーア・ステークス(GⅢ)。師によれば前々走(グッドウッドのリリー・ラングトリー・ステークスGⅢ優勝)とパーク・ヒルとの間隔が余り開かないように使った積りでしたが、予想外の惨敗(7着)。陣営にショックが走りましたが、ここは見事に立て直した形です。
デットーリ騎手によれば、グッドウッドはレコード・タイムで勝っており、前走はその反動だったかも知れないとのこと。これは日本でも良くあることでしょう。次走はフランス遠征か、それとも登録のあるメルボルン・カップか・・・。
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