ケンタッキー・ダービーへの道(6)
4月も第3週、ケンタッキー・ダービーまで残り3週間となった土曜日、事実上最後のダービー・トライアルとなるアーカンソー・ダービーがオークローン・パーク競馬場で行われました。
今日は先ずこのカードからスタートしますが、その前にG戦が2鞍組まれていました。最初は短距離戦のカウント・フリート・スプリント・ハンデキャップ Count Fleet Sprint H (GⅢ、4歳上、6ハロン)で、fast の馬場に9頭が出走し、去年のダービー候補だったフィットモア Whitmore が1対2の圧倒的1番人気。
最低人気(59対1)チーフ・シカトリズ Chief Cicatriz の逃げを5番手で追走したフィットモア、2番手追走から先に抜け出した3番人気(6対1)のホーリー・ボス Holy Boss を外から捉えると、後方2番手から追い込む5番人気(30対1)のアプリヘンダー Apprehender に3馬身4分の3差を付けて堂々人気に応えました。頭差でホーリー・ボスが3着。
ロン・モケット厩舎、リカルド・サンタナ騎乗のフィットモアは、去年のアーカンソー・ダービー(GⅠ)3着からケンタッキー・ダービーに挑み、20頭立て19着と惨敗。その後は大晦日まで休養を強いられ、見出したのがスプリントの道。6ハロンのアローワンスを連勝して臨んだ前走、3月の一般ステークス(ホット・スプリングス・ステークス、6ハロン)も6馬身差で圧勝し、これで短距離4連勝でG戦も初勝利としました。今後の短距離界に話題を巻き起こしそうな4歳馬ですが、今や絶滅危惧種となったリボー Ribot 系の珍しいサイアー・ラインです。
続いてはオークローン・ハンデキャップ Oaklawn H (GⅡ、4歳上、9ハロン)。ここは7頭立てとなり、去年のデル・マー・ダービー(GⅡ)馬で前走サンタ・アニタ・ハンデ(GⅠ)2着のミッドナイト・ストーム Midnight Storm の実力が断然、1対2の断然1番人気でした。
そのミッドナイト・ストームが先頭から主導権を取って逃げ切る作戦に出ましたが、3番手を追走していた5番人気(19対1)の伏兵インサイド・ストレート Inside Straight がまさかの追い込み、同じく5番手から伸びる4番人気(13対1)のドメインズ・ラップ Domain’s Rap に2馬身差を付ける波乱となってしまいました。ミッドナイト・ストームは首差の3着。
ロベルティーノ・ディオドロ厩舎、ジョヴァンニ・フランコ騎乗のインサイド・ストレートは、去年8月にカナダのマニトバ・ダービーに勝ち、前走3月10日にはオークローンのアローワンス戦を5馬身差でに勝った4歳せん馬。これがG戦初勝利となりました。
そして愈々アーカンソー・ダービー Arkansas Derby (GⅠ、3歳、9ハロン)。最後の100ポイントを掛けて12頭が登場しましたが、やはり9対5で1番人気に支持されたのは、2歳チャンピオンのクラシック・エンパイア Classic Empire 。BCジュヴェナイルを制して冬場のダービー筆頭候補に挙げられましたが、シーズン初戦の前走ホーリー・ブル・ステークス(GⅡ)で3着に敗れ期待を裏切っていました。ここでの巻き返し成るか、はたまた期待を裏切る2歳チャンピオンなのか・・・。
レースは9番人気(17対1)のコンクェスト・モー・マネー Conquest Mo Money の逃げで始まりましたが、6番手から大外を回って追い込んだクラシック・エンパイア、ファンの期待も背にコンクェスト・モー・マネーに半馬身差を付けて文句ないダービー・ポイントを確保しました。1馬身差で後方2番手から追い込んだ4番人気(12対1)のルッキン・アット・リー Lookin At Lee が3着。こまではダービー挑戦組となるでしょう。
マーク・カッセ厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のクラシック・エンパイアについては改めて紹介するまでも無いでしょう。ここでクラシック筆頭候補としての地位を取り戻し、地元でもあるチャーチル・ダウンズに向かいます。混戦と言われる今年のケンタッキー・ダービー、果たして勝馬はトライアル勝馬6頭の中から生まれるのか、それとも・・・。
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