クリエイティヴ・コース敗れる

3連休中日の日曜日、G戦は2鞍です。

先ずはガルフストリーム・パーク競馬場のハリケーン・バーティー・ステークス Hurricane Bretie S (GⅢ、4歳上牝、6.5ハロン)。去年は詳しい紹介が出来ませんでしたが、歴史等の詳しい経緯が不明なレースでもあります。恐らく創設は2001年のことで、どうやらGⅢに格付けされたのは2005年のようです。
古馬牝馬のスプリント戦ということで、去年のBCフィリーズ・アンド・メア・スプリントで3着したハー・スマイル Her Smile がBC以来の競馬でも4対5の1番人気に支持されていました。実はBCのあと同馬は100万ドルで売却され、それまでのプレッチャー厩舎からチャド・ブラウン厩舎に転じていました。実績から彼女だけが123の負担重量で、他馬は全て117の7頭立て。しかし優勝を攫ったのは、皮肉にもトッド・プレッチャー厩舎が送り出した4番人気(5対1)のアール・ホリデイ・ムード R Holiday Mood です。
7頭中の5頭が差無く先行を争う中、僅かにハナを奪ったアール・ホリデイ・ムードがまんまと逃げ切ってしまいました。アール・ホリデイ・ムードと終始ハナを争ったファニー・サニー Funny Sunny (9対2の2番人気)がそのまま逃げ粘って首差の2着。本命ハー・スマイルも先行2頭を射程圏内に入れて追走しましたが、最後は2馬身半差離されての3着に終わっています。勝ったアール・ホリデイ・ムードは4歳牝馬、ステークスは4勝目ですが、G戦はこれが初勝利です。陣営によれば、次走はインサイド・インフォメーション・ステークス(GⅡ、7ハロン、3月17日)の予定とか。
既に紹介したように、調教師はトッド・プレッチャー。騎手はプレッチャー厩舎の主戦、ジョン・ヴェラスケス。

そしてサンタ・アニタ競馬場からは、クラシック戦線に繋がる注目のサン・ヴィセンテ・ステークス San Vicente S (GⅡ、3歳、7ハロン)です。去年はレース条件が度々変更になったことのみ触れています。創設は1935年、古馬のレースとしてでした。1938年から3歳限定戦に変更され、現在に至っています。グレード制導入の1973年からGⅢに格付けされてきましたが、1983年はGⅡに格上げ、また1990年と1991年はノン・グレードに降格されたこともありました。1998年からGⅡに格上げ連れて現在に至っています。
西海岸のスター、クリエイティヴ・コース Creative Cause がクラシックに向けて始動、加えてライヴァルのドリル Drill も出走するとあって、当初から登録は僅かに6頭だけでした。更にキャプテン・オブヴィアス Captain Obvious とスモーキング・ジー Smoking G. の2頭が当日に取り消し、最終的には4頭立ての競馬になってしまいました。ノーフォーク・ステークス(GⅠ)の勝馬でBCジュヴェナイル3着以来のクリエイティヴ・コースが1対2の被った1番人気、デル・マー・フューチュリティー(GⅠ)でクリエイティヴ・コースを破り、ノーフォークでは同馬の2着に負けたドリルは、この所の不振が嫌われて7対2の3番人気。この2頭が123ポンドを背負い、他の2頭は118ポンドという負担重量です。
4頭立てとあってレースはシンプル。外からダッシュ良く飛び出した2番人気(3対1)の新星アメリカン・アクト American Act が先頭に立ち、1馬身半差でドリルが追走、本命クリエイティヴ・コースも差無く4番手、つまり最後方から追う展開です。馬順に変更の無いまま直線に向くと、スタンドからは大歓声。しかしクリエイティヴ・コースは久々の所為か動きが鈍く、3番手に上がるのがやっと。一方逃げたアメリカン・アクトも二の脚を使って差し返し、一旦抜けたドリルがハナ差だけ凌いだところがゴールでした。2着アメリカン・アクトと3着クリエイティヴ・コースの着差は1馬身。更に1馬身4分の1差でレッツ・ゲット・クラッキン Let’s Get Crackin がシンガリという結果。
連敗を「4」で止めたドリルを調教するボブ・バファート師は、これがサン・ヴィセンテ7勝目、去年もザ・ファクター The Factor で制したのは記録に新しいところでしょう。ドリルの三冠での可能性は未定ですが、師はケンタッキー・ダービーの距離(10ハロン)に不安を抱いている様子です。騎手はマーチン・ガルシア。

ところで、去年のBCジュヴェナイルの1・2・3着馬のうち、勝ったハンセン Hansen と3着のクリエイティヴ・コースの2頭が3歳馬としての初戦を終えましたが、両馬とも負けてしまいました。ハンセンは1月29日にガルフストリーム・パーク競馬場で行われたホーリー・ブル(Ⅲ)でアルゴリスムス Algorithms に5馬身も千切られた2着に、そして昨日のクリエイティヴ・コースは3着と。
この所2歳チャンピオンが順当にクラシックで活躍できないシーズンが続いているようですが、今年のクラシック世代にもそのレヴェルに疑問符が着き始めているような気がします。
ジュヴェナイル組の残る1頭、ユニオン・ラグス Union Rags は来週ガルフストリーム(2月26日)で行われるファウンテン・オブ・ユース・ステークス(GⅡ)に出走することが決まりました。昨日も調教で鋭い動きを披露したとか。不利が無ければBCに勝っていたと評判のユニオン・ラグスの競馬振りをジックリ観察したいものですね。

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