ロイヤル・デルタ貫録の5歳デビュー

昨日のアメリカはフロリダとカリフォルニアで夫々一鞍づつのG戦、月曜はプレジデンツ・デイの休日ですから、G戦3連休の中日に当たります。

先ずガルフストリーム・パーク競馬場のセービン・ステークス Sabin S (GⅢ、4歳上牝、8.5ハロン)。馬場は fast 、僅かに5頭立てです。去年はGⅠ馬2頭、オウサム・マリア Awesome Maria とロイヤル・デルタ Royal Delta の対決に沸いたセービンでしたが、今年も2頭のGⅠ馬対決が実現しました。2対5の断然1番人気に支持されたのは、去年はオウサム・マリアに8馬身差で敗れたロイヤル・デルタ、今年は雪辱を期します。対する2番人気(2対1)はグレース・ホール Grace Hall 。2歳時にスピナウェイを制してGⅠ馬になった明け4歳ですが、去年はガルフストリーム、デラウエア、インディアナと3つのGⅡオークスを制して前年の最強古馬牝馬に挑みます。共にBCレディーズ・クラシック以来の実戦、もちろん前者が勝ち、後者は4着でした。
大本命のロイヤル・デルタ、スタートはややジャンプするような態勢で必ずしも良くありませんでしたが、直ぐに体勢を整えて好ダッシュのオール・フォー・ジー All for Thee の外から追い上げ、クラブハウス・ターンを回って先頭。この2頭が3番手以下を引き離してレースは進みます。グレース・ホールも離れた3番手から機を窺いますが、直線手前で後続を突き放したロイヤル・デルタ、そのまま粘るオール・フォー・ジーに持ったまま5馬身差を付ける楽勝、新たなシーズンのスタートを切りました。グレース・ホールの追走も3馬身半差の3着まで。ここはチャンピオンの独り舞台に終始した形です。
ウイリアム・モット厩舎、マイク・スミス騎乗のロイヤル・デルタ、ここをステップにしてドバイ・ワールド・カップを目指すでしょう。去年はセービン2着で臨んだドバイは不本意な9着、今年こそチャンピオン・フラッグをアメリカに持ち帰りたいところ。これまで以上に充実した馬体に期待も膨らみます。

続いてはサンタ・アニタ競馬場からサン・ヴィセンテ・ステークス San Vicente S (GⅡ、3歳、7ハロン)。クラシックに繋がるトライアル戦の一つですが、ケンタッキー・ダービーのポイント対象ではありません。fast の馬場に6頭立て、内3頭はボブ・バファート厩舎の所属馬で、1番人気(9対5)ベルヴィン Belvin 、2番人気(2対1)シェイキン・イット・アップ Shakin It Up 共にバファート組。どちらも勝てばステークス初勝利となります。
1番枠スタートの本命ベルヴィンと4番枠から出たカバロ・デル・シエロ Caballo Del Cielo の先頭争い、ベルヴィンがハナを奪って直線に向きましたが、6頭全てにチャンスがある大混戦。好スタートから内で我慢し4~5番手を進んだシェイキン・イット・アップが先行2頭の間を割って抜け出すと、後方から追い込む3番人気(4対1)トレジャリー・ビル Treasury Bill に1馬身差を付けて優勝。4分の3馬身差3着にカバロ・デル・シエロが粘り込み、ベルヴィンは最下位敗退。とは言っても6頭にほとんど着差は無く、全馬118ポンドを背負っていましたから、勝敗は展開の綾だったとも言えるでしょう。
ボブ・バファート厩舎、デヴィッド・ロメロ・フローレス騎乗のシェイキン・イット・アップは、10月にサンタ・アニタの新馬戦で2着、続く未勝利戦で2着カバロ・デル・シエロに4馬身半差を付けて初勝利を記録。3戦目にハリウッド・プレヴュー・ステークス(GⅢ、11月22日)に挑戦しましたが、直線で前が塞がる不利もあって3着惜敗、今回はそれ以来の実戦でした。バファート師は一昨年のザ・ファクター The Factor 、去年のドリル Drill に続いてサン・ヴィセンテ3連覇、通算では8勝目。伝統あるこのレースにポイントが与えられないのが疑問なほどですが、陣営は密かにクラシックを狙う器。次走は未定のようです。

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