消えたG戦

チェスターに続き、リングフィールド・パーク競馬場でもクラシック前哨戦が行われました。ダービーとオークスへのトライアルですが、G戦としての格付けを失ったレースです。

その前に、同じカードに組まれたG戦チャートウェル・フィリーズ・ステークス Chartwell Fillies S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)から。シーズン初期から3歳と古馬が対決する牝馬の7ハロン戦ですが、この時期は負担重量から明らかに古馬が優位。近年も3歳からは勝馬が出ていません。
馬場は soft と悪化、3歳馬2頭を含む3頭が取り消しての8頭立て。3歳2頭に対し古馬6頭のメンバーです。4歳にしてはレース経験の浅いウルトラソニック Ultrasonic が7対4の1番人気。去年リステッド戦で3戦続けて2着、今期初戦でG戦初挑戦でもあります。

スタウト厩舎・ムーア騎乗の本命ウルトラソニックは最後方から進みましたが、最後は4着まで。優勝は、逃げるインテンス・ピンク Intense Pink をマークした3番人気(4対1)のリリーズ・エンジェル Lily’s Angel 。短頭差で2番人気(11対4)のケンダム Kendam (去年のフォレ賞3着馬、実績は出走馬中最高)が追い込み、インテンス・ピンクが半馬身差で逃げ粘り。

ゲール・ライオンス厩舎、ゲーリー・キャロル騎乗のリリーズ・エンジェルは、これが今期5戦目となる4歳馬。冬場のドバイと、前走ケンプトンのリステッド戦と既に2勝していました。去年は1000ギニーに挑戦して7着など、G戦でも何度か入着していましたが、勝ったのは今回が初めて。晴れてG戦ウイナーのタイトルを手にしています。

さて冒頭にも紹介したように、この日はG戦の前に二つのクラシック・トライアルが行われました。しかしながら去年までGⅢだったダービー・トライアルは今年からリステッドに格下げ。一方オークス・トライアルも1971年から1985年まではGⅢでしたが、現在はリステッドの位置にあります。
ということで簡単に触れるとして、
リングフィールド・オークス・トライアル Lingfield Oaks Trial (リステッド、3歳牝、1マイル3ハロン106ヤード)は7頭立て。イーヴンの本命シークレット・ジェスチャー Secret Gesture が2着以下に10馬身の大差を付ける圧勝でオークス候補に名乗りを挙げました。
レイフ・ベケット厩舎、ジム・クロウリー騎乗。去年は2戦1勝(ニューバリー)、今期初戦の圧勝でオークスに4対1と高いオッズが出されています。

一方リングフィールド・ダービー・トライアル Lingfield Derby Trial (リステッド、3歳、1マイル3ハロン106ヤード)は、本命と目された馬が取り消して4頭立て。こちらも4対9の断然1番人気に支持されたネヴィス Nevis が2着以下に9馬身差を付ける大勝です。
エイダン・オブライエン厩舎、ライアン・ムーア騎乗のネヴィス、去年は3戦1勝し、ヴィンセント・オブライエン・ステークス(GⅠ)では、2000ギニー馬ドーン・アプローチ Dawn Approach の7頭立て6着に終わっていた馬。今期初戦に勝ってダービー候補の1頭に上がってきました。
オブライエン厩舎にはダービー候補の筆頭としてバトル・オブ・マレンゴ Battle Of Marengo がおり、これを差し置いて陣営の第1候補には成り得ないでしょうが、それでもダービーには25対1のオッズが出されました。もし厩舎が違えばもっと高いオッズが出たことは必定。いずれにしても今日のバトル・オブ・マレンゴのレース結果次第になります。

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