キーンランドもベルモントも終戦

10月27日の土曜日、アメリカ競馬も終盤戦に入りました。ケンタッキー州のキーンランド競馬場は秋開催最終日、ニューヨーク州のベルモント競馬場もグレード戦のフィナーレを迎えています。

先ずキーンランド競馬場からはフェイエット・ステークス Fayette S (GⅡ、3歳上、9ハロン)。fast の馬場に1頭が取り消しての10頭立て。アイルランド産馬でウェルザイマー兄弟所有のサルト Salto が3対2の1番人気に支持されていました。前々走モンマス・パークのクリフハンガー・ステークス(芝GⅢ)では1番人気で2着でしたが、前走アローワンスで9馬身差の圧勝を演じた4歳。
フロリダ・ダービー(GⅠ)馬でケンタッキー・ダービー(19着)以来のテイク・チャージ・インディー Take Charge Indy (9対2、3番人気)が先手を取っての逃げ作戦。サルトも2番手を追走しましたが、前半は最後方で待機した4番人気(8対1)のニュースダッド Newsdad が直線で馬6頭分の大外から瞬発力を発揮して鮮やかな差し切り勝ち。2馬身差2着には4番手追走のニッキズ・サンドキャッスル Nikki’s Sandcastle が入り、粘ったテイク・チャージ・インディーが半馬身差で3着。サルトは更に半馬身で4着に終わりました。
ウイリアム・モット厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のニュースダッドは、キーンランドのポリトラック・コース(10ハロン)のレコード保持者(2分0秒61、去年10月のアローワンス戦)。3月にパン・アメリカン・ステークス(芝GⅡ)に勝って以降は芝コースで敗退が続いていましたが、今回はポリトラックに転向して見事に復権を果たした形です。
モット師はこのレース、2007年のゴー・ビトゥイーン Go Between に続く2勝目。またルパルー騎手は2010年サクセスフル・ダン Successful Dan 、去年のワイズ・ダン Wise Dan に続く3連覇となります。今年が9度目となる開催リーディングを確定したルパルー、10月24日にはキーンランドでの通算300勝を達成していました。

さてケンタッキー州の競馬、土曜日にキーンランドが閉幕しましたが、翌日曜日にはチャーチル・ダウンズの秋開催がスタート。切れ目無く「明日のスター」開催が始まります。

続いてはベルモント・パーク競馬場から。開催は翌10月28日までですが、G戦はこの日が最終日。最後を飾る2鞍を紹介しましょう。いずれも fast のメインコース、最初はターンバック・ジ・アラーム・ハンデキャップ Turnback the Alarm H (GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)。8頭立て。既にGⅠに出走経験のある2頭を出走させてきたプレッチャー厩舎から、サラトガのパーソナル・エンサイン・ステークス6着のアール・ジプシー・ゴールド R Gypsy Gold が5対2の1番人気。
レースは、逃げたオール・デュー・リスペクト All Due Respect を2番手でマークした2番人気(3対1)のアフリーティング・レディ Afleeting Lady が直線で逃げ馬を捉え、オール・デュー・リスペクトに3馬身半差を付ける快勝。更に2馬身4分の1差でネファーティーニ Nefertini が3着に入りました。アール・ジプシー・ゴールドは4番手を進むも伸びず5着敗退。
これで前走モンマス・パークの一般ステークス(レディーズ・シークレット・ステークス)に続く2連勝となったアフリーティング・レディーは、デール・ロマンス厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗。オーナーが替っての初勝利でもあります。実はアフリーティング・レディーは、プリークネス馬シャックルフォード Shackleford の半姉に当たる良血馬。競走馬以上に繁殖牝馬として期待のかかる血統です。

続いてはボールド・ルーラー・ハンデキャップ Bold Ruler H (GⅢ、3歳上、7ハロン)。1頭取り消しの9頭立てで行われ、GⅠに3走連続で挑戦してきたプレッチャー厩舎のカイシャ・エレクトロニカ Czixa Electronica が3対2の1番人気。しかしこの日はプレッチャー師には厄日だったのか、こちらの本命馬も凡走してしまいます。
優勝は4番人気(4対1)バッファム Buffum の逃げ切り勝ち。好スタートから3番手に控えた2番人気(7対2)リトル・ドラマ Little Drama に1馬身4分の1差を付けていました。一旦は並ばれる場面もありましたが、二の脚を使っての巻き返し。半馬身差で同じ2番人気(7対2)のアソシエイト Associate が3着に入り、カイシャ・エレクトロニカは7着と不発。
勝ったバッファムはゴドルフィンの所有馬で、トーマス・アルベルトラーニ厩舎に所属し、エディー・カストロ騎乗。これがステークス初勝利で、サバーバン・ハンデで6着と期待を裏切って以来、3か月半ぶりの実戦で復活を果たしました。

土曜最後はサンタ・アニタ競馬場のオータム・ミス・ステークス Autumn Miss S (芝GⅢ、3歳牝、8ハロン)。これも今年からレース名が変更された一戦で、去年まではハロルド・C・ラムザー・シニア・ステークス Harold C. Ramser Sr. S として施行されてきました。今年は firm の馬場、1頭が取り消して10頭立て。10戦して一度も入着を外していない堅実なレディー・テン Lady Ten が2対1の1番人気に支持されていました。
逃げるアルゼンチン産のヴィヴァ・カリーナ Viva Carina の2番手に付けたレディー・テン、早目先頭から渋太く粘り、最後方から追い込むカスタマー・ベース Customer Base を首差抑えて期待に応えました。1馬身4分の1差でチャーム・ザ・メイカー Charm the Maker が3着。
ボブ・バファート厩舎、ラファエル・ベハラノ騎乗のレディー・テンは、これがG戦初勝利ながら11戦4勝。2歳時は出走が無く、3歳デビューの新星です。2着は5回、3着2回という通算成績で、8月デル・マーの一般ステークス(サンディー・ブルー・ハンデ)がステークス初勝利でした。

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