シーズン最初のG戦は裁決室で
2018年のヨーロッパ平場競馬、昨日2月24日に英国シーズン最初のG戦が行われました。未だ芝コースは開幕しておらず、リングフィールド競馬場のオール・ウェザー・コースが舞台。ポリトラック・コースなので、馬場状態は standard という発表です。
ウインター・ダービー・ステークス Winter Derby S (ポリトラックGⅢ、4歳上、1マイル2ハロン)は、ダービーという名称が付せられているものの、古馬のレース。10頭が出走してきましたが、珍しくアイルランドからエイダン・オブライエン厩舎が遠征してきたクリアー・スカイズ Clear Skies が2対1の1番人気に支持されていました。オブライエン師は未だこのレースに勝ったことは無く、日本から戻ったライアン・ムーアが騎乗しての1番人気でしょう。今期は既にダンダルクのポリトラック・コースで勝っていて、馬場適性を見ての参戦と思われます。
2月3日に同じ競馬場で行われたこのレースのトライアル(リステッド戦)を逃げ切った2番人気(4対1)のアットモースト Utmost が2匹目の泥鰌を狙って逃げましたが、直線では後方待機組が一気に追い上げて様相は一変。後方3番手に控えていた5番人気(8対1)のミスター・オーウェン Mr Owen が外から抜けて残り100ヤードで先頭に立った所に、更に外から最後方に待機していた8番人気(16対1)のマスター・ザ・ワールド Master the World が並び掛けてゴール。頭差でミスター・オーウェンが先着しましたが、最後の競り合いで勝馬が外に膨れ、2着馬の進路に入って接触したと判定され、裁決室で1・2着の順位が入れ替わりました。
後方4番手から伸びた最低人気(33対1)のバトル・オブ・マラソン Battle Of Marathon が1馬身4分の1差で3着に入りましたが、この馬はトライアルでも3着でした。去年のこのレースの勝馬で4番人気(11対2)だったコンヴェイ Convey は4着、人気のクリアー・スカイズは内々を先行するも、直線では前が塞がる不利もあってレースに成らず、最後はムーアも馬を止める様な形で10着最下位に終わっています。
勝馬を管理するデヴィッド・エルスワース、騎乗したシーン・レヴィーは、共にこのレース初勝利。マスター・ザ・ワールドもG戦は初勝利となる7歳せん馬で、主にハンデ戦とリステッド戦で走ってきました。2歳戦終了時点でジェラード・バトラー厩舎からエルスワース師の元に転厩し、3歳時には2000ギニーに出走(12着)したこともあります。3歳の終わりに去勢手術を受けてせん馬となり、1年に1レースか2レースのG戦を経験、ドバイに遠征したこともありした。去年の11月にリングフィールドのリステッド戦(オールウェザーの10ハロン)に勝ち、同じ条件のリステッド戦7着でシーズンを終了。ここが今期初戦でした。
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