サンタ・アニタ閉幕

4月21日の日曜日、去年の年末から行われていたサンタ・アニタ競馬場の冬/春開催がフィナーレを迎えました。最後のG戦と、佳境に達したキーンランドから二つのG戦レポートです。

先ずはキーンランド競馬場から、第83回を迎えた伝統のベン・アリ・ステークス Ben Ali S (GⅢ、4歳上、9ハロン、発音の通り表記すれば、べナリ・ステークス)。fast の馬場に1頭が取り消しての6頭立て。何と言っても注目は、去年の年度代表馬ワイズ・ダン Wise Dan の半兄にあたるサクセスフル・ダン Successful Dan の復活。期待も籠めて4対5の1番人気です。
スタートから先手を取ったサクセスフル・ダン、後続を寄せ付けず鮮やかに逃げ切って復活の狼煙。2番人気(2対1)のボイステラス Boisterous が4番手追走から懸命に追い縋りましたが、1馬身差及ばず2着。3着リチャーズ・キッド Richard’s Kid は更に6馬身4分の1差突き放されていました。
チャールズ・ロプレスティ厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のサクセスフル・ダンは、去年6月にプレーリー・メドウズで行われたコーンハスカー・ハンデ(芝GⅢ)でBCクラシック馬フォート・ラーンド Fort Larned の2着して以来10か月ぶりの実戦。靭帯のトラブルで、7歳馬ながら、これが未だ12戦目という浅いキャリアの持ち主です。5歳時は全休しましたが、通算で8勝、G戦は4勝目。他にGⅠのクラーク・ハンデは1着になりながら3着に降着という記録もあり、「ダン」という愛称は弟ワイズ・ダンよりもこちらが本家。ここキーンランドでは5戦5勝とパーフェクトな戦績の持ち主でもあります。
同馬を管理するロプレスティ師は、弟ワイズ・ダンの調教師でもあり、ベン・アリは去年のワイズ・ダン(レース・レコード・タイムでの優勝)に続く2連覇となりました。

そしてサンタ・アニタ競馬場のフィナーレを飾るのが、第74回サン・ファン・カピストラーノ・ハンデキャップ San Juan Capistrano H (芝GⅡ、4歳上、14ハロン)。馬場は firm 、1頭取り消しの6頭立て。トライアルのサン・ルイ・レイ・ステークス(芝GⅡ)に勝ったブライト・ソート Bright Thought 、去年の勝馬バーボン・ベイ Bourbon Bay がいずれも回避し、前走ダートコースのマラソン戦トーキョー・シティー・カップ(GⅢ)に勝ったスカイ・キングダム Sky Kingdom が6対5の1番人気。前走は初の長距離挑戦、今回は芝での適性が問われる本命馬です。スカイ・キングダムを管理するボブ・バファート師は、不思議なことに未だサン・ファン・カピストラーノ優勝が無く、師にとっても初制覇の夢が掛かっていました。
前走は2番手から抜けて快勝したスカイ・キングダム、今回は積極的に逃げ作戦に出ますが、終始3番人気(4対1)の一角スマート・エリス Smart Ellis に絡まれて苦しい展開。直線手前でバテ後退、結局は6着最下位と期待を裏切りました。優勝は、最後からスタートして後方2番手を進んだ4対1(並んだ3番人気)のインターアクション Interaction 。最後はインコースを通り、外から来る2番人気(7対2)オール・スクェア―ド・アウェイ All Squared Away にギリギリまで詰め寄られましたが、辛うじてハナ差凌いでの戴冠です。3馬身差でスマート・エリスが3着。
勝ったインターアクションは、アルゼンチン産の7歳馬。アルゼンチンのGⅠに3勝してアメリカに転戦し、ハリウッド・ターフ・カップ(芝GⅠ)2着、前走サン・ルイ・レイは1番人気で4着という実績はあるものの、7連敗中。この勝利で連敗に終止符を打つと同時に、アメリカのステークス初勝利を記録しました。
同馬を管理するロナルド・マッカナリー師は、このレース3勝目。最初に勝ったのは何と33年も前、1980年のジョン・ヘンリー John Henry で、その後1998年にアメリック Amerique で2勝目を挙げています。かつてはGⅠだったサン・ファン・カピストラーノ、最多勝利調教師は故チャーリー・ウィッティンガム師の14勝という大記録があり、マッカナリー師には未だ未だ遠い道程。バファート師にとっては、初優勝の夢は又してもお預けになってしまいました。

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