新マイル王者は誰だ
今週の英国競馬、真打は昨日の土曜日にニューバリー競馬場で行われたロッキンジ・ステークス Lockinge S (GⅠ、4歳上、1マイル)です。英国では、クラシック・レースを除けばシーズン最初のGⅠとなります。
去年はあのフランケル Frankel が圧勝し、ここを皮切りに史上最強馬にまで上り詰めたレースと言えば理解が早いでしょう。長距離戦が次第に重要度を低下させている海外競馬、今やマイル戦こそが最も旬なジャンルと言えるかもしれません。
馬場は good to firm 、所により good という絶好な状態。当初登録にセシル厩舎に移籍したビューティー・パーラー Beauty Parlour の名がありましたが、残念ながら取り消しています。理由は未だ報道されていません。
結局12頭が出走してきましたが、フランケルが抜けた後の(そしてエクスセレブレーション Excelebration も)マイル界は混戦。新たな王者を探すべく、人気も割れていました。そんな中で5対4の1番人気に支持されたのは、オブライエン厩舎のデクラレーション・オブ・ウォー Declaration Of War 。去年GⅢに勝ち、今期もレパーズタウンのリステッド戦を制しての参戦ですが、最高クラスでのレース経験はなく、やや人気先行の感は否めません。
続いては何度もフランケルの2着に甘んじてきたファー Farhh が10対3の2番人気、ドバイでGⅠを制したシティースケイプ Cityscape の3番人気(6対1)など。
レースを引っ張ったのはペニテント Penitent 、デクラレーション・オブ・ウォーは、騎乗したジョセフ・オブライエンによればゲート内でパニックになってしまい、最後方からの競馬。徐々に順位を上げてきましたが、最後の勝負所での反応が鈍く、結局は5着止まりに終わりました。
替って抜け出したのは、先行策のファー、残り1ハロンで徐々に進出すると、最後方から追い込む伏兵(80対1)ソヴリン・デット Sovereign Debt に4馬身差を付ける快勝でした。首差でこれも追い込んだ5番人気(16対1)のアルジャマヘール Aljamaaheer が3着、シティースケイプは良い所なく最下位敗退です。
GⅠでの2着が続き、漸くGⅠのタイトルを手にしたファーは、ゴドルフィンのサイード・ビン・スロール厩舎の管理馬。ゴドルフィンはザローニ調教師の不祥事で悪いニュースばかりが続きましたが、この勝利は暗雲を払拭する快挙。騎乗したシルヴェストル・デ・スーザは、嬉しい英国GⅠ戦初勝利となります。記者団にコメントを残すと、次の騎乗となるシンガポールに飛び立っていきました。
スロール師はレース前、これがファーのシーズン・デビューで自信が持てない様子でしたが、陣営も驚く快走でした。次走は当然ロイヤル・アスコット、同じ1マイルのクィーン・アンが有力ですが、1マイル4分の1のプリンス・オブ・ウェールズにも登録があります。最終的にはシェイク・モハメド殿下の決裁事項ですが、クィーン・アンのオッズは3対1にまで上がりました。
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