ヨハネスブルグ産駒に注目

今週のアメリカはニューヨークとケンタッキー、晩秋のG戦3鞍が行われました。

先ずはアケダクト競馬場のレッド・スミス・ハンデキャップ Red Smith H (芝GⅢ、3歳上、11ハロン)。去年はBCと同日の開催でしたが、今年は半月ほど遅れての開催。グレードも去年までのGⅡからワンランク格下げとなっての施行です。かつてエッジメア・ハンデ Edgemere H と呼ばれていましたが、今年は54回目を数える芝戦。馬場状態は firm 、ダート変更の予備登録1頭に加え更に1頭が取り消して12頭立て。ボウリング・グリーン・ハンデ(芝GⅡ)勝馬で、前走カナディアン・インターナショナル(カナダ芝GⅠ)で3連覇ジョシュア・トゥリー Joshua Tree の2着したハイパー Hyper が3対2の1番人気。
レースはミッション・アプルーヴド Mission Approved がスローペースに落として逃げましたが、前半は中団、徐々に3番手まで押し上げた2番人気(3対1)のイマジニング Imagining が先行2頭を外から捉えて優勝。後方から大外を衝いて追い込んだ2頭の2着争いとなり、半馬身差2着が伏兵(23対1)ハングオーヴァー・キッド Hangover Kid 、ハナ差で3番人気(5対1)の牝馬タンネリー Tannery の順。ハイパーは好位追走も8着に沈みました。
勝馬を管理するクロード・マゴーヒー師は、去年と一昨年をボイステラス Boisterous で制しており、レッド・スミス3連覇。鞍上はBCで負傷した主戦ジョン・ヴェラスケスから乗り替わった初コンビのジョエル・ロザリオ。イマジニングは名門フィップス・ステーブルの自家生産馬で、前走ベルモントの一般芝ステークス(ボウル・ゲイム・ステークス)に勝っての連勝。通算成績14戦7勝にしてG戦は初勝利となる5歳馬です。ハリウッドの芝コースは3歳時にハリウッド・ダービー(芝GⅡ)で2着しており、相性は実証済でした。

続いてチャーチル・ダウンズ競馬場からも芝コースのG戦が2鞍。コモンウェルス・ターフ・ステークス Commonwealth Turf S (芝GⅢ、3歳、8.5ハロン)は、今年が節目となる10回目、GⅢに格上げされてからは6回目となる芝戦。good のコースに1頭が取り消して12頭立て。カナダのクラシック・レースで2着が続いたリヴァー・セヴン River Seven が5対2の1番人気。カナダ国外初戦となるアメリカ・デビューを勝利で飾れるでしょうか。
レースはルーラー・オブ・ラヴ Ruler of Love が逃げ、リヴァー・セヴンは4番手追走。2番手に付けていた3番人気(4対1)のフラック・ダディー Frac Daddy が抜け出した所に外から迫ったリヴァー・セヴン、危なげなくフラック・ダディーを半馬身交わして期待に応えました。1馬身差で6番手から伸びたケイガン Kaigun が3着。
カナダのニコラス・ゴンザレス厩舎、シャウン・ブリッジモハーン騎乗のリヴァー・セヴンは、これが3勝目ながら勝鞍は全てステークス。2歳時にカナダのGⅢであるグレイ・ステークスが初勝利で、前走芝の一般ステークス(ラビーブ・ステークス、1マイル、2着に10馬身差)に続きステークスに連勝。もちろんG戦は初勝利ですが、カナダ三冠の一つブリーダーズ・ステークス(芝の1マイル半)でも2着の実力馬です。なおブリッジモハーン騎手はこのレース、未だG戦に格付けされていなかった2007年にインカ・キング Inca King で勝って以来の2勝目となりました。
日本でも注目したいのは、同馬の父がヨハネスブルグ Johannesburg であること。今年日本では初産駒が走るヨハネスブルグは、既にG戦2勝のホウライアキコや特別勝ちのフクノドリームを出してブレイク。北米最後の世代が1マイル半のクラシックで2着していることから見ても、来年のクラシック戦線に注目が集まる血統と言えそうですね。

最後は同じ条件の牝馬ヴァージョンたるミセス・リヴィーア・ステークス Mrs. Revere S (芝GⅡ、3歳牝、8.5ハロン)。14頭が出走する混戦、アーリントンのパッカー・アップ・ステークス(芝GⅢ)勝馬で前走クィーン・エリザベスⅡ世チャレンジ・カップ(芝GⅠ)6着のアイム・オールレディー・セクシー I’m Already Sexy が3対1の1番人気。
レースはゼロ・ゲーム Zero Game が引っ張り、本命アイム・オールレディー・セクシーは3番手追走から仕掛け、先頭で直線に入りましたが早くも一杯。替って伸びたのは、前半は後方2番手で待機していた3番人気(9対2)のエモーショナル・キッテン Emotional Kitten 。直線は内ラチ沿いを衝きましたが前が開かず、思い切って外に出してからの強烈な末脚。良くあの位置から届いたという内容で、2着エフィー・トリンケット Effie Trinket に半馬身差で快勝しました。1馬身半差でダンス・アゲン Dance Again が3着に入り、アイム・オールレディー・セクシーは次々と交わされ、諦めの9着大敗に終わっています。
ウェスリー・ウォード厩舎、ヴィクター・エスピノザ騎乗のエモーショナル・キッテンは、アメリカン・オークス(芝GⅠ)2着、デル・マー・オークス(芝GⅠ)3着で、前走クィーン・エリザベスでは7着だった馬。ピムリコの一般ステークス(ヒルトップ・ステークス)に続きステークス2勝目で、G戦は初勝利となります。

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