感謝祭の短距離戦
今週は祝日と週末が巧く繋がり、4日連続のG戦開催となります。4日間で行われるG戦は全部で18鞍、内GⅠも4鞍組まれており、事実上アメリカ競馬シーズンのフィナーレに相当すると言って良いでしょう。
このあと年内にもいくつかグレード・レースが行われますが、それは来年に跨る開催。今週は日本に譬えれば有馬記念の週末に当たるでしょうか。
さて11月28日は感謝祭の休日、3つの競馬場で一鞍づつのG戦が行われました。最初はアケダクト競馬場のフォール・ハイウエイト・ハンデキャップ Fall Highweight H (GⅢ、3歳上、6ハロン)。今年が丁度100回目となる伝統のハンデ戦。アメリカ競馬の負担重量は、普通は120ポンド辺りが中心でヨーロッパよりはかなり軽量で行われますが、このハンデ戦は130ポンド辺りが中心となる珍しい一戦。最大では140ポンドを背負う馬が出ることもあります。
今年は good の馬場に8頭立て。最も重いハンデ頭は135のストラッピング・グルーム Strapping Groom 、8月にサラトガのフォアゴ・ステークス(GⅠ)に勝った馬。続いてはザ・ランバー・ガイ The Lumber Guy の133。こちらは去年のヴォスバー・ステークス(GⅠ)勝馬。しかし2対1の1番人気に支持されたのは、サラトガ開幕戦のジェームス・マーヴィン・ステークス(GⅢ)に勝ったセージ・ヴァレー Sage Valley 。実績に加えて129ポンドの負担重量差が有利と見做されたのでしょう。
レースは最低人気のジェイクン・エルウッド Jake N Elwood が逃げ、セージ・ヴァレーは徐々に4番手まで上がりましたがそこまで、結局は5着に終わります。優勝は、前半6番手から外を回って4番手で直線に向いた2番人気(5対2)のパレス Palace 。トップハンデ2頭との叩き合いを外から1馬身半交わしてのG戦初勝利でした。2着は4番人気(5対1)に甘んじたストラッピング・グルーム、半馬身差で3番人気(4対1)だったザ・ランバー・ガイが3着。
リンダ・ライス厩舎、コーネリオ・ヴェラスケス騎乗のパレスは、これで14戦8勝のニューヨーク産4歳牡馬。8月と10月にニューヨークの一般ステークスに連勝し、これでステークス3連勝。特に8月のチャウダーズ・ファースト・ステークスではザ・ランバー・ガイを破っており、今回も129ポントという4ポンドのハンデ差を活かしての逆転に繋げました。
続いてはハリウッド・パーク競馬場から、ヴァーノン・オー・アンダーウッド・ステークス Vernon O. Underwood S (GⅢ、3歳上、6ハロン)。今年33回目を迎える短距離戦、fast の馬場に1頭が取り消しての5頭立て。2頭出しで臨むボンド厩舎のエース、マジェスティック・ストライド Majestic Stride が3対5の断然1番人気。G戦の勝鞍はありませんが、前走BCスプリント(GⅠ)4着が光ります。
同厩のアニオ Anillo が逃げ、マジェスティック・ストライドは2番手追走。結果的にはアニオがヨーロッパ流のペースメーカーの役割となり、直線で抜けた本命馬の快勝。2馬身半差で2011年7月以来の長期休養明けとなるカラー・オブ・カレッジ Color of Courage が最後方から2着に入り、更に1馬身4分の1差で2番人気(3対1)のハンサム・マイク Handsome Mike が3着。
ジェフ・ボンド厩舎、エドウィン・マルドナド騎乗のマジェスティック・ストライドは、前走BCスプリントの前はアローワンス戦を2連勝。その前はこれも休養していた4歳馬。タペタ・コースはデビュー戦(ゴールデン・ゲート競馬場)で2着した経験があり、今回が2度目の挑戦でした。
最後にチャーチル・ダウンズ競馬場のフォールズ・シティー・ハンデキャップ Falls City H (GⅡ、3歳上牝、9ハロン)。他場がいずれも短距離戦だったのに対し、こちらは9ハロンの長い流れ。fast の馬場に取り消しは1頭、8頭立てで行われました。前走、BC当日にチャーチル・ダウンズで行われたチルッキ・ステークス(GⅡ)を制したドント・テル・ソフィア Don’t Tell Sophia が順当に8対5の1番人気。
レースはマジック・アワー Magic Hour が逃げ、ドント・テル・ソフィアは前半最後方。4番手から徐々に順位を上げた3番人気(4対1)のワイン・プリンセス Wine Princess が前を交わすと、外から追い込むドント・テル・ソフィアを2馬身4分の3差抑えての逆転劇。更に1馬身4分の1差で2番人気(9対5)のフラッシー・アメリカン Flashy American が3着に入りました。
スティーヴ・マーゴリス厩舎、シャウン・ブリッジモハーン騎乗のワイン・プリンセスは、去年のモンマス・オークス(GⅢ)勝馬。今期はスピンスター・ステークス(GⅠ)3着、前走チルッキでもドント・テル・ソフィアの2着しており、ここチャーチルでは7戦4勝2着2回と得意なコースではあります。
ところで明日から3日間のアメリカ競馬に付いては、小生が週末の京都小旅行から帰ってからのレポートになります。12月2日には更新出来る予定ですので、暫くお待ちあれ。
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