日曜日もBCトライアル続く

伝統の2歳戦が2鞍行われるベルモント競馬場、最初は牡馬によるフューチュリティー・ステークス Futurity S (GⅡ、2歳、6ハロン)。去年は9月末に組まれていましたが、今年は10月にずれ込みました。fast の馬場に5頭立て、6対5の1番人気に支持されたブロフェルド Blofeld はデビュー勝ちしたばかりで、プレッチャー/ヴェラスケスの陣営人気でもありましょう。
先手を取ったのは3番人気(3対1)でバシュフォード・マナー・ステークス(GⅢ)勝馬のシンコー・チャーリー Cinco Charlie 、ブロフェルドも行く気を見せましたが、ここは3番手待機。直線、シンコー・チャーリーがリードを保つ中、内ラチ沿いにブロフェルド、外から2番人気(8対5)のヘブロンヴィル Hebronville が迫って3頭の叩き合い。最後は内のブロフェルドが、外のヘブロンヴィルを4分の3馬身抑えて優勝。首差でシンコー・チャーリーが3着。
トッド・プレッチャー厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のブロフェルドは、前走サラトガの5ハロン戦でデビュー勝ち、これで無傷の2戦2勝となります。プレッチャー師にとっては3勝目のフューチュリティー、前日にGⅠ3勝と大暴れしたヴェラスケスにとっては5勝目のフューチュリティーでもあります。

次いでメイトロン・ステークス Matron S (GⅡ、2歳牝、6ハロン)。これも去年は9月末に実施されていました。こちらは8頭立て、フューチュリティーと同じプレッチャー/ヴェラスケス・コンビのパリス・ビキニ Paris Bikini が当然の様に4対5の圧倒的1番人気。
レースはブービー人気(27対1)のエヴリボディーマストゲッツストーンズ Everybodymustgetstonz が逃げ、パリス・ビキニは2番手追走。しかしヴェラスケス・マジックもここまで。本命馬はズルズルと後退すると、5番手に付けていた2番人気(5対1)のポールアズシルヴァーライニング Paulassilverlining (何と読み難い馬名の多いことか)が外から追い込み、3番手追走4番人気(8対1)のスキッパルート Skipalute に1馬身4分の1差を付けて優勝。更に2馬身4分の3差で逃げたエヴリボディーマストゲッツストーンズが3着。
ミシェル・ネヴィン厩舎、ホセ・オルティス騎乗の勝馬は、サラトガのデビュー戦(6ハロン)が4着、続く同じサラトガの6ハロンで初勝利を挙げ、これで3戦2勝。ネヴィン師は、前日のフリゼット・ステークス(バイ・ザ・ムーン By the Moon)に続き連日のG戦勝利となりました。

続いて連日の様にG戦が組まれているキーンランド競馬場から。この日もG戦は2鞍で、最初はバーボン・ステークス Bourbon S (芝GⅢ、2歳、8.5ハロン)。勝馬にはBCジュヴェナイル・ターフの優先出走権が与えられますが、去年は雨でダートに変更され、Gも剥奪されていましたね。1頭が取り消して8頭立て。チャド・ブラウン厩舎のキャント・ハップン・ヒア Can’t Happen Here がサラトガのデビュー勝ちの内容の良さから2対1の1番人気。
しかし本命馬はスタートをやや失敗、逃げるサーティ―シルヴァーピーシズ Thitysilverpieces を後方2番手からの追走となります。前半3番手の好位置に付けた5番人気(12対1)のローン・レンジャー Lawn Ranger がスルスルと抜け出すと、後方3番手から追い込む2番人気(3対1)のダニー・ボーイ Danny Boy に半馬身差で優勝。キャント・ハップン・ヒアも外から良く追い込みましたが、更に半馬身差の3着に終わりました。
ケネス・マクピーク厩舎、クリス・ランデロス騎乗のローン・レンジャーは、名前の通り芝コースでのみ走って3戦2勝2着1回。エリス・パークのデビュー戦で2着した後、ケンタッキー・ダウンズで初勝利を挙げていました。もちろんBCジュヴェナイル・ターフに向かいます。

最後はスピンスター・ステークス Spinster S (GⅠ、3歳上牝、9ハロン)。これもBC対象で、ディスタッフへの出走権を掛けた伝統のGⅠ戦。fast のダート・コースに6頭立て。今期は4戦全勝でGⅠに3連勝中(アップル・ブロッソム、オグデン・フィップス、パーソナル・エンサイン)のクローズ・ハッチェス Close Hatches が1対5の断然1番人気。
そのクローズ・ハッチェスがスタートから飛ばし、快調に逃げ(ているように見え)ましたが、2番手を追走した4番人気(16対1)のリア・アントニア Ria Antonia に並び掛けらると何故か一杯になって後退。前半はポツンと離れた最後方に待機した2番人気(5対1)のドント・テル・ソフィア Don’t Tell Sophia が猛然追い上げると、直線でやや内に刺さりながらもリア・アントニアに2馬身半差を付ける鮮やかな差し切り勝ちです。更に2馬身4分の1差で最低人気(23対1)のモーリー・モーガン Molly Morgan が3着に飛び込み、クローズ・ハッチェスは4着と期待を裏切ってしまいました。
2着馬に騎乗したパコ・ロペス騎手が、最後の斜行について勝馬に対し意義を申し立てましたが、間隔は充分に開いており、却下。あの程度の不利で意義を申し立てるのは、昨日のフランスの事例から見ればかなり図々しく感じられます。ダメ元での抗議でしょうが、アメリカ競馬の品格には疑問符が付くと思います。
フィリップ・シムズ厩舎、ジョセフ・ロッコ騎乗のドント・テル・ソフィアは、これがGⅠ戦初勝利。クローズ・ハッチェスの3着だったアゼリ・ステークス(GⅡ)以来6か月休養し、前走9月初めにチャーチル・ダウンズの一般ステークスで復帰戦を飾ったばかり。BCで決着を付けることになるでしょう。

 

 

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