アロゲート連敗!

今週のアメリカ競馬、土曜日のG戦は全部で6鞍と少なめですが、注目はデル・マーのパシフィック・クラシックでしょう。でもその前に・・・。

サラトガ競馬場のG戦は2鞍。先ずレイク・プラシッド・ステークス Lake Placid S (芝GⅡ、3歳牝、9ハロン)は good の芝コースに1頭が取り消して5頭立て。前走ベルモント・オークス(GⅠ)3着の元フランス馬ウニ Uni が9対5の1番人気。
1番枠から出た最低人気(8対1)のコーステッド Coasted が逃げ、ウニは最後方から。後方2番手に付けていた2番人気(2対1)のプロクターズ・レッジ Proctor’s Ledge が第4コーナーで大外を回って追い込むと、更に外から追い縋る本命ウニに4分の3馬身差を付けて優勝。2番手を進んだ4番人気(6対1)のパーティー・ボート Party Boat が1馬身半差の3着に入りました。
ブレンダン・ウォルシュ厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のプロクターズ・レッジは、前走サラトガ初日のレイク・ジョージ・ステークス(芝GⅢ)に続いてG戦2連勝、湖シリーズのG戦も連勝しました。未だBCについては未定のようですが、当面はキーンランドのクィーン・エリザベス2世チャレンジ・カップでGⅠ戦初制覇を目指します。

そして、伝統の3歳牝馬GⅠ戦アラバマ・ステークス Alabama S (GⅠ、3歳牝、10ハロン)。fast の馬場に9頭が出走し、カナダのクイーンズ・プレートを制して3連勝中のホーリー・ヘレナ Holy Helena が4対1の1番人気。とは言え、同じ4対1には3頭が並ぶ人気の上でも大混戦となっていました。
先ずは8番人気(13対1)のイット・ティズ・ウェル It Tiz Well が逃げて絶妙な逃げ切りを図りましたが、前半5番手から徐々に差を詰めた3番人気(4対1)のイレート Elate が第4コーナーで外から逃げ馬を捉えると、粘るイット・ティズ・ウェルに5馬身半の大差を付ける圧勝。6番手から伸びた5番人気(6対1)のソルティー Salty が頭差の3着に食い込み、4番手に付けていたホーリー・ヘレナは8着大敗に終わりました。
これがアラバマ3勝目となるウイリアム・モット厩舎、初制覇ホセ・オルティス騎乗のイレートは、前走コーチング・クラブ・アメリカン・オークスでエイベル・タスマン Abel Tasman に頭差2着にまで迫った馬。これがG戦初勝利でのGⅠ制覇となりましたが、前々走デラウエア・パークの一般ステークス(ライト・ハーテッド・ステークス)に勝っており、ステークスそのものは2勝目となります。アラバマは去年のソングバード Songbird に続き、2年連続でメダリア・ドロ Medaglia d’Oro 産駒が制したことになります。

次はモンマス・パーク競馬場のヴァイオレット・ステークス Violet S (芝GⅢ、3歳上牝、8ハロン)を取り上げましょう。去年は9月10日、9ハロン戦として行われていました。今年はfirm の馬場に2頭が取り消して7頭立て、前走ドクター・ジェームス・ペニー・メモリアル(芝GⅢ)で4着、これがアメリカでの3戦目となるライト・アップ・アワ・ワールド Light Up Our World が2対1の1番人気。
2番人気(5対2)のジアンナズ・ドリーム Gianna’s Dream がハナに立って逃げ切りを図りましたが、最後方で我慢していた4番人気(5対1)のトリッキー・エスケープ Tricky Escape が直線で馬群を割って進出、鋭い末脚を爆発させると、4番手から伸びた人気のライト・アップ・アワ・ワールドに1馬身4分の1差を付けて優勝。逃げたジアンナズ・ドリームが頭差の3着に粘りました。
リン・アシュビー厩舎、クリストファー・デカルロ騎乗のトリッキー・エスケープは日本産ハットトリック産駒の4歳馬で、これがステークスもG戦も初勝利で、通算では3勝目。前走デラウェア・パークのアローワンス戦は2着でしたが、その前にモンマスのイートンタウン・ステークス(芝GⅢ)とデラウエアのロバート・ディック・メモリアル(芝GⅢ)で共に4着に入っていました。

昨日の最後は、デル・マー競馬場の3鞍。最初に行われたデル・マー・ハンデキャップ Del Mar H (芝GⅡ、3歳上、11ハロン)は勝馬にBCターフへの優先出走権が付与されるレースで、firm の馬場に13頭立てと多頭数。2014年から去年までの勝馬が揃っていましたが、それらを抑えて前走ユナイテッド・ネイションズ・ステークス(芝GⅠ)で5着したイッツインザポスト Itsinthepost が5対2の1番人気。
レースは10番人気(25対1)のミスター・ローリー Mr. Roary が逃げてスローペース。2番手でマークしていた最低人気(95対1)のプライム・アトラクション Prime Attraction が第4コーナーで外から先頭を奪って直線に入りましたが、4番手を進んでいた3番人気(3対1)のハント Hunt が内ラチ沿いギリギリを衝いて突き抜けると、8番手から追い込む本命イッツインザポストを4分の3馬身差抑えて優勝。7番手から伸びた7番人気(18対1)のフラムボヤント Flamboyant が頭差の3着に入り、去年の勝馬で2番人気(3対1)だったアシュレイラヴズシュガー Ashleyluvssugar は6着、2014年と2015年を連覇した6番人気(16対1)のビッグ・ジョン・ビー Big John B も10着に終わっています。
フィリップ・ダマト厩舎、フラヴィアン・プラット騎乗のハントは、前走デル・マー夏開催初日のエディー・リード・ステークス(芝GⅡ)に続いてG戦2連勝の5歳せん馬。出走権を得たBCターフに向かうものと思われます。

そして注目のパシフィック・クラシック Pacific Classic (GⅠ、3歳上、10ハロン)。こちらは勝馬にBCクラシックへの優先出走権が与えられる一戦で、fast の馬場に1頭が取り消して7頭立て。何と言っても前走ショッキングな凡走で話題となった世界最強馬アロゲート Arrogate が捲土重来を期す一戦、復活なるかが注目されて3対5の断然1番人気。
2番人気(3対1)のコレクテッド Collected が逃げ、アロゲートは3番手追走。前走サン・ディエゴ(GⅡ)で金星を挙げた3番人気(3対1)アクセルレート Accelerate も2番手で続きます。しかしアロゲート、やはり本調子には無いのか向こ正面で早くもマイク・スミスの手が動く苦しい展開。すいすいと逃げたコレクテッドを追って漸く最後に外から懸命に差を詰めたものの半馬身届かず逃げ切りを許してしまいました。アクセルレートが3馬身4分の3差で3着。アロゲートは今回アクセルレートには先着しているので前回ほどの大敗ではありませんでしたが、それでも敗戦は敗戦。11月のBCにまでは間に合うのでしょうか。
大本命を退けたコレクテッドは、アロゲートと同じボブ・バファート師の管理馬で、マーチン・ガルシア騎乗の4歳牡馬。去年のプリークネス・ステークス10着で3歳シーズンを終え、今期はサンタ・アニタの一般ステークス(サンタアナ・マイル)優勝から始動してカリフォルニアン・ステークス(GⅡ)、プレシジョニスト・ステークス(GⅢ、14馬身差の圧勝)と無傷で4連勝。GⅠ戦は初勝利ながら、前走の圧勝はアクセルレートを退けたものですし、何と言ってもアロゲートを破ったのですから、BCでも無視するわけにはいかないでしょう。

デル・マーの最後はデル・マー・オークス Del Mar Oaks (芝GⅠ、3歳牝、9ハロン)。2頭が取り消して12頭立て。前走デル・マーのサン・クレメント・ハンデ(芝GⅡ)に勝った元ヨーロッパ馬のマダム・ダンスアロット Madam Dancealot が3対1の1番人気。

10番人気(28対1)のブレイム・イット・オン・アルフィー Blame It On Alphie が逃げましたが、最後は10番手を進んだ4番人気(6対1)のドリーム・ダンシング Dream Dancing 、8番手に付けた3番人気(5対1)のボー・リコール Beau Recall 、最後方から追い込んだ本命マダム・ダンスアロットの三つ巴。写真判定の結果、ドリーム・ダンシングがボー・リコールをハナ差抑えて勝ち、マダム・ダンスアロットは首差3着惜敗に終わりました。

マーク・カッセ厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のドリーム・ダンシングは、5走前にヒアカムズザブライド・ステークス(芝GⅢ)に勝ったのがG戦初勝利で、前走レイク・ジョージ・ステークス(芝GⅢ)ではこの日レーク・プラシッドを制したプロクターズ・レッジの7着に終わっていました。

 

 

 

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