名牝の孫
流石のアメリカ競馬もシーズン残り少なくなってきました。G戦は、フロリダの越年競馬が少しと、クリスマス明けに開催がスタートするサンタ・アニタの冬競馬だけでしょう。
その一つ、ガルフストリーム・パーク競馬場でダニア・ビーチ・ステークス Dania Beach S (芝GⅢ、2歳、8ハロン)が行われました。9頭立て、2頭出しチャド・ブラウン厩舎の期待馬、1戦1勝のリクエスト Request が5対2の1番人気に支持されていました。
レースはボン・アコード Bon Accord の逃げ、リクエストは中団の5番手を追走します。しかし優勝は、前半後方2番手に待機した6番人気(10対1)の伏兵ミスター・スピーカー Mr Speaker 。向正面で徐々に順位を上げると、直線では内ラチ沿いギリギリをするりと抜け、これも末脚に掛けた最低人気(35対1)のカポ・キャット Cabo Cat を2馬身4分の3差抑える波乱でした。半馬身差で漸く3番人気(7対2)でブラウン厩舎の一角プルーヴェン Pleuven が3着。リクエストは最下位敗退の凡走です。
クロード・マゴーヒー厩舎、ホセ・レズカノ騎乗のミスター・スピーカーは、前走10月14日にベルモント競馬場の未勝利戦で初勝利を挙げた馬。もちろんG戦は初挑戦での初勝利です。夏のサラトガでデビュー戦6着、9月にはベルモントで3着し、通算4戦2勝。将来のためにはダート・コースでの実績を残す必要があるでしょう。しかし血統的な裏付けは充分で、2代母パーソナル・エンサイン Personal Ensign はBCディスタッフなどGⅠに6勝した名牝。父はパルピット Pulpit でもあり、ダート・コースに向かないということはあり得ませんね。
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