4月19日のアメリカ競馬(1)

昨日のアメリカはケンタッキー・ダービーの2週前、5つの競馬場で7鞍のG戦が組まれていましたが、どれも比較的マイナーなレース、今週も2回に分けてレポートしましょう。

先ずはケンタッキーのキーンランド競馬場から2鞍、最初はベン・アリ・ステークス Ben ali S (GⅢ、4歳上、9ハロン)。fast のタペタ・コースに10頭が出走し、3月29日にパン・アメリカン・ステークス(芝GⅡ)に勝ったニュースダッド Newsdad が7対2の1番人気。
3番人気(5対1)のレッド・ライフル Red Rifle が逃げ、同じ3番人気のフラック・ダディー Frac Daddy が競り掛け気味に追走。ニュースダッドは大きく離れた最後方から末脚に掛ける展開です。第3コーナーで前を捉えたフラック・ダディー、そのまま後続を引き離すと3番手を追走していたスティールケース Steelcase に4馬身4分の3馬身差を付ける圧勝。更に4分の3馬身差でニッキズ・サンドキャッスル Nikki’s Sandcastle が3着に入り、ニュースダッドは直線で良く伸びたものの3着から2馬身4分の1遅れの4着に終わりました。
ケネス・マクピーク厩舎、アラン・ガルシア騎乗のフラック・ダディーは、これがG戦初勝利。去年10月に同じキーンランドのアローワンス戦に勝って以来の勝ち星でもありました。その間、11月のコモンウェルス・ターフ・ステークス(芝GⅢ、チャーチル・ダウンズ)で2着、3月1日にはサム・ヒューストン競馬場の一般ステークスでも2着とG戦勝ち目前だった4歳馬。2歳時にはケンタッキー・ジョッキー・クラブ・ステークス(GⅡ)で2着、3歳時にもアーカンソー・ダービー2着の実績もあります。陣営では期待の高かった馬で、ダービーに挑戦するも16着、ベルモントは14着。古馬になって充実著しく、漸く厩舎の期待に応えられるようになってきました。

ケンタッキーのもう一鞍は3歳馬によるレキシントン・ステークス Lexington S (GⅢ、3歳、8.5ハロン)。3頭が取り消して8頭立て。前走ガルフストリーム・パークでパーム・ビーチ・ステークス(芝GⅡ)で2着したミスター・スピーカー Mr Speaker が2対1の1番人気。ポリトラック・コースは初挑戦ですが、芝の実績から問題無かろうという評価です。
逃げたソリタリー・レンジャー Solitary Ranger の3番手を追走したミスター・スピーカー、一旦4番手に下げて直線に向くと外に出し、前の2頭を外から交わすと独走。2番人気(5対2)ディヴァイン・オース Divine Oath に4馬身差を付ける楽勝で人気に応えました。頭差で3番人気(4対1)のスーパーモニック Supermonic が3着。本命馬にとって唯一の不安材料だったポリトラックでしたが、ブラッドホース誌は“水を得た魚のよう”と表現していました。
クロード・マゴーヒー厩舎、ホセ・レズカノ騎乗のミスター・スピーカーは、これでG戦は2歳暮れのダニア・ビーチ・ステークス(芝GⅢ)に続き2勝目。マゴーヒー師は、ケンタッキー・ダービーには向かわず、当面は芝とポリトラックで使っていく由。一度だけ走ったダート・コースはホーリー・ブル・ステークス(GⅡ、1月25日)で7着でしたが、何時の日か最チャレンジさせて見たい、という意向のようです。

続いて東海岸のニューヨーク州、アケダクト競馬場から牝馬短距離路線のディスタッフ・ハンデキャップ Distaff H (GⅡ、3歳上牝、6ハロン)。馬場は fast 、7頭立て。9か月ぶりとなるプレッチャー厩舎の強豪カウアイ・ケイティー Kauai Katie が出走してきましたが、これを抑えて2対1の1番人気に支持されたのは、8戦6勝のスピード馬ラ・ヴェルダッド La Verdad でした。G戦は未勝利ですが、堅実さが魅力。カウアイ・ケイティーは同じオッズで僅かの差の2番人気。
例によってスピードを活かして先頭に立ったラ・ヴェルダッド、そのまま他馬を寄せ付けず後続に3馬身4分の3馬身差を付ける圧勝でした。2着には5番手からカウアイ・ケイティーが追い込み、流石の貫録。一叩きされた次走こそ狙い目でしょう(人気になるでしょうが)。更に1馬身4分の1差でマイ・パル・クリシー My Pal Chrisy が3着。
リンダ・ライス厩舎、ホセ・オルティス騎乗のラ・ヴェルダッドは、バーバラ・フリッチー・ハンデ(GⅡ)の2着馬。ステークスはアケダクトのブロードウェイ・ステークス(一般ステークス)に続き2勝目。ところでディスタッフ、去年のクラスター・オブ・スターズ Cluster of Stars に続き2年連続でニュー・ヨーク産馬が制したことになります。

この記事でもう一鞍紹介しておくと、フロリダ州カルダー競馬場で予定されていたマイアミ・マイル・ハンデキャップ Miami Mile H (芝GⅢ、3歳上、8ハロン)は、前日の雨のためダート・コースに変更。恐らくアメリカ・グレード・レース委員会はその格付けをGⅢから降格するでしょう。
従って結果だけ紹介しておくと、4頭が取り消して11頭立てで行われ、6番人気(14対1)のグランド・ティト Grand Tito という馬が勝ちました。4分の3馬身差でミッドナイト・チェロ Midnight Cello が2着、更に4分の3馬身差でツァバ Csaba が3着。1番人気(8対5)のヘイ・リロイ Hey Leroy は10着惨敗。勝利調教師はアントニオ・サノ、勝利騎手がサンチァゴ・ゴンザレス。

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