1月最後のG戦

早いもので、1月のアメリカ競馬G戦も昨日が最終日でした。ところで昨日の結果、何故かサム・ヒューストン競馬場の結果が未入電。取り敢えずは3場での4鞍を紹介し、サム・ヒューストンは何れ日を改めてのレポートとしましょう。

先ずはフロリダのガルフストリーム・パーク競馬場から3歳クラシック路線に繋がる2鞍を。最初に行われた牝馬のためのフォワード・ギャル・ステークス Forward Gal S (GⅡ、3歳牝、7ハロン)は、fast の馬場に6頭立て。ここまで2戦2勝のオンリーフォーユー Onlyforyou が1対5の圧倒的1番人気に支持されていました。
スタートは余り良くなかった本命馬ですが、数完歩で先頭を奪うと、2番手に付けた3番人気(6対1)オーレリアズ・ベル Aurelia’s Belle を直線では更に引き離し、同馬に2馬身4分の3差を付ける逃げ切り勝ち。更に3馬身差で2番人気(4対1)のレジスティヴィティー Resistivity が3着に入り順当な結果です。
トッド・プレッチャー厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のオンリーフォーユーは、去年11月にアケダクトで新馬勝ち。続いて12月のガルフストリームでアローワンス戦も連勝(何れも6ハロン戦)、今回がステークス初挑戦での3連勝です。

続く牡馬版のホーリー・ブル・ステークス Holy Bull S (GⅡ、3歳、8.5ハロン)。去年までGⅢでしたが今年からGⅡに格上げ、ダービーへのステップとしては更に重要度を増した印象です。11頭が出走し、2歳時既にナシュア・ステークス(GⅡ)に勝っているカイロ・プリンス Cairo Prince が122ポンドのトップ・ハンデを背負いながらも2対1の1番人気。
レースはオールモースト・フェイマス Almost Famous と2番人気(3対1)クー・ド・グラース Coup de Grace がハナを争う速い流れ。5番手から3番手へと徐々に進出したカイロ・プリンス、抑えきれない感じで4角先頭に立つと、後は後続馬を引き離す圧勝劇。最後方から2着に追い込んだコンケスト・タイタン Conquest Titan (11対1、5番人気)に5馬身4分の3差を付けていました。半馬身差でこれも後方待機組のインテンス・ホリデー Intense Holiday が3着。トップ・ハンデを背負っての楽勝、着差以上の内容だったと言えそうです。
キアラン・マクローリン厩舎、ルイス・サエズ騎乗のカイロ・プリンスは、これで4戦3勝。前走レムゼン・ステークス(GⅡ)ではオナー・コード Honor Code の大激戦の末にハナ差で惜敗しましたが、明らかにジョッキーのミス。マクローリン師も“ミスを犯したことは騎手自身が良く判っているから”としてサエズを替えることはせず、今回は完璧な騎乗でダービーへの10ポイントを獲得しています。このあとはフロリダ・ダービー(GⅠ)からケンタッキーに向かうか、その前にもう一鞍トライアルを使うか、いずれにしても今年のダービーの有力候補であることは間違いないでしょう。

次にタンパ・ベイ・ダウンズ競馬場に飛びましょう。古馬牝馬の芝戦、エンデヴァー・ステークス Endeavour S (芝GⅢ、4歳上牝、8.5ハロン)。馬場は firm 、メインコースに変更した際の登録馬は出走せず12頭立て。前走同じタンパで泥んこ馬場のメインコース(アローワンス戦)で圧勝したファイナル・エスクロウ Final Escrow が7対2の1番人気。芝コースでも一般ステークスに勝って実績もある1頭です。
レースは、ホールロッタシェーキン Wholelottashakin がややスローに落としての逃げ。これをペース遅しと見て早目に2番手に上がった2番人気(4対1)のクラウド・エスケイプス Cloud Escapes が直線で並び掛け、渋太く粘る逃げ馬を首差捉えての快勝。2馬身4分の1差でフローラル・ロマンス Floral Romance が3着に入り、ファイナル・エスクロウも脚を伸ばしましたが最後はバテて5着敗退に終わりました。
グレアム・モーション厩舎、エリック・ロドリゲス騎乗のクラウド・エスケイプスは、前走12月に同じタンパの一般戦を6馬身差で圧勝、今回がステークス・デビューでもありました。通算成績は8戦3勝2着3回、古馬になって充実してきた良血馬で、未だ未だ活躍が見込めそうな1頭です。

最後はサンタ・アニタ競馬場からサンタ・モニカ・ステークス Santa Monica S (GⅡ、4歳上牝、7ハロン)をレポート。1990年から2012年まではGⅠ戦にランクされていましたが、去年GⅡに降格された一戦。fast の馬場に1頭が取り消して6頭立て。去年の勝馬でGⅠ馬(2011年のラ・ブレア・ステークス)のテディーズ・プロミス Teddy’s Promise が7対5の1番人気。このレースを最後に繁殖に上がることが決まっています。相手も去年のラ・ブレアを制したエア・キッティー Heir Kitty 、こちらが5対2の2番人気で、2頭の一騎打ちと見られていました。
ダッシュ良く飛び出したのは3番人気(4対1)のシェージンガー Sherzinger でしたが、向正面中程でテディーズ・プロミスが交わして先頭に立つと、エア・キッティーも遅れず本命馬を追って直線へ。しかし一旦3番手に下がったシェージンガーが内ラチ沿いに巻き返し、外からは4番手に付けていたアイオタパ Iotapa が追い上げ、ゴールではシェージンガーがアイオタパに1馬身差を付ける波乱となりました。半馬身差で力尽きたテディーズ・プロミスが3着、ライヴァル視されたエア・キッティーも更に2馬身4分の1差の4着に終わっています。昨日は日本でもドナウブルーが引退レースとなった京都牝馬ステークスで2着に惜敗しましたが、海を隔てたカリフォルニアでもテディーズ・プロミスが引退レースを飾れなかった形です。テディーズ・プロミスはこのあとケンタッキーに飛び、スマート・ストライク Smart Strike を付けることになっている由。
勝馬の共同馬主でもあるジェリー・ホーレンドルファー厩舎、マイク・スミス騎乗のシェージンガーは、これがステークス・デビューとなった新星。ここ4戦で3勝、通算成績は7戦4勝となり、7ハロンは初めての距離でした。馬名は母(ダンシンアンドシンギン Dancinandsingin)からの連想で付けたそうで、シェージンガーとは女性ポップス・バンド「プッシ―キャット・ドールズ」のメイン・ヴォーカルのニコール・シェージンガーから採られたのだとか。この分野は完全な専門外のメリーウイロウとしては、ウィキペディアで検索して初めて知った次第です。

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