ワイズ・ダン始動

昨日の金曜日、アメリカでは2つのGⅠ戦が行われています。共に小頭数の競馬でしたが、中身の濃いレースが楽しめました。

先ずは短期開催のキーンランド競馬場から、メイカーズ・46・マイル Maker’s 46 Mile (芝GⅠ、4歳上、8ハロン)。firm の馬場、1頭が取り消して6頭立て。何と言っても2年連続で年度代表馬に選出されたワイズ・ダン Wise Dan 始動に注目が集まります。もちろん2対5の断然1番人気。
ワイズ・ダンはスタートから控える競馬、クラブハウス・ターン(第1コーナー)では後方2番手でしたが、向正面に入ると先行するアラカザン・アラカザン Alakazan Alakazan の4番手。抑えきれない勢いで徐々に進出すると、直線では最初に先頭に立った3番人気(9対2)ロクティー Lochte を外から捉え、最後方から一気の末脚に掛けた最低人気(37対1)ケイガン Kaigun の追い込みをやや余裕を見せながら4分の3馬身抑えてシーズン・デビューを飾りました。4馬身4分の1差でロクティーが3着、2番人気(7対2)のザー・アプルーヴァル Za Approval は4着。
チャールズ・ロプレスティ厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のワイズ・ダン、地元ケンタッキーでは6つ目のステークス、通算で8つ目のGⅠ制覇。メイカーズ・マイルは、26年の歴史で2頭目の連覇(2007~2008年のキップ・デヴィル Kip Deville)を達成しています。BCマイル以来5か月ぶりの実戦、フォアゴ Forego が達成したのみの年度代表馬3連覇を目指して順調なスタートを切ったと言えるでしょう。

もう一つが、競馬フェスティヴァル2日目のオークローン・パーク競馬場で行われたアップル・ブロッサム・ハンデキャップ Apple Blossom H (GⅠ、4歳上牝、8.5ハロン)。fast の馬場に5頭立て。5頭立てと言っても3頭がGⅠ馬というレヴェルの高い一戦、3対5の1番人気に支持されたクローズ・ハッチェス Close Hatches は、前年のBCディスタッフ2着馬。今期も前走アゼーリ・ステークス(GⅢ)を逃げ切り勝しており、前年の覇者オン・ファイア・ベビー On Fire Baby (7対2、3番人気)を抑えての断然本命です。
1番枠スタートから直ぐに先頭に立ったクローズ・ハッチェス、そのまま直線でも経済コースを通って後続を寄せ付けず、並んで2番を追走したオン・ファイア・ベビーに1馬身4分の1差を付ける貫録勝ち。更に1馬身差でスタンウィック Stanwyck が3着。もう1頭のGⅠ馬、サンタ・マルガリータを制したレット・フェイス・アライズ Let Faith Arise (3対1、2番人気)は4着に終わりました。勝馬は121ポンドを背負い、他馬より4ポンドから6ポンド重い負担重量だっただけに、より価値がある勝利だったと言えるでしょう。
ウイリアム・モット厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗、ジャドモント・ファームのクローズ・ハッチェスは、去年のマザー・グース・ステークス、コーティリオン・ステークスに続き3つ目のGⅠ勝利。他にガゼル・ステークス(GⅡ)を含めて10戦7勝2着2回、古馬牝馬の頂点を目指します。

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