降格されたノアイユ賞

復活祭(今年は4月20日)が明けた月曜日、フランスのロンシャン競馬場でノアイユ賞 Prix Noailles (GⅢ、3歳、2100メートル)が行われました。このクラシック・トライアルは、パターン・レース・システムが導入された1971年からずっとGⅡに格付けされてきましたが、今年からGⅢに降格されています。
1878年に創設され(最初はナボブ賞 Prix Nabob として)、戦争中の休止を挟んで今年が131回目となる歴史がありますが、過去の勝馬にはフランス競馬を彩った多くの名馬が名を連ねてきました。しかし近年の番組改編から徐々にステイタスを失い、最近の勝馬にも目立った名前は見見出せません。

今年は good の馬場に僅か5頭立て。多くがG戦初出走のメンバーで、唯一前走ラ・フォース賞(GⅢ)に勝ったガイロ・チョップ Gailo Chop が7対10の断然1番人気に支持されています。
前走は6番人気で好位から抜け出したガイロ・チョップ、今回はスタートから主導権を取っての逃げ切り勝ちでした。1馬身4分の1差で2着は4番人気(129対10)のアヴェンタドール Aventador 、更に2馬身半差で3番人気(7対2)ガランテ Gallante が3着。小林智厩舎のバル・ド・フランス Bal de France も出走していましたが、終始後方のまま5着最下位に終わっています。

アントワーヌ・ド・ウォトリガン厩舎のガイロ・チョップ、今回も若手のジュリアン・オージュ騎乗。ラ・フォース賞のレポートでも紹介しましたが、ガイロ・チョップはせん馬のためクラシックには出走権が無く、出られる条件のG戦を今のうちに勝っておこうという戦略でしょう。しかしレース後、ウォトリガン師は同馬のアメリカ遠征を発表、ベルモント・ステークス挑戦を宣言しました。師にとって海外遠征は初めてとなるそうです。
アメリカのクラシックにはせん馬にも出走権利があり、改めて様々な選択肢があると感心しました。凋落するノアイユ賞に新たな歴史を刻むことが出来るかに注目しましょう。

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