姉を追って
ケンタッキー・ダービーの翌日、日曜日のアメリカ競馬はサンタ・アニタ競馬場でG戦一鞍が組まれていました。
ハネムーン・ステークス Honeymoon S (芝GⅡ、3歳牝、9ハロン)。ハリウッドでは6月初旬に行われていたレースですが、サンタ・アニタに移行した今回からは1か月前倒ししての開催です。ハリウッドで62年の歴史を持ち、ハンデ戦として開催されてきましたが、今年はレース名も「ステークス」と改名され、G戦勝馬も未勝利馬も全馬117ポンドと同一斤量で行われます。
馬場は firm 、1頭取り消しがあり6頭立て。前走プロヴィデンシア・ステークス(芝GⅢ)に勝ったナショバズ・ゴールド Nashoba’s Gold が3対5の1番人気に支持されていました。
プロヴィデンシアでは2着だった2番人気(9対5)のディヴァーシー・ハーバー Diversy Harbor がハナを叩きましたが、向正面ではこれを交わしてワン・モア One More が先頭で逃げます。ナショバズ・ゴールドは後方2番手を追走。直線、先行3頭の外から追い上げた本命馬、最後方から追い込む伏兵(29対1、最低人気)スイート・ブリス Sweet Bliss に1馬身差を付けて人気に応えました。ハナ差で2番手から粘ったディヴァーシー・ハーバーが3着。
カーラ・ゲインズ厩舎、ジョセフ・タラモ騎乗のナショバズ・ゴールドは、2月にデビュー勝ちした馬で、3月の一般ステークス(チャイナ・ドール・ステークス)ではディヴァーシー・ハーバーの2着。そして前走G戦で雪辱し、これで通算4戦3勝2着1回となります。
ところで彼女の半姉ナショバズ・キー Nashoba’s Key はデビューから7連勝した女傑で、イエロー・リボン、ヴァニティー、サンタ・マルガリータとGⅠに3勝した名馬。残念ながらゲート内の事故で安楽死処分となった悲劇のヒロインでもありました。ナショバズ・キーは妹同様ゲインズ師が調教した馬で、タラモも騎乗していましたから、どうしても姉を思い出してしまうようです。妹(父スマート・ストライク Smart Strike)も姉(父シルヴァー・ホーク Silver Hawk)を追ってGⅠホースに成長して行くでしょうか。
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