母の日のG戦3鞍
5月11日の日曜日は母の日、アメリカでも豪華にG戦3鞍が行われました。アメリカでは土曜日がメインとなるのが普通ですが、今週はニューヨークのベルモント・パーク競馬場でも土曜日以上のプログラムが用意されていました。
そのG戦、順に紹介すると、先ずはウェストチェスター・ステークス Westchester S (GⅢ、4歳上、8ハロン)。去年までは4月末に3歳上の条件で施行されていましたが、今年は母の日開催、good の馬場に僅か4頭立てとメンバー的には寂しい一戦です。しかし中心になる去年のベルモント・ステークス馬パレス・マリス Palace Malice 登場とあって見どころは充分、1対20というほとんど配当にもならない圧倒的1番人気を集めていました。
4頭立てと言うこともありレースはシンプル、最も人気の無い(24対1)アイム・ステッピン・イット・アップ I’m Steppin’ It Up が逃げて、パレス・マリスは3馬身差の3番手。持ったままの楽走で先頭に立ち直線に入ると、後は独壇場。最高からの競馬を選択した完全に着狙いの2番人気(9対1)デクランズ・ウォリアー Declan’s Warrior に9馬身4分の3差を付けるオッズ通りの圧勝でした。1馬身半差で逃げたアイム・ステッピン・イット・アップが3着。
トッド・プレッチャー厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のパレス・マリスは、去年3歳の締め括りをBCクラシック6着で終えると、今期はガルフストリーム・パーク・ハンデ(GⅡ)、ニュー・オーリーンズ・ハンデ(GⅡ)と連勝し、これでG戦3連勝。6月7日にここベルモントで行われるメトロポリタン・ハンデ(GⅠ)に向けてほとんど調教代わりのトライアルを終えました。
続いてラフィアン・ハンデキャップ Ruffian H (GⅡ、4歳上牝、8ハロン)。去年は4月のアケダクトで施行、やはり3歳上の条件でしたが、今年は4歳上。6頭が出走し、僅かの差で去年のブラック・アイド・スーザン(GⅡ)勝馬フィフティーシェイズオブヘイ Fiftyshadesofhay が8対5の1番人気。同じオッズに去年のこのレース2着馬で、今期バーバラ・フリッチー・ハンデ(GⅡ)に勝ったマイ・ワンディーズ・ガール My Wandy’s Girl が続きます。
レースはシックス・クィーンズ Six Queens が逃げ、フィフティーシェイズオブヘイは後方2番手からの競馬。直線、内から外に出した本命馬は、最後の50ヤードで漸くエンジンが掛かって一気に末脚を爆発させると、ほぼ13か月振りとなるGⅠ馬グレース・ホール Grace Hall (5対1、3番人気)に4分の3馬身差を付けて人気に応えました。ハナ差で2番手を追走していたマイ・ワンディーズ・ガールが3着。
ボブ・バファート厩舎、またもジョン・ヴェラスケス騎乗のフィフティーシェイズオブヘイは、去年のアイオワ・オークス(GⅢ)以来の勝ち星。その後5連敗が続き、前走サンタ・マルガリータ・ステークス(GⅠ)でも6着に終わっていました。G戦はこれで4勝目。
最後は芝のGⅠ戦、マンノ・ウォー・ステークス Man o’War S (芝GⅠ、4歳上、11ハロン)。これまた去年は3歳上の条件で7月に施行された一戦です。芝コースも馬場は good 、人気の一角になるはずのルカイヤン Lucayan が取り消して6頭立て。芝のGⅡに2勝、4連勝で去年のメルヴィン・ミニュッツ・ハンデを制したアミラズ・プリンス Amira’s Prince が9対5の1番人気。
レースは、ペースメーカーが居ないと見た2番人気(3対1)のイマジニング Imagining が逃げ作戦。アミラズ・プリンスは4番手を追走しましたが、伸び脚不発、結局イマジニングが後方2番手から追い込む3番人気(9対2)リアル・ソリュージョン Real Solution に4分の3差で逃げ切り勝ちを演じました。更に半馬身差で3番手を進んでいたグランデュア Grandeur が3着、アミラズ・プリンスは最下位敗退です。
クロード・マゴーヒー厩舎、ジョエル・ロザリオ騎乗のイマジニングは、これがGⅠ初勝利。去年の11月にアケダクトでレッド・スミス・ハンデ(芝GⅡ)に勝っており、G戦は2勝目。マゴーヒー師は一昨年のポイント・オブ・エントリー Point of Entry 、去年のボイステラス Boisterous に続きマンノ・ウォー3連覇となります。次走は6月7日のマンハッタン・ハンデ(芝GⅠ)を予定しており、GⅠ2連勝を目指します。
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