１０月４日のアメリカ競馬(１)ニューヨーク編
先週のスーパー・サタデーに続き、今週もＧⅠ戦やＢＣ対象レースが目白押しのアメリカ競馬、とても一本の記事には纏められそうにありませんので、先週に続いて分割スタイルで行きます。
気が向いた所から順不同で、先ずはベルモント競馬場の３鞍から。最初はフリゼット・ステークス Frizette S (ＧⅠ、２歳牝、８ハロン)。勝馬にはＢＣジュヴェナイル・フィリーズへの優先出走権が与えられますが、雨で馬場は悪化、sloppy の泥んこ馬場に７頭が出走し、前走スピナウェイ・ステークス(ＧⅠ)を制したカンド・コマンド Condo Commando が４対５の１番人気。スピナウェイは名物アナのトム・ダーキン氏最後の実況で、あの時も馬場は sloppy でしたっけ。
先手を取ったのはブービー人気(２４対１)のバイ・ザ・ムーン By the Moon 、これを途中で２番人気(２対１)のカヴォーティング Cavorting が交わして逃げましたが、一旦２番手に控えたバイ・ザ・ムーンが再び先頭に立つと、後方２番手から追い込む４番人気(８対１)のワンダー・ギャル Wonder Gal に２馬身４分の１差を付ける逆転劇です。更に１馬身差で２番人気(５対１)のフェザーレッド Feathered が３着、カンド・コマンドは得意のはずの馬場で４着敗退に終わりました。
勝ったバイ・ザ・ムーンは、本命馬が勝ったスピナウェイで２着だった馬。管理する女性調教師ミシェル・ネヴィンにＧⅠ初制覇を齎しました。騎乗したのはホセ・オルティス。７月中旬にサラトガの５．５ハロン戦でデビュー勝ち、スピナウェイ２着を経てこれで３戦２勝。ジックリ調整されながらＢＣを目指します。
続いてもＢＣの対象、こちらはジュヴェナイルの優先出走権の掛かったシャンペン・ステークス Champagne S (ＧⅠ、２歳、８ハロン)。６頭が出走し、他にＧ戦勝馬もいる中、新馬勝ちしたばかりのデアデヴィル Daredevil が８対５の１番人気。馬もそうながら、このレースの３連覇が掛かっているトッド・プレッチャーへの厩舎人気も手伝っていました。
逃げたのはブービー人気(１０対１)のホーリー・ボス Holly Boss 、これを前半４番手、やがて２番手に押し上げたデアデヴィルが捉えると、後方２番手から伸びた３番人気(７対２)アップスタート Upstart に２馬身半差を付けて見事期待に応えました。３着は１２馬身４分の３と大差が付いて最低人気(１８対１)のザ・トラス・オア・エルス The Truth Or Else が飛び込み、サラトガ・スペシャル(ＧⅡ)を制したアイ・スペント・イット I Spent It は最下位敗退。
これがシャンペン・ステークス６勝目となるプレッチャー師、２０１２年のシャンハイ・ボビー Shanghai Bobby 、去年のハヴァナ Havana に続く３連覇達成、ハヴィエル・カステラノが騎乗していました。デアデヴィルは９月１３日にベルモントで６ハロンの新馬戦を２着以下に６馬身４分の１差を付けて圧勝した期待馬。ＢＣでも中心となる存在でしょう。
ベルモント最後のＧ戦は、ＢＣとは直接利害関係のない３歳馬のみによるヒル・プリンス・ステークス Hill Prince S (芝ＧⅢ、３歳、９ハロン)。去年は６月１５日に８ハロン戦として行われていましたが、今年は秋開催に移行されています。天気は急速に回復したようで、馬場こそ soft ながら陽の射す中、１頭が取り消して９頭立て。芝に転向してから好成績、前走サラナック・ステークス(芝ＧⅢ)を制したリング・ウィークエンド Ring Weekend が９対５の１番人気。
レースは６番人気(１３対１)のスムース・ダディー Smooth Daddy が逃げ、４番人気(８対１)シェルドン Sheldon とのハナ争い。これを１番枠スタートから内の４～５番手に待機したリング・ウィークエンド、内ラチ沿いに逃げるスムース・ダディーを巧く外から競り落とすと、外から追い込むブービー人気(３９対１)のダディーズ・キッド Daddy’s Kid を半馬身抑えて人気に応えました。４分の３馬身差で逃げたスムース・ダディーが３着。２着入線のダンケルベルガー騎手からタイトになった最後の競り合いに異議申し立てがありましたが、裁決によって却下、入線通りで確定しています。
グレアム・モーション厩舎、イラッド・オルティス騎乗のリング・ウィークエンドは、春先にタンパ・ベイ・ダービー(ＧⅡ)に勝ってクラシック路線に乗り、プリークネスは５着。その後芝に転向し、サラトガの芝で一般ステークスに２着し、前走のサラナックを制していました。芝コースでは４戦２勝２着２回と全て馬券に絡む好内容です。
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