ダービー対決、世代対決は?

昨日、サンダウン競馬場でクラシック世代と古馬が10ハロンで初対決する注目のエクリプス・ステークスが行われましたが、その前に同じサンダウンから・・・。

good to firm 、所により good の馬場状態で行われたサンダウン、先ずはザ・スプリント・ステークス The Sprint S (GⅢ、3歳上、5ハロン6ヤード)から紹介しましょう。それでも馬場が固いのを嫌って3頭が取り消し9頭立て。5対2の1番人気に支持されたのは、4頭出ていた3歳馬の中からサンダウンの5ハロンに滅法強いワーディー Waady でした。
ジョイント4番人気(7対1)のステッパー・ポイント Stepper Point が逃げましたが、中団の内で待機していたワーディーが残り1ハロンで外に出すと、持ち味の瞬発力を発揮して一気に前を捉え、3番手の内から伸びた3番人気(5対1)の4歳馬ウインド・ファイア Wind Fire に半馬身差を付けて人気に応えました。2馬身差でジョイント8番人気(25対1)のスピリット・クォーツ Spirit Quarts が2番手追走を粘っての3着。最後の叩き合いはゴッチャの混戦となり、2着馬に騎乗していたオイジン・マーフィー騎手は不注意騎乗で9日間の騎乗停止処分を受けています。

ジョン・ゴスデン厩舎、ポール・ハナガン騎乗のワーディーは、前走同じ競馬場の同じ距離で行われたリステッド戦(スカリー・ステークス)に続く連勝で、サンダウンの5ハロン戦は何と4戦4勝。レース前の発汗が酷くファンを心配させましたが、大好きだという日本製の頭巾を装着してG戦初勝利を射止めました。次は愈々来月のヨークで行われるナンソープ・ステークスでGⅠ制覇に挑みます。

そして注目のエクリプス・ステークス Eclipse S (GⅠ、3歳上、1マイル2ハロン7ヤード)。事前の登録では仏ダービー馬ニュー・デイ New Day の名前もありましたが、残念ながら月曜日に取り消しが発表され、英仏ダービー馬の対決という見所は無くなってしまいました。
それでも出馬は5頭。もちろん今年のダービー馬で無敗のゴールデン・ホーン Golden Horn 登場と、前年の仏ダービー馬で前走不利もあってロイヤル・アスコットでは2着に終わった古馬代表のザ・グレイ・ギャッツビー The Grey Gatsby の対決が最大のポイント。前者が4対9の2倍を切る1番人気に支持され、後者は7対2の2番人気。3歳馬の挑戦はダービー馬唯1頭だけでした。

スタートで出遅れたゴールデン・ホーン、それでも逃げ馬のいないここでは先手必勝とばかり先頭を奪っての逃げ作戦。今まで経験の無かった戦法でスタンドを沸かせます。もちろん相手のザ・グレイ・ギャッツビー、これをマークして2番手に付け、馬なりで本命を追う展開。
勝負所、手応え充分の古馬が本命に並び掛け、このまま交わすかと見えた瞬間、ゴールデン・ホーンの闘争心に火が点いたか、そこからは二の足を使ってライヴァルを引き離し、ゴールでは3馬身差を付けて無敗を守りました。更に4馬身半差が付いてジョイント3番人気(10対1)で勝馬と同じゴスデン厩舎のウエスタン・ヒム Western Hymn が3着。今年の3歳馬のレヴェルの高さが、10ハロンのGⅠ戦でも見事に証明されています。

この日のG戦ダブルとなるジョン・ゴスデン師、フランキー・デットーリ騎乗のコンビはダービーと同じ。デビュー戦とダンテ・ステークスだけはウイリアム・ビュイックが騎乗していましたが、デットーリにとってはこれがエクリプス3勝目となります。ゴスデン師は2012年のナサニエル Nathaniel に続き2勝目。またダービー/エクリプス・ダブルは、戦後5頭目。タルヤー Tulyar 、ミル・リーフ Mill Reef 、ナシュワン Nashwan 、シー・ザ・スターズ Sea the Stars に続く快挙でもあります。
そしてゴールデン・ホーンの次走、順当なら今月末のキングジョージと言うことになりそうで、オッズは6対4から2倍を切る4対6までブックメーカーによって様々。ここをパスしてヨークのジャドモント・インターナショナルという路線も考えられるでしょう。デットーリも明言していましたが、未だ底を見せていない同馬、距離もレース振りも限界は無さそうに思われます。
凱旋門賞には登録が無いので高価な追加登録料を支払う必要がありますが、陣営は前向き。この勝利でオッズは7対2から9対2とバラつきはありますが、現時点ではトレーヴ Treve の2番人気に上がってきました。実現すれば今年の凱旋門賞、トレーヴ対ゴールデン・ホーンが最大の話題で、3歳対古馬、牡馬対牝馬、そしてフランス対イギリスということにもなり、人気は更に過熱しそうな雰囲気です。

最後に英国からもう一鞍のG戦、ヘイドック競馬場で行われたランカシャー・オークス Lancashire Oaks (GⅡ、3歳上牝、1マイル3ハロン200ヤード)をレポートしましょう。こちらは木曜日に雨が降って馬場は good to soft 、1頭が取り消して10頭立て。前走同じヘイドックのピナクル・ステークス(GⅢ)に勝ったミス・マージュリー Miss Marjurie が3対1の1番人気。オークスとは言いながら3歳馬は1頭だけ、未勝利馬で人気にはなっていません。
先ずジョイント7番人気(20対1)のラストラス Lustrous が飛び出しましたが、2ハロン行った地点で同じジョイント7番人気のモーメンタス Momentus が交わしての逃げ。直線に入って直ぐに逃げ馬がバテると、ここからは入れ替わり立ち代わり先頭が交替する激戦となりましたが、中団からタイミング良く最後に追い上げた2番人気(7対2)のレディー・ティアナ Lady Tiana の末脚が勝り、一旦控えてから盛り返したラストラスに4分の3差で優勝。ミス・マージュリーも一旦は先頭に立つシーンもありましたが、首差の3着に終わっています。

勝馬を管理するルーシー・ウォーダム夫人は、これが馬共々G戦初勝利。騎乗したグレアム・リー騎手は、去年のポモロジー Pomology に続く連覇となりました。同馬は前走ピナクル・ステークスは本命ミス・マージュリーの3着していた4歳馬で、昨シーズンはノッティンガムのハンデ戦、ドンカスターのリステッド戦2連勝で締め括り、今期初戦はフランスに遠征(アレ・フランス賞GⅢ)して6着、これがシーズン3戦目に当たっていました。

 

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