ファーブル師のシャンティー・ダブル

パリ地区の2大競馬場の一角、シャンティー競馬場も秋競馬に突入しました。昨日は good to soft の馬場で2歳のG戦が2鞍行われました。

最初はマルセル・ブーサック賞のトライアル、来年のギニーを見据えたオマール賞 Prix d’Aumale (GⅢ、2歳牝、1600メートル)。7頭立が出走し、6月のシャンティーで新馬戦を楽勝(グィヨン騎乗)した評判の高馬アル・ナーマー Al Naamah が6対5の1番人気。来年の1000ギニー候補としてオッズを提示しているブックメーカーもあるほどで、アンドレ・ファーブル厩舎は英国からペースメーカーを移籍させ、今回はデットーリを鞍上に万全の態勢で臨んでいました。
本命馬のペースメーカーを務める4番人気(13対2)のシャーハー Shahah はスタートで出遅れましたが、直ぐに失地を回復すべく押して押して先頭。アル・ナーマーは中団で抜け出す機を窺います。残り2ハロン、勝負所で本命に騎乗するデットーリが仕掛けても何故か反応無し。結局6着と大敗してしまいました。前日凱旋門賞で騎乗する筈だったトレーヴ Treve から外されたデットーリ、鞍上の気分が馬にも伝わったのでしょうか。
アル・ナーマーが喘ぐ中、シャーハーは2番人気(17対5)のナイト・オブ・ライト Night of Light に1馬身4分の1差で逃げ切り勝ち。更に1馬身4分の1差で最低人気(152対10)のサンキュー・バイバイ Thank You Bye Bye という奇妙な名前の馬が3着に入っています。

アンドレ・ファーブル厩舎は、本命馬でなくペースメーカーでの勝利、勝馬にはピエール=シャルル・ブードーが騎乗していました。シャーハーは前走まで英国のリチャード・ハノン厩舎に所属していた馬で、出走馬中唯1頭の未勝利馬。前走もチェプトウという小さな競馬場の未勝利戦で3着と全く目立たない馬でした。表現は相応しくありませんが、拾い物のG戦勝利と言えましょうか。

昨日のもう一鞍は歴史の古いダレンベルク賞 Prix d’Arenberg (GⅢ、2歳、1100メートル)。来年のクラシックというより短距離路線を歩む馬を探すレースでもあります。牡馬2頭、牝馬4頭の6頭立て。こちらもアンドレ・ファーブル厩舎の牝馬ハイ・セレブリティー High Celebrity が7対10の1番人気に支持されていました。鞍上はデットーリではなく、マキシム・グィヨン。前走で態々ニューマーケットに遠征し、ダッチェス・オブ・ケンブリッジ・ステークス(GⅡ)で1番人気になりながら不利があって2着に敗れていました。

ディクタ・デル・マー Dikta Del Mar が逃げ、2番人気(37対10)の牡馬シティー・マネー City Money が2番手。中団に付けたハイ・セレブリティーは、今回は確実に末脚を活かすと、先に抜けたシティー・マネーを1馬身4分の3差捉えて快勝。短頭差で3番人気(67対10)のスーヴェニア・デロンドル Souvenir Delondres が3着に入り、順当な結果でした。
アンドレ・ファーブル厩舎は、この日のG戦ダブル達成です。ハイ・セレブリティーは6月20日にシャンティーで新馬勝ちし、2戦目が上記ニューマーケット遠征。この後は未定ですが、アベイ・ド・ロンシャンで古馬に挑むのか、来年のクラシックを見据えてスタミナを試すのか、今後に注目しましょう。

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