今年もメゾン=ラフィットのギニー・トライアル

毎年4月初めにフランスのメゾン=ラフィット競馬場で行われる二つのギニー・トライアル、日記のタイトルも毎年同じなので、今回は「今年も」という修飾を付けてみました。

2015年の馬場は very soft 、出走メンバーを見渡すと明らかに牝馬版のレヴェルの方が高いと思われます。そのアンプルーダンス賞 Prix Imprudence (GⅢ、3歳牝、1400メートル直線)は1頭が取り消して13頭立て。去年のマルセル・ブーサック賞(GⅠ)で2着し、フランスの牝馬クラシック最有力候補のエルヴェディヤ Ervedya が9対5の1番人気に支持されていました。
スペインから遠征してきたヴァモス・エスパーニャ Vamos Espana 、パンタル厩舎のケヌースカ Kenouska などがハナを争う中、これを外から見るような形で進んだエルヴェディヤが期待通りの末脚を発揮し、後方から追い込む4番人気(7対1)で去年のミエスク賞(GⅢ)アメーナー Ameenah に1馬身4分の3差を付けて快勝、フランス最強3歳牝馬の地位を守っています。2馬身差で2番人気(41対5)のクィーン・ビー Queen Bee が順当に3着。

エルヴェディヤを管理するジャン=クロード・ルジェ調教師は、これでアンプルーダンス賞は7年間で4勝目。クリストフ・スミオンが騎乗していました。1000ギニーのオッズはレース前の16対1から10対1に上がりましたが、英仏どちらのギニーに向かうかは未定です。現時点では、この馬をマルセル・ブーサック賞で破ったオブライエン厩舎のファウンド Found が1000ギニーの1番人気であることに変りはありません。
デビューからカブール賞(GⅢ)まで3連勝、モルニー賞(GⅠ)は牡馬に挑戦して3着、シーズン終戦のマルセル・ブーサックで2着したエルヴェディヤは、今のところフランスの牝馬には負けていません。英仏何れに参戦するにせよ、人気の一角になることは間違いないでしょう。

一方牡馬によるジェベル賞 Prix Djebel (GⅢ、3歳牡せん、1400メートル直線)は10頭立て。去年のジャン=リュック・ラガルデール賞(GⅠ)を審議で拾ったフル・マスト Full Mast は参戦せず、5対2の1番人気には新馬と条件戦に2歳時2戦2勝のメイク・ビリーヴ Make Believe が選ばれていました。
レースは4番人気(73対10)のスイート・リヴェンジ Sweet Revenge が逃げましたが、馬場も重く、例によってスローペース。メイク・ビリーヴも先行馬群の中から抜け出して先頭に立ちましたが、最後方に付けていた3番人気(56対10)のライド・ライク・ザ・ウインド Ride Like The Wind が急襲、ゴール寸前で本命馬を頭差で差し切っていました。1馬身4分の3差3着にはブービー人気(27対1)のサー・アンドリュー Sir Andrew が入り、フランスの3歳牡馬は大混戦状態であることを証明する結果になっています。

フレディー・ヘッド厩舎、ミケール・バルザロナ騎乗のライド・ライク・ザ・ウインドは、2歳の7月にメゾン=ラフィットの新馬戦でデビュー勝ち。続いてカブール賞(GⅢ)4着、モルニー賞(GⅠ)6着とG戦では歯が立たず、2歳の終戦はロンシャンの条件戦での2着でした。今期は既にドーヴィルの条件戦(タペタ・コース)に走って2着しており、使われた利を活かしたG戦初勝利と言えましょう。
2000ギニーのオッズは1・2着馬共に25対1が出されましたが、ブックメーカーによってはこの勝利を余り高く評価せず、33対1に留めている所もあるほどです。

 

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