金曜日のGⅠ戦2鞍
4月10日のアメリカG戦は、2鞍のみながら何れもGⅠレース。共に古馬戦線で、芝のマイル戦と牝馬のGⅠと、対照的な2レースでした。
キーンランド競馬場のメイカーズ・46・マイル Maker’s 46 Mile (芝GⅠ、4歳上、8ハロン)は soft の馬場に7頭立て。去年と一昨年このレースを連覇したワイズ・ダン Wise Dan は秋の復活を目指して調整中ということで、どの馬が勝ってもGⅠ戦は初勝利というメンバー。去年のフォート・ラウダーデール・ステークス(芝GⅡ)以来6連敗中ながら、前走フランク・キルロー・マイル(芝GⅠ)で2着しているサマー・フロント Summer Front が6対5の1番人気に支持されていました。
レースは2番人気(4対1)のロング・オン・ヴァリュー Long On Value が逃げ、サマー・フロントは内ラチ沿いの4番手で待機。直線ロング・オン・ヴァリューが内ラチ沿いに切れ込みながら粘ったこともあり、サマー・フロントは前が詰まるような形になり追えない不利もあって6着敗退。進路妨害というより馬に抜け出す脚が無い印象で、審議にはなりませんでした。優勝は、最後方から外を回って追い込んだ3番人気(9対2)のジャック・ミルトン Jack Milton 、5番追走から連れて追い込んだブービー人気(9対1)のアリピーカ Aripeka に2馬身4分の1差を付けていました。頭差でロング・オン・ヴァリューが粘って3着。
共にこの日3勝となるトッド・プレッチャー厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のジャック・ミルトンは、一昨年3歳時には同じキーンランドでトランシルヴァニア・ステークス(芝GⅢ)に勝ち、去年5月にはベルモントのポーカー・ハンデ(芝GⅢ)にも勝っていますが、GⅠは初勝利となります。
金曜日のGⅠ2連発、もう一鞍はオークローン・パーク競馬場のアップル・ブロッサム・ハンデキャップ Apple Blossom H (GⅠ、4歳上牝、8.5ハロン)。開催最終日前日の伝統戦です。fast の馬場に7頭が出走、去年ケンタッキー・オークスとBCディスタッフを制した牝馬チャンピオンのアンタパブル Untapable が1対5の圧倒的1番人気。今期初戦の前走はここオークローンのアゼリ・ステークス(GⅡ)は2着でしたが、一叩きされたこのGⅠ戦での復活に期待が高まっていました。
先手を取ったのは3番人気(10対1)のシュガー・ショック Sugar Shock 、アンタパブルは4番手に付けます。第3コーナー手前で3番手に上がったアンタパブル、第4コーナーで逃げるシュガー・ショックに並び掛けると、直線はチャンピオンの走り。5番手から追走する最低人気(50対1)のディーヴァズ・ダイアモンド Diva’s Diamond に2馬身半差を付けて復活の狼煙を挙げました。首差で2番人気(9対2)、アゼリ・ステークスでアンタパブルを破ったゴールド・メダル・ダンサー Gold Medal Dancer が3着に入っています。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、ジョン・ヴェラスケス騎乗のアンタパブルは、これで13戦9勝。GⅠは上記オークスとBCの他にマザー・グース・ステークス、コーティリオン・ステークスも制しており、これが5つ目のタイトルとなりました。他にも2歳時のポカホンタス・ステークス(GⅡ)、クラシック前哨戦のレーチェル・アレクサンドラ・ステークス(GⅢ)、フェア・グラウンズ・オークス(GⅡ)を含めてG戦は8勝目。未だ4歳、今期はこの後いくつのタイトルを積み重ねて行くかに大きな注目が集まるでしょう。
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