ボール・ダンシング、GⅠ初制覇

4月も残り3週、未だダービー・オークスに間に合うタイミングとあって、昨日もアメリカ各地でG戦が行われました。全部で8鞍と数も多いので、今回も二つに分けてレポートして行きましょう。

先ずはアケダクト競馬場から行きましょう。G戦はトップ・フライト・ハンデキャップ Top Flight H (GⅢ、4歳上牝、9ハロン)一鞍。このレースはアメリカの重賞競走でも最も歴史あるレースの一つで、かつては全米からトップクラスの古馬牝馬が参戦したものでした。しかしレース体系は次第に変化し、グレードもⅠから遂に今年はⅢにまで降格してしまいました。往年の面影無し。fast の馬場に1頭が取り消して8頭立て。出走馬中唯1頭のG戦勝馬ハウス・ルールズ House Rules が2対5の断然1番人気。
レースは5番人気(12対1)のシェイジョリー Shayjolie が飛び出しましたが、向正面では3番人気(8対1)のアミュレイ Amulay が替って先頭に立っての逃げ。しかし一旦2番手に下げたアミュレイが再びハナを奪って第4コーナーに入り、3番手から並び掛ける2番人気(9対2)ビフォア・ユー・ノウ・イット Before You Know It の叩き合い。この2頭で決まるかと思われましたが、前半4番手から大外を回ったハウス・ルールズが漸く加速し、ゴール手前で2頭を半馬身捉えて何とか人気に応えました。2着は頭差でビフォア・ユー・ノウ・イットが制し、シェイジョリーが3着。
ジェームス・ジャーケンス厩舎、ジュニア・アルヴァラード騎乗のハウス・ルールズは、今年2月にガルフストリームのランパート・ステークス(GⅢ)に優勝し、前走3月のロイヤル・デルタ・ステークス(GⅡ)でも堅実に2着を確保していました。これでGⅢに2勝となります。

キーンランド競馬場ではG戦4鞍、そのトップ・バッターはベン・アリ・ステークス Ben Ali S (GⅢ、4歳上、9ハロン)。fast の馬場に6頭が出走し、今期デビューの前走ドン・ハンデ(GⅠ)は惨敗に終わったものの、前シーズンをディスカヴァリー・ハンデ(GⅢ)優勝で終えたプロトニコ Protonico が4対5の1番人気。
先行する馬がいないのを見越してスタートから先頭に立ったプロトニコ、思惑通りの鮮やかな逃げ切り勝ちで、3番手追走の5番人気(12対1)ネックン・ネック Neck’n Neck に5馬身の大差を付けていました。更に2馬身半差で最低人気(17対1)のエイミーズ・ホリデー Ami’s Holiday が3着。
トッド・プレッチャー厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のプロトニコが逃げ切り勝ちを決めたのは、2013年のデビュー勝ち以来のこと。G戦は去年秋のスマーティー・ジョーンズ・ステークス(GⅢ)と、上記ディスカヴァリーに続いて3勝目となります。

キーンランドの二つ目は、古馬牝馬の芝GⅠ戦ジェニー・ワイリー・ステークス Jenny Wiley S (芝GⅠ、4歳上牝、8.5ハロン)。yielding の芝コースに2頭が取り消して6頭立て。去年秋のキーンランドでクィーン・エリザベスⅡ世チャレンジ・カップ(芝GⅠ)2着のボール・ダンシング Ball Dancing が8対5の1番人気。
4番人気(5対1)のエデン・プレーリー Eden Prairie が逃げ、ボール・ダンシングは3番手追走。向正面中程では一旦4番手に下げ、後方2番手を進んだ2番人気(2対1)のフリンビ Flimbi と並んでスパートすると、直線では持ち味の瞬発力を発揮、フリンビに2馬身半差を付けて人気に応えました。去年の勝馬で3番人気(3対1)のハード・ノット・トゥー・ライク Hard Not to Like が首差の3着、2・3着は共に芦毛馬です。
チャド・ブラウン厩舎、前走に続きG戦ダブルとなるハヴィエル・カステラノ騎乗のボール・ダンシングは、前走が今期デビューのヒルスボロー・ステークス(芝GⅢ)3着。去年9月のサンド・ポイント・ステークス(芝GⅡ)を制しており、待望のGⅠ初勝利となりました。

キーンランド最後はレキシントン・ステークス Lexington S (GⅢ、3歳、8.5ハロン)。ケンタッキー・ダービーへのポイント対象最後のレースで、ポイントも低く勝馬には10ポイントが加算されます。7頭が出走し、3月14日にデビュー戦を勝っただけのドンワース Donworth が8対5の1番人気に支持されていました。
レースは2番人気(5対2)の一角フェイム・アンド・パワー Fame and Power が逃げ、ドンワースは2番手追走。しかし内の3番手に付けていた並んだ2番人気のディヴァイニング・ロッド Divining Rod が第4コーナーで外に出すと、先行3頭の叩き合いを制し、2着争いに3馬身差を付けて優勝。写真判定の2着争いはハナ差でドンワースに軍配が挙がり、フェイム・アンド・パワーが3着。
アルノー・デラクール厩舎、ジュリアン・ルパルー騎乗のディヴァイニング・ロッドは、サム・デイヴィス・ステークス(GⅢ)で2着、タンパ・ベイ・ダービー(GⅡ)は3着しており、これで10ポイントを獲得してポイント数は20に。これは現時点で21位、上位1頭が断念すれば出走可能な位置ですが、オーナーはダービー不参加を表明しました。

 

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