ウェルザイマー兄弟の仏オークス候補

昨日はサン=クルー競馬場で今年最初のフランス・オークスへのトライアルとなるペネロープ賞 Prix Penelope (GⅢ、3歳牝、2100メートル)が行われました。馬場は good 。

ところがコース上では競馬場で働く労働者たちの組合がストライキを行い、予定されていた番組は30分ほどスタートが遅れたようです。
ユーロ圏諸国はどこも同じで、政府の財政緊縮策によって賃金は下げられ労働条件は悪化。その一方でフランス・ギャロは1億6千万ユーロもかけてロンシャン競馬場の改築を予定しているということに我慢がならなかったようです。こうした抗議行動は更にエスカレートすることが予想され、少なくともフランス競馬には暗雲が立ち込めているのです。

さてペネロープ賞は6頭立て。3月10日に同じサン=クルーで新馬勝ちしたばかりのクィーンズ・ジェウェル Queen’s Jewel が19対10の1番人気に支持されていました。
レースはスミオン騎乗の4番人気(58対10)スターシック Starsic が逃げましたが、中団で待機したクィーンズ・ジュエルが残り2ハロンでスパート、最後の1ハロンで抜けると、やはり中団から伸びた最低人気(107対10)のスプリング・リーフ Spring Leaf に1馬身4分の3差を付けて期待に応えました。更に1馬身半差でこれも5番人気(36対5)の人気薄プリンセス・チャーム Princess Charm が最後方から追い込んで3着。

3歳デビューから2連勝、無傷でG戦を制したクィーンズ・ジュエルは、フランスの名門ウェルザイマー兄弟の持ち馬で、このオーナーとは縁の深いフレディー・ヘッド厩舎でマクシム・グィヨン騎乗。もちろん目標は仏オークスで、このあとは同じサン=クルーのクレオパトラ賞(GⅢ)か、ロンシャンのサン=タラリ賞(GⅠ)を叩いて本番に向かう予定です。
フレディー・ヘッドと言えばイヴァンジカ Ivanjica で1975年の仏1000ギニーを制し、人気で勝つはずだった仏オークスがストライキで中止になった苦い経験があります。しかし師にはそんな感傷は無用のようで、あくまでも今年のクラシック制覇を強調していました。

 

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