GⅢウィーク
昨日のアメリカ競馬レポートに入る前に、前回報告したローン・スター・パーク競馬場のテキサス・マイル・ステークスですが、その後5月1日に順延されて施行されることが発表されました。この日はケンタッキー・オークス当日でそこまで目が回るか不安ですが、何とか結果だけでも紹介したいと考えています。
さて昨日はダービー・ウィークの1週前とあって、シーズン真っ盛りながら各競馬場も嵐の前の静けさ状態。4つの競馬場で夫々一鞍づつのG戦が行われましたが、金曜日から日曜日までは全てGⅢ戦ということで、GⅢウイークとでも呼んでおきましょう。
ということでGⅢ4連発の最初はアケダクト競馬場のエクセルシオ・ステークス Excelsior S (GⅢ、4歳上、10ハロン)。去年は3月に3歳上の9ハロン戦として行われていますが、今年は時期も条件も僅かながら変わりました。fast の馬場に2頭が取り消して6頭立て。去年のウッド・メモリアル(GⅠ)勝馬で、今期デビューのガルフストリーム・パーク・ハンデ(GⅡ)4着を叩かれたウィックド・ストロング Wicked Strong が3対5の断然1番人気。
レースは4番人気(8対1)のレッド・ライフル Red Rifle が逃げ、ウィックド・ストロングは2番手追走。逃げ馬に本命馬が並び掛けながら直線に入りましたが、ウィックド・ストロングは瞬発力が無く却って遅れ気味。先行2頭を5番手で追走していた2番人気(6対1)のエフィネックス Effinex が直線では両馬の外から追い上げ、粘るレッド・ライフルに4分の3馬身差を付けて優勝。ウィックド・ストロングは2頭から2馬身4分の1差離された3着に終わりました。
勝ったエフィネックスは、本命馬と同じジェームス・ジャーケンス師の管理馬で、こちらはエンジェル・アローヨ騎乗。去年ニューヨーク産馬限定のステークス(エンパイア・クラシック)の勝馬で、今期初戦となった前走アローワンス戦に続く2連勝でG戦初勝利となりました。
二つ目はガルフストリーム・パーク競馬場のマイアミ・マイル・ハンデキャップ Miami Mile H (芝GⅢ、3歳上、8ハロン)。去年までカルダー競馬場で行われていたG戦で、去年は雨のためダートに変更され、Gも剥奪されていました。午後の雨で馬場は good 、2頭が取り消して9頭立て、去年の勝馬グランド・ティート Grand Tito が2対1の1番人気。
2番人気(3対1)のストーミング・インティ Storming Inti が逃げ、グランド・ティートは3番手追走。逃げ馬がそのまま粘って直線に入りましたが、本命馬が外からこれを捉えたところ、前半4番手で待機していたブービー人気(21対1)のリラン Rerun が更に外から追い込み、グランド・ティートに半馬身差を付けるサプライズ。更に1馬身半差で最高峰から追い込んだ4番人気(5対1)のシャタック Shatak がゴール直前で逃げ馬を捉えて3着に入りました。
チャド・スチュワート厩舎、ホセ・カラバロ騎乗のリランは、ステークスもG戦も初勝利となる6歳せん馬です。
続いてはゴールデン・ゲート・フィールズ競馬場のサン・フランシスコ・マイル San Francisco Mile (芝GⅢ、3歳上、8ハロン)。good の馬場に8頭が出走し、去年の1・2着馬ペッパー・クラウン Pepper Crown とサマー・ヒット Summer Hit は夫々9対2、7対2(2番人気)の人気。これらを抑えて3対1の1番人気に支持されたジー・ジー・ライダー G.G.Ryder は、去年のバークレー・ハンデ(GⅢ)でペッパー・クラウンの2着していた馬です。
前年2着のサマー・ヒット Summer Hit が逃げ、ジー・ジー・ライダーと2番人気のもう1頭アー・ユー・キッディング・ミー Are You Kidding Me が3・4番手で並び、ペッパー・クラウンは後方に待機する展開。直線、逃げ馬の外を通ったジー・ジー・ライダーが逃げ馬を半馬身差捉えて優勝し、サマー・ヒットは又しても2着(3年連続2着!)。2頭の更に外を回って追い込んだアー・ユー・キッディング・ミーは更に4分の3差届かず3着、去年の勝馬ペッパー・クラウンも良く追い上げましたが更に4分の3差で4着に終わりました。
ワン・ツー・フィニッシュとなったジェリー・ホーレンドルファー厩舎、リカルド・ゴンザレス騎乗のジー・ジー・ライダーは、去年11月末の上記の様にバークレー・ハンデ2着の他、やはり去年ゴールデン・ゲートで一般ステークス(アルカトラズ・ステークス)に勝っていた4歳馬。G戦は初勝利となります。
最後はサンタ・アニタ競馬場から、旧ハリウッド競馬場のプログラムだったラスト・タイクーン・ステークス Last Tycoon H (芝GⅢ、3歳上、10ハロン)。去年は9ハロンで行われましたが、今年は1ハロン伸びての競馬。firm の馬場に国際的な顔ぶれの8頭が出走し、去年のデル・マー・ハンデ(芝GⅡ)勝馬でBCターフにも参戦したビッグ・ジョン・ビー Big John B が8対5の1番人気。
レースは6番人気(10対1)のジョーズ・ブレージング・アーロン Joes Blazing Aaron が逃げ、長丁場とあってビッグ・ジョン・ビーは最後方待機策。しかしペースがスローだったか、前半やや離れて2番手を追走していた最低人気(42対1)のシー・セイジ Si Sage が早目に仕掛けて第4コーナーで先頭に立つと、熾烈な2着争いを尻目に3馬身4分の1差を付ける大波乱。4番手を進んだ4番人気(5対1)でブラジル産のガネッシュ Ganesh が、3番手追走2番人気(7対2)でアイルランド産のアベイ・ヴェイル Abbey Vale をハナ差抑えて2着争いを制していました。人気のビッグ・ジョン・ビーは後方のまま最下位惨敗。
ダレル・ヴィエナ厩舎、エルヴィス・トルヒーヨ騎乗のシー・セイジはフランス出身の5歳馬で、2013年から転戦しているアメリカではここまで10戦して勝星が無く、これが初勝利となり、もちろんG戦もステークスも初勝利。アメリカでは去年サンタ・アニタでサン・マルコス・ステークス(芝GⅡ)の2着が最高でした。今回初めて使用したブリンカーが奏功したのでしょう。
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