メモリアル・デイのG戦5鞍

昨日のアメリカはメモリアル・デイの休日で、土日を上回る4つの競馬場で5鞍のG戦が行われました。東海岸から西海岸に向かって順に行きましょう。実際にレースが行われた時間とはズレがあります。
ところで昨日はアメリカ中部が大荒れだったようで、ケンタッキー州とテキサス州は泥んこ馬場で行われていました。

最初はアメリカ中部のチャーチル・ダウンズ競馬場のウイニング・カラーズ・ステークス Winning Colors S (GⅢ、3歳上牝、6ハロン)から行きましょう。雨のため泥田と化した sloppy の馬場に10頭立て。一般ステークスを2連勝中のスプリング・インクルーデッド Spring Included が3対2の1番人気。そろそろG戦に勝つ機が熟したという1頭です。
レースは去年の覇者で2連覇が掛かる2番人気(5対2)のサザン・ハネー Southern Honey が逃げ、スプリング・インクルーデッドはこれが相手と見て2番手追走。しかし先行2頭は馬場にしてはややペースが速かったか、直線では脚色一杯。替って3番手を追走していた4番人気(7対1)のストリート・ストーリー Street Story が前の2頭を外から捉えると、同じく4番手から追い込む5番人気(8対1)のヘイキッティーキッティーキッティー Heykittykittykitty を1馬身半差抑えて優勝。更に1馬身4分の3差3着にスプリング・インクルーデッドが入り、サザン・ハネーは9着大敗で連覇成らず。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、フロラン・ジェルー騎乗のストリート・ストーリーは、前走オークローン・パークの一般ステークス(カルーセル・ステークス)ではスプリング・インクルーデッドの2着に敗れていましたが、去年6月末にベルモントのヴィクトリー・ライド・ステークス(GⅢ)に勝っており、G戦は2勝目、ステークスも4勝目となります。短距離の4歳追い込み馬というキャラクター。

続いてテキサス州に飛び、ローン・スター・パーク競馬場のローン・スター・パーク・ハンデキャップ Lone Star Park H (GⅢ、3歳上、8.5ハロン)。こちらも午後は大荒れで、馬場は sloppy 。6頭の登録がありましたが、唯1頭のテキサス産馬テキサス・エア Texas Air が取り消して5頭立てで行われました。前走オークローン・ハンデ(GⅡ)で2着したカーヴ Carve が4対5の1番人気。相手もその時の3着馬タピチュア Tapiture という評価で、こちらがイーヴンで2番人気。
しかし不良馬場特有の展開となり、人気の2頭で決着とはなりませんでした。結果は3番人気(6対1)マジェスティック・シティー Majestic City の逃げ切り勝ち。3番手から追い上げたカーヴでしたが、逃げ馬にまんまと逃げ切られて2馬身差の2着。最後方に待機したタピチュアも最後で伸びましたが、1馬身半差及ばず3着と小波乱です。
リチャード・バルタス厩舎、チャールズ・ロペス騎乗のマジェスティック・シティーは、2歳時(2011年)にハリウッド・ジュヴェナイル・チャンピオンシップ(GⅢ)をG戦デビューで制して以来のG戦勝ち。その間21戦を重ねましたが、勝ったのは4歳時サンタ・アニタでの一般ステークス(ビッグ・ベア・ステークス)だけという成績。去年はオークローン・パークのレーザーバック・ハンデ(GⅢ)で2着したこともありました。

この日の3場所目は、天候には恵まれたカリフォルニアのサンタ・アニタ競馬場。ここではG戦2鞍が組まれ、先に行われたロサンジェルス・ステークス Los Angeles S (GⅢ、3歳上、6ハロン)は fast の馬場に2頭が取り消して僅か4頭立て。馬券的にも興味の殺がれた一戦です。前走コナ・ゴールド・ステークス(GⅡ)で2着したサン・オノフレ San Onofire (レエゾンしてサンノノフレと読むべきでしょうが)が4対5の1番人気。
各馬一斉のスタートから先手を取った2番人気(2対1)のディスティンクティヴ・パッション Distinctive Passion 、一時は後続に4馬身差を付け、本命馬が迫ってくるのを待ちます。それはゴール前、3番手から追い上げたサン・オノフレが逃げ馬を捉えるかに見えましたが、結局先手必勝、首差でディスティンクティヴ・パッションが逃げ切りました。1馬身4分の1差で3番人気(2対1)のワイルド・デュード Wild Dude が3着。
ジェフ・ボンド厩舎、エドウィン・マルドナード騎乗のディスティンクティヴ・パッションは、去年の12月にサンタ・アニタでミッドナイト・リュート・ステークス(GⅢ)に勝っていた5歳馬。今年も同じサンタ・アニタで一般ステークス(ジョー・ヘルナンデス・ステークス)に勝ってドバイに遠征。現地の短距離GⅠ戦アル・クォーツ・スプリントは足の長い芝コースが合わず16頭立ての13着に惨敗していました。今回はそれ以来の実戦、やはり得意のサンタ・アニタで本領を発揮するタイプなのでしょう。

サンタ・アニタのもう一鞍は、この日唯一のGⅠ戦となるゲイムリー・ステークス Gamely S (芝GⅠ、3歳上牝、9ハロン)。firm の芝に10頭立て、前走今期初戦のキーンランドでアローワンス戦を快勝したフランス産馬ダンザ・カヴァロ Danza Cavallo が3対2の1番人気。
レースは4番人気(8対1)でサンタ・アニタの芝コースは4戦して3着以下が無いというファンティコラ Fanticola が逃げ、ダンザ・カヴァロは5番手追走。しかし得意のコースとあってファンティコラは直線でも脚色は衰えませんでしたが、前半6番手を進んでいた2番人気(7対2)のハード・ノット・トゥ・ライク Hard Not to Like が直線、良く開いたなと思われる最内ラチ沿いを抜け、逃げ馬を首差捉えての劇的な勝利。半馬身差で終始2番手を追走していたブービー人気(25対1)のブリングイズマイシング Blingismything が3着に粘り込み、ダンザ・カヴァロも後半追い上げたものの5着まで。
クリストフ・クレメント厩舎、ヴィクター・エスピノザ騎乗のハード・ノット・トゥ・ライクは、去年のジェニー・ワイリー・ステークス(芝GⅠ)に続くGⅠ戦2勝目。その後休養し、今期初戦の前々走タンパ・ベイ競馬場のエンデヴァー・ステークス(芝GⅢ)では1着で入線しながら進路妨害で2着に降着。続く前走ジェニー・ワイラーは2連覇を目指したものの3着に終わっていました。

最後は北カリフォルニアで、最も西に位置するゴールデン・ゲート・フィールズ競馬場のオール・アメリカン・ステークス All American S (GⅢ、3歳上、8ハロン)。タペタ・コースに1頭が取り消して8頭立て。一昨年と去年、このレースを2連覇しているサマー・ヒット Summer Hit が9対5の1番人気に支持され、同一レース3連覇に期待が掛かります。
そのサマー・ヒットが果敢に先頭に立って逃げ切りを図りましたが、4番手を追走していた2番人気(5対2)のジー・ジー・ライダー G. G. Ryder が抜け出し、同じオッズで並んでいた同厩のアウトサイド・ナッシュヴィル Outside Nashville に1馬身4分の1差を付けて優勝。半馬身差で4番人気(6対1)のペッパー・クラウン Pepper Crown が3着に入り、サマー・ヒットは5着敗退。
ワン・ツー・フィニッシュとなったジェリー・ホーレンドルファー厩舎(本命馬も師の管理馬)、リカルド・ゴンザレス騎乗のジー・ジー・ライダーは、前走同じゴールデン・ゲートのサン・フランシスコ・マイル(芝GⅡ)に続くG戦2連勝。前走は芝コースでしたが、今回は芝馬でも好成績を挙げられるオール・ウェザーのタペタ・コース、足元は違えど堂々の連勝です。

 

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