デル・マー競馬場の夏開催が開幕

今週の土曜日、アメリカは夏開催がスタートしたカリフォルニアのデル・マー競馬場を含め、久々にGⅠ戦が2鞍、4つの競馬場で6鞍のG戦が行われました。

最初はデラウエア・パーク競馬場から行きましょう。先ずケント・ステークス Kent S (芝GⅢ、3歳、9ハロン)ですが、去年は9月に施行されていた一戦。今年は1頭が取り消して7頭が出走しましたがG戦勝馬の姿はなく、どれが勝ってもグレード・レース初勝利と言うメンバーです。2歳時にガルフストリーム・ウエストで一般ステークスに勝ったことがあるチーフ・キッテン Chief Kitten が2対1の1番人気。
4番人気(6対1)のマイ・チーム My Team が逃げ、チーフ・キッテンは後方。直線、先行2頭を3番手で追走していた3番人気(5対2)のシンタックス Syntax が外から捉えると、5番人気(8対1)マネー・マルチプライアー Money Multiplier の追い上げを半馬身抑えて優勝。更に1馬身4分の3差で最低人気(35対1)のティズ・マイ・ヴァレンタイン Tiz My Valentine が3着に入り、チーフ・キッテンは7着敗退。
ウイリアム・モット厩舎、ジュニア・アルヴァラード騎乗のシンタックスは、前走ベルモントのアローワンス戦で初勝利を挙げての参戦で、これがステークス初挑戦。去年アイルランドでデビューした馬で、ヨーロッパで2戦したのちにアメリカに転戦してきた1頭です。これで2連勝。

デラウエアの二つ目は、一昨年にGⅠ格上げされたデラウエア・ハンデキャップ Delaware H (GⅠ、3歳上牝、10ハロン)。fast の馬場に7頭が出走し、去年GⅠのアシュランド・ステークス(1着同着)に勝ち、今年も5月にシープスヘッド・ベイ・ハンデ(芝GⅡ)に勝っているロザリンド Rosalind が9対5の1番人気に支持されていました。
3番人気(9対2)で前走フレール・ド・リ・ハンデ(GⅡ)に勝っているフリヴォラス Frivolous が逃げましたが、2番手を追走した2番人気(5対2)でフレール・ド・リでは2着だったシーア・ドラマ Sheer Drama が第4コーナーで逃げ馬に外から並び掛けると、直線は2頭のマッチ・レース。最後はライヴァルを2馬身突き放してシーア・ドラマが前走の雪辱を果たしました。3馬身4分の3差3着にはアメリカ America が入り、ロザリンドは一旦4番手まで押し上げるも5着に敗れています。
デヴィッド・ホークス厩舎、ジョー・ブラーヴォ騎乗のシーア・ドラマは、今年初めにガルフストリームでロイヤル・デルタ・ステークス(GⅡ)に勝った後、2着を4回続けていました。次走が何になるかは未定ですが、目標は秋のBCディスタッフ。このレースは優先出走権の対象レースではありませんでしたが、GⅠ初制覇を果たした今、これからは秋の大一番へ向けてのローテーションを歩むことになるでしょう。半兄のビッグ・ドラマ Big Drama はBCスプリントの勝馬。

昨日の2場目はアーリントン・パーク競馬場。去年は5月の開催だったハンシン・カップ Hanshin Cup (GⅢ、3歳上、8ハロン)です。もちろん阪神競馬場のアーリントンカップとの姉妹レース。ポリトラック・コースに2頭が取り消して7頭立て。直前の雨が上がるのを待ってのスタートとなりました。このコースで4勝と得意にしているホギー Hogy がイーヴンの1番人気。
そのホギーがスタート良くハナに立ちましたが、出遅れた4番人気(5対1)のミッドナイト・シーロ Midnight Cello が内からスルスルと上がって先頭を奪います。そのままホギーを寄せ付けず、5番手から伸びる2番人気(4対1)のミスター・マルティ・グラ Mister Marti Gras に5馬身半の大差を付ける堂々の逃げ切り勝ち。半馬身差でホギーは3着に終わりました。
マイケル・トムリンソン厩舎、フロラン・ジェルー騎乗のミッドナイト・シーロは、これがG戦初勝利となる5歳牡馬。アーリントン競馬場もポリトラック・コースも初めての経験での快挙です。前走アリシェバ・ステークス(GⅡ)7着からの巻き返しでした。

そして本格的な夏競馬到来を告げるデル・マー競馬場、最初のG戦はいきなりのGⅠ、エディー・リード・ステークス Eddie Read S (芝GⅠ、3歳上、9ハロン)。yielding の発表から good にまで回復した馬場に7頭が出走し、去年のデル・マー・ダービー(芝GⅡ)勝馬ミッドナイト・ストーム Midnight Storm が6対5の1番人気。
レースは4番人気(9対1)のビッグ・カザノヴァ Big Cazanova が逃げ、ミッドナイト・ストームはこれをマークして2番手追走。しかし直線に入ると、前半は後方2番手に控えていた3番人気(9対2)のガブリエル・チャールズ Gabriel Charles が大外を回ると、前の5頭を纏めて交わし、4番手から伸びた5番人気(11対1)トゥエンティートゥエンティーヴィジョン Twentytwentyvision に3馬身4分の3差を付ける圧勝です。1馬身半差で最後方から2番人気(2対1)のフィネガンス・ウェイク Finnegans Wake が3着に追い込み、ミッドナイト・ストームはバテて5着敗退。
ジェフ・マリンズ厩舎、マイク・スミス騎乗のガブリエル・チャールズは、本命馬と同じデル・マー・ダービーの勝馬(1着同着で)ですが、一昨年の覇者。デル・マー・ダービー馬の新旧対決を制したことになります。実は勝鞍も一昨年のダービー以来となり、デル・マーで走ったのも2年振りのことでした。

最後はインディアナ競馬場からオークスとダービー。もちろんインディアナ州の競馬場で、ここで行われるG戦はこの2鞍のみですが、去年は10月に開催されたもの。今年は夏競馬開始の時期に繰り上げられて行われました。どちらも1995年に同じインディアナ州のフーシー・パーク競馬場で創設されましたが、オークスは2009年に中止されたため、ダービーは今年が21回目、オークスは20回目となります。どちらもリステッド戦からGⅢに、そしてGⅡと格上げされてきましたが、昇格の年は同じじゃありません。
現地時間でオークスは夜9時10分、ダービーは9時40分発走ということで、明るい時間に他の競馬場で騎乗していたジョッキーもヘリで駆け付けるというケースもあります。函館や福島のメインレースに乗った騎手たちが、ヘリコプターで移動して夜は大井のナイター競馬に騎乗するような感覚でしょう。日本ではそこまで行っていませんが・・・。

さて、先に行われたインディアナ・オークス Indiana Oaks (GⅡ、3歳牝、8.5ハロン)は雨で泥田 sloppy と化した馬場に2頭が取り消して9頭立て。ケンタッキー・オークス7着、エイコーン・ステークス5着とGⅠを闘ってきたオーシャンウェーヴ Oceanwave が2対1の1番人気。
レースはこの馬場では先手必勝とばかりにハナを切った7番人気(15対1)ハイ・ダラー・ウーマン High Dollar Woman の逃げ切り勝ち。1馬身差で2番手を追走した6番人気(9対1)のスイートグラス Sweetgrass がそのまま2番手を確保し、2馬身4分の1差で後方3番手から漸くオーシャンウェーヴが追い込んで3着に食い込みました。
スティーヴ・ホビー厩舎、ジョセフ・ロッコ騎乗のハイ・ダラー・ウーマンは、2歳時に2勝したものの今期は未だ勝鞍が無く、これがステークスもG戦も初勝利となります。

最後のインディアナ・ダービー Indiana Derby (GⅡ、3歳、8.5ハロン)は8頭立て。前走オハイオ・ダービー(GⅢ)3着のディヴァイニング・ロッド Divining Rod が勝馬ミスター・ズィー Mr. Z を抑えて7対5の1番人気。プリークネス・ステークスでも3着したことで人気が上回っていました。
ここも先手必勝、2番人気(7対2)のミスター・ズィーが逃げましたが、第4コーナーではやや外に膨れる流れ。これを2番手で追走していた3番人気(4対1)のティズ・シェイ・ディー Tiz Shea D が直線で外から襲い掛かると、最後は1馬身4分の1差競り落として優勝。4番手を進んだディヴァイニング・ロッドも追い上げましたが、頭差届かず3着まで。
ウイリアム・モット厩舎、ホセ・レズカノ騎乗のティズ・シェイ・ディーは、今年2月にパークス競馬場でデビュー勝ちし、ガッサム・ステークス(GⅢ)が2着、ピーター・パン・ステークス(GⅡ)での4着から、前走同じベルモントのアローワンス戦で2着。これがG戦初勝利となりました。

 

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