英仏ダービーはどちらが上?

さて昨日はフランスのメゾン=ラフィット競馬場でもG戦が一鞍、ユージェーヌ・アダム賞 Prix Eugene Adam (GⅡ、3歳、2000メートル)が行われました。メゾン=ラフィット大賞典の別呼称もあるようですが、何時からのことでしょうか。
good to soft の馬場に6頭が出走してきましたが、色々な面で比較する材料の多い競馬、小頭数ながら結果も大いに注目すべきでしょう。

6対4の1番人気に支持されたエピキュリス Epicuris は、去年無敗でクリテリウム・ド・サン=クルー(GⅠ)を制した馬で、今期はラ・フォース賞(GⅢ)で2着した後エプサム・ダービーに挑戦し、ゴールデン・ホーン Golden Horn の5着だった当ブログでもお馴染みの馬。
一方21対10で余り差の無い2番人気に支持されたウォー・ディスパッチ War Dispatch はギッシュ賞(GⅢ)の勝馬で、フランス・ダービーがニュー・ベイ New Bay の3着。従ってエピキュリス対ウォー・ディスパッチは英仏ダービー馬の代理戦争の様な形にもなっていました。

レースはウォー・ディスハッチが逃げ、エピキュリスはこれをマークしながら外を先行。しかし勝負所、エピキュリスが瞬発力を欠いて喘ぐ中、2番手の内で我慢し、他馬がスパートするのを待っていたジョイント3番人気(49対10)のダリーヤン Dariyan が外に出して仕掛けると、前を纏めて捉え、粘るウォー・ディスパッチに1馬身半差を付ける圧勝でした。短頭差で最低人気(242対10)のトルク Toruk が3着に食い込み、エピキュリスは更に1馬身4分の3差で4着と期待を裏切っています。
結局ダービー入着馬対決はフランス組が勝利となりましたが、どうもエピキュリスは2歳時の成績とは異なってスタミナに不足しているようで、これで単純にフランス馬がイギリス馬よりレヴェルが上、ということにはならないでしょう。

さて勝ったダリーヤンはアラン・ド・ロワイヤー=デュプレ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗のアガ・カーン所有馬で、前走リス賞(GⅢ)では1番人気に支持されながら4着だった馬。その時勝ったイラプト Erupt が次走パリ大賞典を無敗で制したのは既に紹介した通り。改めてイラプトの評価を上げたことになります。即ち、仏ダービーよりパリ大賞典の方がレヴェルが高い、と。
この結果ダリーヤンには凱旋門賞のオッズ、25対1が提示され、イラプトのオッズもレース前の14対1から12対1へと緩やかながら上昇しています。いずれ日本でも海外競馬の馬券が合法的に購入できるそうですが、こうした地味なG戦の結果も丹念に見ていく必要がありそう。トレーヴだけじゃなく、ゴールデン・ホーン、ニュー・ベイ、イラプト、そしてダリーヤンという馬名も瞬時に頭に浮かぶようにならなくては・・・。

 

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