遅れてきた強豪マイラー

8月13日はイギリスとアイルランドで1マイルのG戦が一鞍づつ行われましたが、今年から国別に記事を分割しているので、ここでは英国のマイルG戦を取り上げましょう。

good の馬場で行われたソールズベリー競馬場のソヴリン・ステークス Sovereign S (GⅢ、3歳上牡せん、1マイル)は、珍しく牝馬には出走権がありません。逆に言えばせん馬が胸を張って出られるレースでもあり、実際今年16回目となるこのレース、最近7年間はせん馬が独占してきました。
今年は2頭が取り消して9頭立て。去年の勝馬キャプテン・キャット Captain Cat 、2012年の勝馬タリアス Tullis と2度目の勝利を目指すせん馬2頭を抑えて11対4の1番人気に支持されたのは、3歳牡馬で厩舎ではクラシック候補と目されていたコーディ・ベアー Kodi Bear です。

そのコーディ・ベアー、スタートから主導権を奪うと、迫ってくる相手を物色するような余裕の走りを見せ、中団から追い込む最低人気(20対1)のダーク・エメラルド Dark Emerald に4馬身半差を付ける圧勝で期待に応えました。更に1馬身4分の1差で2番手を追走したジョイント2番人気(5対1)のカスタム・カット Custom Cut が3着に入り、タリアスは5着、キャプテン・キャットも6着で共に2度目の勝利は成らず。久し振りに牡馬がこのGⅢ戦を制しています。
クライヴ・コックス厩舎、今回がソールズベリー競馬場が初体験というジェラール・モッセ騎乗のコーディ・ベアーは、2歳の終戦デューハースト・ステークス(GⅠ)の2着馬でしたが、脚部の感染症を患ってクラシック・シーズンを棒に振っていた存在です。漸くレースに復帰した6月27日にウインザーのリステッド戦に勝ち、前走フランス遠征でジャン・プラ賞(GⅠ)で4着。陣営での評価の高さを堂々と証明して見せました。

言わば遅れてきた強豪マイラー、秋の大一番クィーン・エリザベスⅡ世ステークスの台風の目になりそうな雰囲気で、オッズはレース前の25対1から16対1に上がりました。春の無念を晴らすことになるか・・・。

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください